慶應義塾大学の4番・常松広太郎、米カブスとマイナー契約合意――ゴールドマン・サックス内定辞退の決断

2025年11月5日――日本の野球界に新たな旋風が巻き起こりました。慶應義塾大学4年の外野手・常松広太郎選手が、米メジャーリーグの名門シカゴ・カブスとマイナー契約で合意に達したことが報じられています。就職先として内定を得ていた世界的金融企業ゴールドマン・サックスという、まさに「最難関」の選択肢を辞退し、幼いころから抱いてきた野球への夢を追うことを決意しました。

究極の二者択一――金融エリートか、メジャー挑戦か

常松選手は2025年秋、東京六大学野球リーグ戦にて全試合で4番を務め、リーグ通算4本塁打を記録した「右の強打者」としてチームの核を担いました。その実績をもって、NPB(日本プロ野球)へのドラフト志望届を提出するも、残念ながら指名は得られませんでした。そんな中、米大リーグ・カブスより10月末に正式なマイナーリーグ契約オファーが届き、一気に潮目が変わったのです。

同時期、就職活動の成果として世界的な金融大手「ゴールドマン・サックス」から内定を獲得。常松選手本人も「社員の方々も心から尊敬できる」とコメントし、金融マンとしてのキャリアパスにも強烈な魅力を感じていました。まさにスポーツとビジネス、夢と現実の狭間で大きく揺れる日々だったと言えるでしょう。

常松広太郎選手のプロフィール

  • 氏名:常松 広太郎(つねまつ こうたろう)
  • 所属:慶應義塾大学 4年
  • 出身:慶応湘南藤沢高校
  • ポジション:外野手
  • 投打:右投右打
  • 身長・体重:185cm・89kg
  • 主な特徴:2025年NPBドラフト指名漏れ。シカゴ・カブスとマイナー契約で合意。ゴールドマン・サックスの内定も得ていた。リーグ通算4本塁打。TOEIC990点満点の知力。

MLBへの憧れ――NY育ちの帰国子女として

常松選手は米国ニューヨーク州にて幼少期を過ごした帰国子女です。父親の転勤に伴い、野球の本場・米国で育てられました。「父にはヤンキースタジアムに何度も連れて行ってもらい、独特の雰囲気に魅了されてきました」と語る通り、メジャーリーグへの憧れは少年時代から深く根付いていました。

大学時代も慶大法学部で好成績を収め、TOEIC990点満点取得という「文武両道」の体現者。社会人としての素養も十分ながら、野球への情熱が今回の決断の原動力となりました。

NPB指名漏れから一転、カブスとの合意に至るまで

2025年10月23日――NPBドラフト会議にて指名漏れという予想外の結果を受けた常松選手は、「野球から離れ、ビジネスマンとして一流のキャリアを歩む」道に傾いていたのが現実です。しかし、10月末にカブスから届いた正式なオファーに心が大きく動きます。

「プロで野球をやることは子どもの頃からずっと憧れていました。体が動くうちにチャレンジしたいという思いがあるのも事実」と本人は悩み続けました。ゴールドマン・サックスへの思いも強かったものの、「自分にしかできないチャレンジ」である野球への決断を下したのです。

アメリカからの高評価――なぜカブスは常松広太郎にオファーしたのか

  • 米MLB球団間で日本人選手の市場価値が急激に高まっている背景。
  • NPBドラフト外となった選手へも「将来性」に着目した海外球団の積極的なスカウト活動。
  • 慶大リーグ通算4本塁打のパワーと185cm・89kgの恵まれた体格
  • 言語力や知力(TOEIC990点満点)など、異文化環境でもマイナーリーグ適応力が高いと判断された点。

近年、大谷翔平・山本由伸・佐々木朗希などNPB出身のスター達が米メジャーで大活躍。常松選手はNPBから調査書が届かなかったものの、メジャー球団がその育成力や将来性に目を付けてのオファーでした。

決断に至るまでの葛藤―家族・内定先・チームメイトと共に

ゴールドマン・サックスは本当に好きな会社だし、社員の方々も尊敬している」と述べる常松選手。内定先には丁寧な感謝の気持ちを伝え、失礼が無いように話し合いを重ねてきました。家族とも何度も話し合いを持ち、チームメイトにも野球への情熱を伝えたと言います。

決して容易な決断ではありませんでした。「全員が納得できる形以外の選択肢はない」という言葉通り、人生の分岐点で迷いながらも、自らの夢を信じてまっすぐに歩み始めます。

今後の展望――日本とアメリカ、両国をつなぐ挑戦者として

プロ野球選手としてのスタートは米国。今後はシカゴ・カブス傘下のマイナーリーグで研鑽を積み、メジャー昇格を目指します。これまでNPB経由以外から直接MLB契約を結ぶ日本人学生は少数派ですが、文武両道でグローバルな経験値を持つ常松選手の挑戦は新たなロールモデルになることが期待されています。

彼が見据える未来は、野球選手として自身の可能性を最大限に発揮し、アメリカという異文化で自らを研鑽すること。将来、何らかの形で「スポーツ・ビジネス・教育」の分野にも貢献できる日が訪れるかもしれません。海外へ挑戦する日本人若者たちへの刺激と希望を与える存在となりそうです。

最後に――常松広太郎選手からのメッセージ

スポーツ報知取材などで常松選手は次のように語っています。「長年野球をやってきた中で、こうして評価をいただけたのは本当に嬉しいことです。たくさんの方々に支えられてここまで来ることができました。体が動く限り、プロとして挑戦したいと思っています」。

今後も、慶大4番打者からアメリカ・メジャーリーグを目指す若き挑戦者として、日本国内外の多くの人々がその活躍に期待しています。

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  • 【解説】慶大・常松広太郎がカブスからオファー…アマ選手ニーズ高まり「日本でもアメリカでも」
  • ゴールドマン・サックスの内定辞退しカブスとマイナー契約
  • どうする慶大4番、ゴールドマン・サックスかカブスか 就職内定後にマイナー契約オファー届く
  • 慶応の4番・常松広太郎にメジャーからマイナー契約のオファー 現在の心境

「野球と金融、二つの夢を手放す勇気――常松広太郎、慶大からカブスへ飛び立つ」

参考元