1着15万円のスーツで「SASUKE」完全制覇へ――愛媛銀行・宮岡良丞さん(32)、孤高の挑戦

TBSの人気スポーツ・エンターテインメント番組「SASUKE2025 第43回大会」で、いまもっとも注目を集めている挑戦者のひとりが、愛媛銀行に勤める会社員・宮岡良丞(みやおか・りょうすけ)さんです。
銀行員という堅実な職業に就きながら、1着およそ15万円のスーツを身にまとい、「完全制覇」を本気で狙う姿が話題になっています。

ここでは、宮岡さんがどのような思いで「SASUKE」に挑んでいるのか、そのこれまでの歩みとトレーニング、そして2025年大会にかける決意を、やさしい言葉で丁寧にご紹介します。

SASUKEとはどんな番組? 宮岡さんが目指す「完全制覇」とは

「SASUKE」は、難度の高いアスレチックコースに挑戦し、4つのステージを連続でクリアできるかを競う、TBSの人気番組です。
1stステージから4thステージ(ファイナルステージ)まであり、すべてを制覇し、最後のタワーを制限時間内に登り切ってボタンを押すことができた挑戦者だけが、「完全制覇」の称号を手にします。

番組開始から20年以上の歴史の中で、完全制覇を達成したのは、たった数人しかいません。
毎年、多くのトップアスリートや芸能人、一般参加者が挑みますが、ほとんどはどこかのステージで脱落してしまいます。それでも挑戦者たちは諦めずに戻ってくる――その「挑戦の物語」こそが、多くの視聴者の心をつかんでいます。

愛媛銀行の「怪物銀行員」――宮岡良丞さんとは

そんなSASUKEの世界で、近年とくに注目されているのが、愛媛銀行の職員として働く宮岡良丞さんです。
番組やネット上では、「愛媛の怪物銀行員」「完全制覇に取り憑かれた男」といった異名で紹介されることもあり、その実力とストイックさから、コアなSASUKEファンの間ではすでに知られた存在になっています。

宮岡さんがSASUKEに初出場したのは数年前。初出場にして3rdステージまで進出するという快挙を成し遂げ、一気に頭角を現しました。
さらに2年目には、長年「人類未踏」とさえ言われてきた超難関エリア「バーティカルリミット.BURST」を、人類で初めて攻略した選手として話題になりました。

SASUKEにおいて3rdステージは、握力・持久力・集中力のすべてが試される「魔のステージ」として知られています。その最難関とされてきたエリアを突破したことで、宮岡さんは一気に「完全制覇候補」の筆頭に躍り出ました。

1着15万円のスーツで挑む理由――「仕事とSASUKE、どちらも本気」

今回のニュースで多くの人の目を引いたのが、宮岡さんが「1着15万円のスーツ」を着て挑戦している、という点です。
SASUKEの挑戦者といえば、動きやすいスポーツウェアやオリジナルのユニフォームで登場することが多い中で、上質なビジネススーツにネクタイという姿は、ひときわ異彩を放ちます。

スーツ姿で挑むことには、「銀行員としての自分」と「SASUKE挑戦者としての自分」をあえて切り離さず、仕事も挑戦も同じ一人の人間として全うしたいという、宮岡さんなりの強いこだわりが込められています。
TBS公式のSASUKEチャンネルの密着動画でも、仕事を終えたあと夜遅くまでトレーニングに打ち込む様子や、スーツ姿のまま自作の練習セットに向き合う姿が映し出されており、「仕事とSASUKEを両立させたい」という思いがにじみ出ています。

1着15万円という価格も、「ただの衣装」ではなく、自分自身への投資であり、「ここまでやる」という覚悟の象徴に近いものと言えるでしょう。

自宅に再現したファイナルステージ――「完全制覇」に取り憑かれた日常

宮岡さんが「完全制覇に取り憑かれた男」と呼ばれる理由は、そのトレーニングの異常なまでの徹底ぶりにあります。
SASUKE公式YouTubeや関連動画では、彼が愛媛の実家に自作のSASUKEセットを組み上げ、3rdステージやファイナルステージを再現して練習している様子が紹介されています。

特に印象的なのが、ファイナルステージをほぼそのまま自宅に再現し、時間を計りながら何度も何度も繰り返し挑戦する姿です。
ロープクライムやスパイダーウォークなど、本来ならテレビの中でしか見られないはずのエリアを、自分の敷地内に作り上げてしまう行動力と執念は、まさに「SASUKE愛」の塊と言っても過言ではありません。

また、3rdステージ最大の鬼門であるバーティカルリミット.BURSTについても、専用の練習セットを作り、握力や前腕の筋持久力を徹底的に鍛えてきました。
2025年大会に向けては、その練習をさらに強化する様子が取り上げられ、「完全制覇に向かって走り続ける」「完全制覇に取り憑かれた男」といったタイトルで密着動画が公開されています。

「SASUKE2024」ファイナリストから「2025」完全制覇へ――ラストスパート

宮岡さんは、SASUKE2024大会で唯一のファイナリストとなったことでも注目を集めました。
多くの実力者が3rdステージで脱落していく中、ただ一人ファイナルステージへと駒を進め、最後の頂に挑んだのです。

しかし、結果はわずかに時間切れ。
TBS公式チャンネルの密着映像では、クリスマスの夜に鳴り響くカウントダウンの中、全身を振り絞ってタワーを駆け上がるも、ゴールボタンにあと一歩届かなかった様子が映し出されています。
会場には大きな拍手が送られた一方で、「完全制覇」という夢は、その夜は叶いませんでした。

その悔しさを胸に迎えたのが、今回のSASUKE2025 第43回大会です。番組は史上初の2夜連続放送となり、100人の挑戦者たちが過去最難関といわれる1stステージに挑みました。
12月24日の第1夜で1stステージをクリアできたのは、なんとわずか7人。これは2018年大会以来、7年ぶりの少なさという異常事態でした。

そんな中、12月25日の第2夜に行われる「1stステージ ワールドラウンド」から先のステージで、とくに注目されている選手のひとりとして名前が挙がっているのが、昨年唯一のファイナリストである愛媛銀行の怪物銀行員・宮岡良丞さんです。
公式記事でも、「新時代の旗手」「完全制覇候補」としてその存在がクローズアップされており、視聴者からの期待も高まっています。

「今はサードステージ90%以上」――自分に課したハードル

SASUKE2025に向けた密着動画の中で、宮岡さんは、自身の現在の仕上がりについて問われた際、「3rdステージに関して言うと、90%は超えているかなと」と語っています。
「大会までに100%に持っていきたい」とも話しており、本番に向けてさらに追い込みをかけている様子が伝わってきます。

さらに、今大会へのモチベーションについては、「もう今回は完全制覇一択ですね」ときっぱり。昨年の悔しさを胸に、迷いのない表情でカメラに向かって言い切る姿からは、「もう後には引けない」という覚悟が感じられます。

4年ぶり、もしくはそれ以上ぶりとなる完全制覇が生まれるのか――番組のナレーションでも、その期待が繰り返し語られています。
その中心にいる挑戦者のひとりが、他でもない、1着15万円のスーツに身を包んだ愛媛銀行員・宮岡良丞さんなのです。

「なぜ人は挑戦に心を奪われるのか」――宮岡良丞さんが映すSASUKEの本質

SASUKEは、「勝者の物語」よりも、「挑戦者の物語」に多くの時間を割く番組です。
ある解説記事では、SASUKEが愛される理由のひとつとして、「勝者ではなく『挑戦者』に感情移入できる」点が挙げられています。

完全制覇者はごくわずか。多くの挑戦者は、どこかで落ちてしまいます。それでも悔しさを抱えたまま、翌年もまた緑山に戻ってくる――その姿に、視聴者は自分自身の姿や、日々の仕事・勉強・人生の挑戦を重ね合わせるのかもしれません。

宮岡良丞さんは、まさにその「挑戦者」の象徴と言える存在です。
銀行員という安定した職業に就きながら、仕事の合間を縫って体を鍛え、自宅にまでSASUKEのセットを作り上げ、1着15万円のスーツをまとって、ただひたすらにゴールボタンを目指す――その姿には、職業や年齢に関係なく、「自分も何かに本気で挑戦してみたい」と思わせる力があります。

SASUKE2025第2夜では、森本裕介さんによる史上初の3度目の完全制覇への挑戦など、他にも見どころが数多くありますが、その中にあって、昨年唯一のファイナリスト・宮岡良丞さんが、スーツ姿でどこまで駆け上がるのか――多くのファンが固唾をのんで見守っています。

完全制覇という偉業に届くかどうかは、放送を見届けるまで分かりません。
しかし、結果がどうであれ、「孤高の挑戦」を続ける銀行員の姿は、確かに多くの視聴者の心に刻まれています。
そしてその姿は、「日々の仕事をしながらでも、本気で何かを目指していいのだ」と、静かに背中を押してくれているようにも感じられます。

参考元