ドジャースの要ロハス内野手が電撃的な引退表明

2025年10月9日、ロサンゼルス・ドジャースのミゲル・ロハス内野手が、来季限りでの現役引退を表明しました。この発表は、ドジャースが本拠地でフィラデルフィア・フィリーズとの地区シリーズ第4戦を制した直後、シャンパンファイトの最中という劇的なタイミングで行われ、球団関係者やファンに大きな驚きを与えています。

ロハス選手は優勝の喜びに包まれる中、ロサンゼルスの地元記者に対して「ここでキャリアを終えたい」と心境を吐露。自身の野球人生を振り返り「波乱万丈だったよ」と感慨深げに語りました。36歳となる2026年シーズンを最後にユニフォームを脱ぐ決断を下したのです。

当初の計画から1年早い引退決断

実は、ロハス選手は2024年11月の時点で、地元メディア「ドジャース・ネーション」のポッドキャスト番組に出演した際、「あと2年間プレーすること」を目標として掲げていました。その時点では2025年と2026年の2シーズンをプレーし、2026年シーズン後に引退する予定だったのです。

しかし、今回の発表により、その計画が1年前倒しされる形となりました。ロハス選手は当時、「自分のピークの時に球界を後にしたい。仕事(契約を掴むこと)のために戦わなきゃならないという状況に直面したくはない」と語っており、自らが納得できる形での引退を強く望んでいました。

ドジャースでの充実した日々

ロハス選手にとって、ドジャースは特別なチームでした。「俺はドジャースで引退したいと思っているよ」という言葉通り、彼は念願のドジャースのユニフォームを着て、キャリアの最後を飾ることを強く希望していたのです。

2024年シーズン、35歳のロハスは103試合に出場し、打率.283、6本塁打、36打点、OPS.748という成績を残しました。これは前年を上回る数字であり、ベテランとして円熟味を増していることを証明する内容でした。

チームの危機を救ったユーティリティプレーヤー

ロハス選手の真価が発揮されたのは、2024年6月のことでした。チームの主力であるムーキー・ベッツ内野手が死球を受けて骨折離脱するという事態に見舞われた際、ロハスは大きな役割を担いました。複数のポジションをこなせるユーティリティ性と、確実な守備力で穴を埋め、チームを支えたのです。

この時期の活躍は、ロハス選手がいかにチームにとって貴重な存在であるかを改めて示すものでした。彼の献身的なプレーは、チームメイトや首脳陣からも高く評価されています。

佐々木朗希への背番号譲渡

ロハス選手の引退発表に関連して、もう一つ注目を集めているのが背番号「11」の行方です。ロハスはこの背番号を、ドジャースに新加入した日本の若きエース、佐々木朗希投手に譲りました。

ロハスは佐々木について「『11』は永久欠番になる」と予言し、「多くの困難を乗り越えた」選手だと称賛しています。自身の引退を前に、若き才能にバトンを渡すという形は、ロハスの人柄を表すエピソードと言えるでしょう。

ドジャースの世代交代と今後の課題

ロハス選手の引退表明は、ドジャースにとって世代交代の象徴的な出来事となりそうです。チームの主力野手の多くは30代前半から中盤に達しており、若返りが必要な状況にあります。

ベテラン選手の去就

2025年シーズン終了後には、ロハスだけでなく、複数のベテラン選手の契約が満了を迎えます。キケ・ヘルナンデス選手など、長年チームを支えてきた選手たちの去就も不透明な状況です。常勝軍団であるドジャースにとって、実力のある中堅選手たちの存在が若手選手の出場機会を減らしているという課題も指摘されています。

幸いにも、キム・フリーランド選手やパヘス選手など、若手選手が実力を示しつつあります。ドライヤー・カスパリウス投手などの若手投手も開幕からチームを支えており、世代交代の準備は着実に進んでいると言えるでしょう。

ロハスの波瀾万丈なキャリア

ロハス選手自身が「波乱万丈だった」と振り返るように、彼のキャリアは決して平坦なものではありませんでした。マイアミ・マーリンズでキャリアをスタートさせた彼は、2022年にドジャースに移籍。念願のチームで、確実な守備と状況に応じた打撃でチームに貢献してきました。

複数のポジションを守れるユーティリティ性、経験に裏打ちされた冷静な判断力、そしてチームファーストの姿勢は、多くの若手選手たちにとって手本となるものでした。ベテランとして、グラウンド内外でリーダーシップを発揮し続けたロハスの存在は、ドジャースというチームの文化を形成する上で重要な役割を果たしてきたのです。

最後のシーズンに向けて

2025年シーズンは、ミゲル・ロハス選手にとって最後のシーズンとなります。彼は「ここでキャリアを終えたい」という願いを実現できることになり、ファンやチームメイトとともに、残された時間を全力で駆け抜けることでしょう。

ドジャースのファンにとって、ロハスの献身的なプレーと人間性は忘れられないものとなるはずです。彼が最後のシーズンをどのように締めくくるのか、そして若手選手たちにどのようなメッセージを残すのか、注目が集まっています。

レジェンドたちの引退ラッシュ

ロハスの引退表明は、ドジャースにとって大きな転換点となるかもしれません。2025年限りでの引退が表明されたのはロハスだけではなく、チームのレジェンドであるクレイトン・カーショウ投手も同様の決断を下しています。3度のサイヤング賞受賞者であり、将来の殿堂入りが確実視されているカーショウの引退と相まって、ドジャースは新たな時代へと歩みを進めることになります。

これらベテラン選手たちが築き上げてきた勝利の文化を、次世代の選手たちがどのように継承していくのか。ドジャースの新たな章が始まろうとしています。

ファンからの感謝の声

ロハス選手の引退表明を受けて、ソーシャルメディアではファンからの感謝のメッセージが溢れています。「ロハス、本当にありがとう」「最後まで全力で応援する」といった声が次々と寄せられ、彼がいかに愛されていたかが伝わってきます。

シャンパンファイトの最中という、喜びに満ちた瞬間に引退を表明したことについても、「ロハスらしい」「チームへの愛を感じる」といったポジティブな反応が多く見られます。勝利の喜びを分かち合いながら、自らの決断を伝えるというスタイルは、まさにロハスの人柄を表していると言えるでしょう。

2025年シーズン、ミゲル・ロハス選手の有終の美を、多くのファンが見守ることになります。ドジャースブルーのユニフォームに袖を通す最後の1年を、彼がどのように過ごすのか。その一つ一つのプレーが、ファンの心に刻まれる大切な思い出となることでしょう。

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