インドネシア代表、サウジアラビアとのAFCワールドカップ予選大一番を迎える

三年前の大惨事から這い上がり、夢の舞台を目指すインドネシア代表

2025年10月9日午前0時15分(WIB)、インドネシア代表はサウジアラビアのジッダにあるキングアブドラスポーツシティスタジアムで、アジアサッカー連盟(AFC)ワールドカップ2026年最終予選(第4次予選)のグループステージ第一戦を迎えます。この対決は、長年ワールドカップ出場を夢見てきたインドネシアサッカーにとって、まさに運命の一戦といえるでしょう。スタジアムの大混乱から三年、インドネシア代表は、あと二勝で初のワールドカップ本戦出場が現実となります。

注目される試合背景と予選の構図

  • アジア最終予選第4ラウンドは、6チーム(インドネシア、サウジアラビア、イラク、アラブ首長国連邦、カタール、オマーン)が3チームずつ2つのグループに分かれて戦います。
  • 各グループで1位となったチームが2026年ワールドカップ出場権を獲得。2位は大陸間プレーオフへ進みます。
  • インドネシアはグループBに入り、同組はサウジアラビアとイラク。
  • 今回の試合は、全グループBの試合がサウジアラビア国内で開催されることから、インドネシアとしてはアウェイでの連戦を強いられています。

インドネシア代表、苦境に立ちながらも闘志を燃やす理由

このステージ開催が決まった時点で、PSSI(インドネシアサッカー協会)は中東開催やレフリーへの懸念を示し、アジアサッカー連盟(AFC)に審判団の変更を要請しましたが、認められませんでした。主審含め、審判団は全員サウジの隣国クウェート出身となり、現地ファンやサッカー評論家からは「ホーム側有利」との声も上がっています。しかし、PSSIとチームは逆境を跳ね返す覚悟で臨んでいます。

現在のインドネシア代表とキープレーヤーたち

  • 大会にはインドネシア代表29名がサウジアラビア入りし、ベストメンバーで臨みます。
  • 監督はオランダの名ストライカー、パトリック・クライファート。彼の指導の下、チームは組織力と攻撃力に磨きをかけてきました。
  • ここ3年間で若手と帰化選手が融合し、総合力の底上げが実現しました。国際舞台での経験も増えており、自信を持って試合に臨みます。
  • 前回のワールドカップアジア予選第3ラウンドでは、サウジアラビア相手に1勝1分と健闘し、成長を証明しました。

監督クライファートの「恐れるものは何もない」宣言

クライファート監督は記者会見で「我々には恐れるものはない。選手たちには夢を形にするだけの力がある」と語り、厳しい日程や環境にも屈しない姿勢を強調しました。サウジ開催という不公平感に対し「ピッチの上で戦うのは選手たち。場所がどこであっても、我々の使命は変わらない」と、インドネシア国民にも勇気を与えています。

サウジアラビア開催による試合日程の不公平感

  • グループBの全試合がサウジで開催されるため、インドネシアは現地への長距離移動、気温や湿度などチャレンジングな気候への適応が求められます。
  • インドネシアは3日間で2戦の強行日程。一方のサウジアラビアは試合ごとに6日間のインターバルがあり、体力面で明らかに優位とされています。
  • 声明や異議申し立てを行うも、AFCによる試合運営方針は覆りませんでした。

インドネシアサポーターの熱狂と期待

三年前のスタジアム災害(クラウド事故)から、全国でサッカーファンの結束と安全強化の取り組みが進み、今や「代表のワールドカップ挑戦」が被災者への最大の勇気となっています。SNSでは「#GarudaMaju(ガルーダ前進)」がトレンド入りし、国民挙げての応援体制が整っています。

グループの現状と各試合の見通し

グループBの構成は以下の通り。

順位 チーム 試合数 得点 失点 得失差 勝点
1 サウジアラビア 0 0 0 0 0 0 0 0
2 イラク 0 0 0 0 0 0 0 0
3 インドネシア 0 0 0 0 0 0 0 0

第1戦(10月9日)でサウジアラビアと激突、わずか3日後にはイラクとの連戦が控えており、どちらも苦しい相手。一方、サウジアラビアはイラク戦まで十分な休養を持って臨めるため、その差が勝敗に影響するか注目されています。

アジア各国とファンの視線―「不公平」「それでもガルーダは戦う」

多くのアジアサッカーファンは、「グループBの全試合が中東開催」という構造に批判的です。公平な競技環境が願われる中、経験と勢いで挑むインドネシア代表に声援が集まります。

サウジアラビアの強さ―開催国×アジア屈指のタレント集団

  • サウジアラビア代表は過去ワールドカップも複数回経験。国際舞台でのプレッシャーや地元サポーターの後押しもあり、実力・メンタル共にアジアトップクラスです。
  • 歴代AFCアジアカップやW杯予選での高い勝率を誇り、特にホーム開催試合では圧倒的な強さを見せます。

インドネシア代表の覚悟―「新しい歴史を刻むために」

幾多の試練を乗り越えてきたインドネシア代表。スタジアム事故からの安全改革や、下馬評を覆してきた若手選手の台頭はアジアサッカー界の希望です。「次のワールドカップピッチに国旗を掲げる」が合言葉。選手、スタッフ、そして国民サポーターが一丸となってサウジアラビアとの決戦に挑みます。

日程情報(主要試合)

  • 10月8日 22:00 オマーン vs カタール
  • 10月9日 00:15 インドネシア vs サウジアラビア
  • 3日後 イラク vs インドネシア(正確な時間未定)

全アジア、そしてインドネシアのサッカーファン必見の熱い一戦が、もうすぐキックオフされます。

参考元