ドジャースvsフィリーズ第4戦、運命の一戦へ
2025年10月9日(日本時間10日)、ロサンゼルス・ドジャースとフィラデルフィア・フィリーズによるメジャーリーグのディビジョンシリーズ第4戦が本拠地ドジャー・スタジアムで行われました。この試合は、ドジャースにとって地区シリーズ突破をかけた重要な一戦となり、対戦成績は2勝1敗でドジャースがリードしている状況でした。勝てば地区シリーズ突破が決まるという緊迫した展開の中、両チームの先発投手と打線の顔ぶれが注目を集めました。
注目のスターティングメンバー
ドジャースの先発布陣
ドジャースは右腕タイラー・グラスノーを先発投手に据え、打線では大谷翔平が「1番・指名打者」で先発出場しました。大谷は前日の第3戦で5打数無安打1三振と2試合ぶりの無安打に終わり、ポストシーズン打率が.174まで落ち込んでいました。5試合ぶりとなるポストシーズン3号本塁打への期待がかかる中での出場となりました。
打順は、1番に大谷翔平(指名打者)、2番にムーキー・ベッツ(遊撃手)、3番にテオスカー・ヘルナンデス(右翼手)、4番にフレディ・フリーマン(一塁手)、5番にトミー・エドマン(二塁手)、6番にウィル・スミス(捕手)、7番にアレックス・コール(左翼手)、8番にキケ・ヘルナンデス(三塁手)、9番にアンディ・パヘス(中堅手)という布陣で臨みました。
フィリーズは左腕サンチェスを投入
一方のフィリーズは、左腕クリストファー・サンチェスを先発に起用しました。サンチェスは今季32試合に登板して13勝5敗、防御率2.50という好成績を残していました。特に注目すべきは、10月4日(日本時間5日)の第1戦でも先発し、6回途中4安打2失点で好投していた点です。
この先発投手の選択に対して、ネット上では「サンチェスかー」と動揺の声が広がりました。というのも、大谷翔平との相性が最悪とされる「大谷キラー」として知られており、ファンからは「三振の山だけはやめて」「厳しいな」といった不安の声が上がっていました。
緊迫の投手戦が展開
試合は予想通り、グラスノーとサンチェスによる見応え満点の投手戦となりました。序盤から両投手が好投を見せ、6回を終えても両チーム合わせてわずか6安打という低得点の展開が続きました。守備面でも両チームからファインプレーが飛び出し、緊張感のある試合が繰り広げられました。
7回表、フィリーズが先制
膠着した試合が動いたのは7回表でした。グラスノーからマウンドを譲り受けたシーハンをフィリーズ打線が攻め立て、1死二塁の場面で8番のニック・カステヤノスが三塁線を抜けるタイムリー2塁打を放ち、ついに1点を先制しました。試合前の早打ちを欠かさない努力がここで実を結んだ形となりました。
7回裏、ドジャースが同点に追いつく
しかし、ドジャースも黙ってはいませんでした。7回裏、2死満塁の場面でムーキー・ベッツがカウント3-2から押し出しの四球を選び、1-1の同点に追いつきました。この粘り強い攻撃が、その後の展開への布石となりました。
劇的なサヨナラ勝利
試合は延長戦へともつれ込み、11回裏まで続く死闘となりました。そして運命の11回裏、2死満塁の場面で9番のアンディ・パヘスが2球目を打ってピッチャーゴロを放ちました。しかし、ここでフィリーズの投手カーカリングが悪送球してしまい、ドジャースが2-1のサヨナラ勝利を収めました。
この劇的な勝利により、ドジャースは地区シリーズを制し、2年連続のリーグ優勝決定シリーズ(LCS)進出を決めました。
佐々木朗希の完璧なリリーフ
この試合で特筆すべきは、佐々木朗希のパーフェクトリリーフでした。佐々木は登板すると9者連続で凡退に抑え、チームに流れを引き寄せる見事なピッチングを披露しました。この安定感のあるリリーフが、ドジャースの勝利に大きく貢献したことは間違いありません。
テレビ中継と視聴方法
この注目の一戦は、NHK BSでライブ中継されました。日本のファンにとっても、大谷翔平の活躍を見守る重要な試合として、多くの視聴者が注目しました。ドジャースvsフィリーズの激闘は、日本でも大きな話題となり、SNS上でも試合展開について活発な議論が交わされました。
大谷翔平の状態と今後への期待
大谷翔平は第3戦で無安打に終わり、ポストシーズンでの打率が.174と低迷していました。第4戦でも5試合ぶりとなる本塁打が期待されましたが、相手先発が相性の悪いサンチェスということもあり、ファンの間では不安の声が広がっていました。
それでも、チームが地区シリーズを突破したことで、大谷にとってもリーグ優勝決定シリーズという新たな舞台で調子を取り戻すチャンスが訪れました。ポストシーズンはまだ続いており、今後の活躍に期待がかかります。
ロースコアな投手戦の価値
この試合は2-1という低得点での決着となりましたが、だからこそ一つ一つのプレーの重みが増し、見応えのある内容となりました。両チームの投手陣が好投を見せ、守備陣もファインプレーで応える中、わずかなチャンスを生かせるかどうかが勝敗を分けました。
特に延長11回まで戦った末のサヨナラ勝利は、ドジャースのファンにとって忘れられない試合となったことでしょう。相手投手のエラーという不運な形での決着でしたが、それまで粘り強く戦い続けたドジャースナインの姿勢が実を結んだ結果と言えます。
地区シリーズ突破の意義
ドジャースにとって、2年連続でのリーグ優勝決定シリーズ進出は大きな意義を持ちます。昨シーズンに続いての快挙であり、チームの安定した強さを証明する結果となりました。大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンといったスター選手を擁する打線に加え、グラスノーをはじめとする投手陣の層の厚さが勝利の要因となっています。
佐々木朗希のような若手投手の成長も見られ、チーム全体としての完成度の高さが光りました。リーグ優勝決定シリーズでも、この勢いを維持できるかどうかが注目されます。
まとめ
ドジャースvsフィリーズの地区シリーズ第4戦は、投手戦から延長戦、そしてサヨナラ勝利という劇的な展開で幕を閉じました。大谷翔平の打撃不振という不安要素はありながらも、チーム全体で勝利をつかみ取ったドジャースの総合力が光った試合となりました。
佐々木朗希の完璧なリリーフ、ベッツの粘り強い打席、そして最後はパヘスの当たりからの相手エラーと、野球の醍醐味が詰まった一戦でした。2年連続のリーグ優勝決定シリーズ進出を決めたドジャースは、ワールドシリーズ出場に向けてさらなる飛躍が期待されます。