白鵬杯、両国国技館からトヨタアリーナ東京へ移転──変わる舞台、揺れる未来

両国国技館卒業、子どもたちの夢の舞台が変わる

2025年8月31日、日本相撲協会と元横綱・白鵬翔氏が関わる「白鵬杯」の舞台が、これまでの両国国技館から新設のトヨタアリーナ東京へと移されることが発表されました。子どもたちが目標とし、憧れ続けてきた国技館での大会卒業は、多くの参加者や保護者から「残念」や「さみしい」といった声があがっています。

  • 白鵬杯は2010年に始まった世界少年相撲大会
  • 2025年2月に第16回大会が東京・江東区青海のトヨタアリーナ東京で開催予定
  • 両国国技館で開催されてきたが、今回の移転で歴史的な節目となる

改めて問われる「国技館」の役割と日本相撲協会の意向

両国国技館は長らく「国技」である相撲の聖地でした。特に白鵬杯は、将来の横綱を夢見る少年少女たちにとって、国技館の土俵に立つことが「夢への第一歩」とされてきました。ただ今回の移転について、一部から「日本相撲協会が使わせないのか?」といった疑念も生まれています。

白鵬氏は今年6月に日本相撲協会を退職。これをきっかけに大会の「卒業」や「移転」が検討されたようです。公式発表では、特定の排除や政治的な意図は否定されていますが、相撲協会と白鵬氏の関係が変化したことで利用に制約が生まれた可能性も指摘されています。

  • 協会と白鵬氏の関係性の変化が背景に
  • 大会継続は白鵬氏自身の強い願いが支え

新天地「トヨタアリーナ東京」──国際相撲の聖地として

白鵬氏は「アマ相撲、国際相撲の聖地にしたい」と新たな会場の理念を語りました。これまで国技館では実施できなかった女子の部も、来年の大会で初開催される予定です。

トヨタアリーナ東京は、10月に開業する約1万人収容可能な新施設。最新設備が整い、世界中からの参加がさらに容易になります。直近の大会でも14か国・地域、約1000名以上の参加があり、今後はさらに多様な交流が期待されます。

  • 場所:江東区青海、アクセス良好
  • 設備:最新アリーナ、国際大会にも対応
  • 展望:女子の部など、開かれた相撲大会へ

「白鵬杯」継続と子どもたちへのメッセージ

大会の存続を模索した白鵬氏。自身が創設したこの大会への責任感を語り「中学3年生の子は最後の大会になる。やり続けないといけない責任も感じている」と決意を示しています。現役時代から支援を受けるトヨタ自動車会長・豊田章男氏の協力もあり、場所が変わっても大会精神は引き継がれます。

  • 白鵬氏は大会存続の意義を強調
  • トヨタ自動車の支援により安定運営

子どもたちの“ガッカリ”と新たな夢

両国国技館卒業を「ガッカリ」と受け止める子どもたちも少なくありません。日本相撲協会からの説明や理解の促進も求められています。しかし、環境が変わっても新しい聖地での挑戦が始まることで、未来への新たな期待も芽生えています。

  • 国技館での思いは消えないが、アリーナでの新たな交流が始まる
  • 大会の継続と発展が子どもたちの夢をつなぐ

国際化・多様性の広がり──新世代の相撲

白鵬杯は国内の子どもたちだけでなく、海外からの参加者にも門戸を広げています。今年は14か国・地域の1000名が参加するなど、まさにグローバルな大会です。新会場では国際相撲の交流がさらに活性化し、未来の横綱を目指す子どもたちにとって新たな成長の舞台となるでしょう。

大会と日本相撲協会の今後

日本の伝統文化である相撲を次世代につなぐため、協会も大会の意義や交流の重要性を再認識し、「より開かれた運営」「多角的な交流」を推進することが求められています。場所が新しくなっても、相撲の精神と仲間との絆は変わりません。

ファン・保護者・選手へのメッセージ

  • 国技館での思い出を胸に、新たな場所でも一生懸命戦ってほしい
  • 相撲を通じて世界の仲間と交流できることを前向きに受け入れてほしい
  • 応援してくれる人たちへの感謝を忘れずに

相撲界全体が新たな挑戦に向けて動き始めています。子どもたちの夢が形を変えながらも、これからも明るく、力強く広がることを願ってやみません。

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