鎌倉涼、クイーンズクライマックスで劇的優勝! 史上2人目の夏冬女王に輝く

ボートレース大村で開催されたプレミアムG1第14回クイーンズクライマックスで、鎌倉涼選手が優勝を飾りました。インコースから堂々と逃げ切り、悲願のG1初優勝を果たし、8月のレディースチャンピオンに続く同一年での夏冬女王戴冠を達成。女子ボートレース界に新たな歴史を刻みました。

大会の舞台と激戦の背景

この大会は、年末のボートレース界を飾る女子レーサーの総決算。全国からトップレーサーが集まり、賞金女王の座を賭けた熱い戦いが繰り広げられました。開催地の大村ナイターは、風の影響を受けやすいコースとして知られていますが、今回は強めの向かい風が特訓を難しくさせる中、各選手が舟足の調整に全力を注ぎました。

鎌倉涼選手は大阪支部所属のベテラン。今回の出場は10年ぶりで、過去4度のクイーンズクライマックスすべてで優出を果たすという驚異的な実績を持っています。ミスパーフェクトと称されるその安定感が、再び注目を集めました。

大会最終日、12月31日に行われた12Rクイーンズクライマックス優勝戦。1号艇に鎌倉選手が入り、2号艇小野生奈選手、3号艇川野芽唯選手、4号艇遠藤エミ選手、5号艇渡辺優美選手、6号艇平高奈菜選手という豪華メンバーが揃いました。鎌倉選手は今年の獲得賞金4347万円で臨み、夏のレディースチャンピオン覇者として「夏冬女王」の2人目戴冠を狙っていました。

予選から準優、トライアルのハイライト

大会は5日間にわたり、予選、準優、トライアルと進みました。鎌倉選手は予選を2位通過。モーターの2連対率28.3%以上のパワーを引き出し、安定した走りを見せました。11RのQCシリーズ戦では、逃げ切り快勝を収め、優出を当確。10年ぶりの出場で4度目の優出を決め、ファンを沸かせました。

一方、ライバルたちも負けていません。遠藤エミ選手は2017年と2024年のクイーンズクライマックス覇者で、今年の賞金女王首位(6113万円)。小野生奈選手も機力上位で強敵として名を連ね、11R終了時点で鎌倉選手と同ポイントの25点でした。川野芽唯選手(2015年覇者)や平高奈菜選手もボーダーを超え、6人全員が歴代の実力者揃い。

特訓タイムでは、遠藤選手と小野生奈選手が◎評価を受け、向かい風の中でも舟足の良さが光りました。鎌倉選手自身は「乗り心地に課題があるが、舟足は進んでいる」とコメント。調整を外さなければ十分と自信を見せていました。

  • 11R QCシリーズ戦の結果:鎌倉涼が逃げ切り勝利。遠藤エミが猛追するも2着、小野が3着を守る。
  • 得点状況(11R終了時):鎌倉涼25点、小野生奈25点、川野芽唯24点、遠藤エミ24点。
  • 優勝戦メンバー:1枠鎌倉涼(大阪)、2枠小野生奈、3枠川野芽唯、4枠遠藤エミ、5枠渡辺優美、6枠平高奈菜。

優勝戦の劇的な展開

いよいよ最終12R。スタートが切られると、1号艇の鎌倉選手がインから先マイを決め、外枠の差しを封じました。2号艇遠藤選手が道中で猛追し、一瞬ゴール前で迫るほどの接戦に。会場は大歓声に包まれました。しかし、鎌倉選手は冷静に耐え抜き、逃げ切り! 1分51秒8のタイムで1着。2着に遠藤選手(1分52秒2)、3着に平山選手が入りました。

この勝利は、鎌倉選手にとってG1優出5回目での悲願の初優勝。通算22回目、浜名湖では4回目の優勝となりました。23年7月の住之江以来、約2年ぶりのビッグタイトルです。「耐えて逃げた!」というレース回顧通り、粘りの走りが光りました。

レース後、鎌倉選手は「夏冬女王はなかなかできないので狙っていく」とV宣言を果たしました。プレミアムG1の頂点に立ち、女子賞金ランク4位へ浮上。次走の徳山ヴィーナスシリーズ戦に向け、勢いを維持します。

賞金女王争いの行方と大会の意義

優勝した鎌倉選手ですが、年間賞金では遠藤選手を逆転できず。賞金女王は遠藤選手が有利で、平高奈菜選手の逆転条件は優勝+遠藤4着以下のみでした。結果、遠藤選手が女王の座を守った形です。それでも鎌倉選手の活躍は、夏冬2大会制覇という快挙として語り継がれます。昨年遠藤選手に続く2人目の偉業です。

大会全体では、渡辺優美選手のデビュー初Vの地での活躍や、初出場の高憧四季選手のトライアル勝利など、若手の台頭も見られました。ボートレース大村の水面は、強敵揃いの優勝戦を盛り上げ、ファンの期待に応えました。

鎌倉涼選手の勝利は、ベテランの底力と冷静さを象徴。オリンピック3大会出場の経験を持つコメントからは、人間力の高さがうかがえます。「勝っても負けてもできることをやるだけ」という姿勢が、若いレーサーたちへのお手本となるでしょう。

選手たちのコメントと舟足評価

優勝戦前の特訓コメントを振り返ると、各選手の自信が伝わってきます。

  • 鎌倉涼(1号艇):乗り味に課題あるが舟足◎、進んでいる。
  • 小野生奈(2号艇):ターン後の加速感がいい。
  • 遠藤エミ(4号艇):バランス取れ乗りやすい。
  • 平高奈菜(6号艇):まくり差しが狙える調整◎。

これらの調整が、レースの白熱した展開を生みました。特に鎌倉選手のパワー底上げが功を奏し、向かい風をものともしない走りを見せました。

このクイーンズクライマックスは、女子ボートレースのレベルの高さを証明。鎌倉涼選手の戴冠により、2025年の幕が華やかに閉じられました。ファンの皆さんも、この感動のレースを振り返りながら、次なるシーズンを楽しみに待ちましょう。

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