ウォリアーズ、セス・カリーとのギリギリ契約解除を発表

2025-26シーズン開幕を目前に控えた10月19日、ゴールデンステイト・ウォリアーズはステフィン・カリーの実弟・セス・カリーとLJ・クライヤーの契約を解除したことを正式に発表しました。これは今季のロスター調整の一環で、サラリーキャップの柔軟性を確保し、開幕後に再び契約する可能性を残した“ギリギリのテクニカル・ウェイブ”とみられています。

“ギリギリの決断” ウォリアーズ・フロントの狙い

開幕直前のこの時期、各チームは最終ロスターの組み立てや戦力調整に奔走します。今回のセス・カリーとの契約解除は、単なる解雇ではなく、一度ウェイブ(保有権放棄)し、レギュラーシーズン中にロスター枠が空いた段階で再契約する思惑があるとされています。ESPNのアンソニー・スレイター記者も「これはチームのサラリーキャップ管理上の柔軟性を確保するための動きであり、ウォリアーズは今後、セスと再契約する意図を持っている」と報じています。

NBAには“ギリギリ解雇”と呼ばれるこのような状況が毎年シーズン開幕前後に発生します。選手本人としては一見理不尽な動きにも見えますが、リーグ全体のルールや各チームの財務事情との兼ね合いで、戦力の“最適化”を図るための手段の一つです。セス・カリーは今オフにウォリアーズと契約し、一時的にチームメイトとなっていましたが、現時点では正式なロスターには名を連ねていない形となります。

セス・カリー、NBA歴11年のベテランシューダー

セス・カリーはNBAキャリア11年を誇る35歳のベテランガードで、昨シーズンはシャーロット・ホーネッツで68試合に出場し、平均6.5得点1.7リバウンド0.9アシスト、そしてリーグトップの3ポイントシュート成功率45.6%(平均1.2本成功)という圧倒的シューティングスキルを披露していました。彼はヒューストン大学出身で、過去にはポートランド・トレイルブレイザーズやブルックリン・ネッツなどでも活躍。NBAドラフトでは指名を受けませんでしたが、確かなスリーポイントの実績で各チームに重宝されてきた選手です。

今回のウォリアーズ加入で、弟セスと兄のステフィンが同じユニフォームをまとう“カリー兄弟”共演が実現するかと注目されていましたが、現時点ではそれは叶っていません。もちろん、再契約が実現すれば、“カリー兄弟”プレーのファンサービスも夢物語ではなくなりますが、少なくとも開幕戦での兄弟共演は見送りとなりました。

ファン待望の“カリー兄弟”共演はもう少し先に

ウォリアーズのファンやNBA全体で、“カリー兄弟”が同じチームでプレーする場面が見られるかどうかが大きな関心の的となっていました。昨今のNBAでは、兄弟選手の共演は大きな話題を呼びますが、実際には現実的なチーム運営や財務上の判断が優先されるのが現実です。

しかし、バスケットボールキングの記事にもある通り、「“カリー兄弟”が同じユニフォームを着て活躍する姿を見るには時間が少し必要」という状況です。今後、ロスター枠が空き、セスが再契約に至った場合、兄弟揃ってのプレーも現実味を帯びてきます。昨年のホーネッツ時代にリーグトップの3P成功率を叩き出したセスのシューティングセンスは、兄・ステフィンに勝るとも劣らず。仮に“カリー兄弟”が揃えば、NBA史上まれに見る“シューティング・ファミリー”が誕生することになります。

ステフィン・カリー、17シーズン目のウォリアーズで

一方、兄のステフィン・カリーは、2025-26シーズンでウォリアーズ在籍17シーズン目を迎えます。2009年のドラフト1巡目7位で指名されて以来、ウォリアーズ一筋でプレーし、4度の優勝に導いたカリスマ的存在です。彼は今季のウォリアーズで、ドレイモンド・グリーン、ジミー・バトラー3世らとともにチームの顔として奮闘する予定です。

また、カリーはメディアに対し「来季以降もカーHC(ヘッドコーチ)の続投を希望している」とコメント。スティーブ・カーとの信頼関係は深く、パリ五輪アメリカ代表でも監督・選手として金メダルを分かち合った仲です。今季がカーHCの契約最終年ということで、今後の動向も注目されています。

今後のウォリアーズの展望と“カリー兄弟”の可能性

ウォリアーズはブランドン・ポジェムスキーなどの若手や、アル・ホーフォード、バディ・ヒールドといったベテランも加え、今季も優勝争いを目指す構えです。また、現在のロスターには、バトラー3世やポジェムスキーなど、複数のポイントガード候補がいます。つまり、チーム戦略上は必ずしもセスの出番が保証されているわけではなく、再契約のタイミングや条件次第となっています。

今季の開幕は10月22日から始まります。その後のロスターの空き状況によっては、セスのウォリアーズ復帰も十分あり得ます。ファンとしては、“カリー兄弟”によるNBA公式戦でのプレーを期待しつつ、今季のウォリアーズの動きと、リーグのサラリーキャップ事情にも注目したいところです。

まとめ

  • ウォリアーズは開幕直前にステフィン・カリーの弟、セス・カリーとの契約を解除しましたが、これはサラリーキャップ管理のため。再契約の可能性も残されています。
  • “カリー兄弟”が同じユニフォームでプレーする姿は、現時点ではまだ見られませんが、今後のチーム状況次第で実現もあり得ます。
  • ステフィン・カリーは今季、ウォリアーズ一筋で17シーズン目を迎え、カーHCとともに新たな優勝へ向けて奮闘します。

今回の一連の動きは、NBAの厳しい現実と夢のギリギリの狭間で起きています。ファンにとっては、兄弟揃ってのプレーを心待ちにしながらも、現実的なチーム事情やリーグの仕組みを受け止める局面と言えるでしょう。今後のウォリアーズの動き、そして“カリー兄弟”の運命には、引き続き注目です。

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