富士山マラソン前日、河口湖がランナー色に染まる 歓迎セレモニーで英気養う

山梨県富士河口湖町で12月14日に開催される第14回富士山マラソンを前日に控え、河口湖周辺は全国、そして世界各地から集まったランナーたちの熱気に包まれています。
大会前日の13日には、選手を迎える歓迎セレモニーが行われ、多くのランナーが参加して明日の本番に向けて英気を養いました。

世界中のランナーが集う「富士山マラソン」とは

富士山マラソン2025は、2025年12月14日(日)、山梨県富士河口湖町を舞台に開催される市民マラソン大会です。
会場は河口湖の湖畔で、スタート・フィニッシュ地点は主に船津浜駐車場大池公園に設けられています。
コースは、富士山と湖、そして晩秋から初冬にかけての自然が織りなす絶景を楽しめることで知られ、毎年多くのランナーが参加する人気大会です。

  • 開催日:2025年12月14日(日)
  • 開催地:山梨県南都留郡富士河口湖町・河口湖湖畔
  • 主なスタート/フィニッシュ地点:船津浜駐車場(フルマラソン・河口湖1周)、大池公園(チャリティファンラン)
  • 主催:日刊スポーツホールディングス、富士河口湖町、一般財団法人山梨陸上競技協会、一般財団法人アールビーズスポーツ財団

富士山マラソンは今年で14回目を数え、すっかりこの地域の冬の風物詩となりました。 ランナーにとっては、「一度は走ってみたい絶景レース」としても知られています。

フル、湖一周、ファンランまで 選べる3つの種目

大会では、走力や目的に合わせて選べる3つの種目が用意されています。

  • フルマラソン(42.195km):公認コースで、富士山マラソンのメイン種目。
  • 河口湖1周(約17km):湖をぐるりと回る人気種目。フルは不安という人にも親しみやすい距離です。
  • チャリティファンラン(約10.5〜11km程度):記録よりも参加・交流を楽しむランナー向けの種目です。

スタート時刻は、フルマラソンが9時00分チャリティファンランが9時20分河口湖1周が10時30分と、時間をずらして実施されます(雨天決行)。
フルマラソンの制限時間は6時間とされ、市民ランナーが完走を目指しやすい設定になっています。

今大会の定員は、フルマラソンが5,700人、河口湖1周が4,200人、チャリティファンランが2,100人で、多くのランナーが富士河口湖町に集結します。

前日からにぎわう河口湖 歓迎セレモニーで高まる一体感

大会前日の13日には、早くから現地入りしたランナーたちを迎える選手歓迎セレモニーが行われました。
会場周辺には、大会のゲートや案内看板、地元の特産品を扱うブースなども設けられ、ランナーだけでなく家族連れや観光客の姿も多く見られました。

歓迎セレモニーでは、主催者や地元関係者による挨拶のほか、地域の子どもたちによるパフォーマンスや、ランナー向けの簡単なストレッチ指導なども行われ、和やかな雰囲気のなかで明日のレースに向けた気持ちを高めていました。
参加したランナーたちは、記念撮影をしたり、同じ大会に出場する仲間と声を掛け合ったりしながら、笑顔で交流する様子が印象的でした。

「英気を養う」前日入りランナーたちの過ごし方

前日から現地入りしているランナーの中には、レース前の時間を利用して、周辺観光を楽しむ人も多くいます。
SNS上では、「明日はいよいよ#富士山マラソン」「前日入りしてはじめての#忍野八海へ」といった投稿も見られ、観光とマラソンをセットで楽しむスタイルが広がっていることがうかがえます。

あるランナーは、忍野八海を訪れた際に名物の草餅を味わいながら、「明日に向けてのカーボローディング」と冗談を交えて投稿していました。
カーボローディングとは、マラソン前にエネルギー源となる炭水化物を多めに摂取しておく食事法のことで、草餅やうどんなど、地元の味を楽しみながらコンディションを整えるランナーも少なくありません。

レース前日は、走り込みをしすぎず、体を休めつつエネルギーを蓄えることが大切だと言われます。
河口湖畔をゆっくり散歩したり、会場周辺をジョグしてコースの雰囲気を確かめたりしながら、ランナーたちはそれぞれの方法で心と体の準備を進めていました。

雄大な富士山と湖畔の絶景コース

富士山マラソンの大きな魅力は、なんといってもコースから望む富士山の雄大な姿と、静かな湖畔の景色です。
広々と裾野を広げる圧倒的なスケールの富士山と、穏やかな水面に映る逆さ富士、そして周囲の木々の色づきなど、世界有数の景観の中を走ることができます。

また、コース沿道では、地元住民による温かい応援や、太鼓・音楽によるパフォーマンスなども行われ、ランナーを励ましてくれます。
特に、後半の苦しい場面で飛び交う「がんばれ!」の声は、大きな力になると多くの参加者が口を揃えます。

大会を支えるボランティアと地域の力

富士山マラソンは、多くのボランティアスタッフと地域住民の協力によって支えられています。
受付や荷物預かり、給水所、コース誘導、フィニッシュ後の案内など、さまざまな場面でボランティアが活躍しており、ランナーが安全に、そして気持ちよく走れる環境を整えています。

地元の中高生がボランティアとして参加することも多く、ランナーからは「若いエネルギーに力をもらえる」「笑顔で渡してもらった紙コップに励まされた」といった声も聞かれます。
大会を通じて地域とランナーがつながり、富士河口湖町の魅力を国内外に発信する機会にもなっています。

アクセスと大会当日の注意点

大会会場となる富士河口湖町へは、富士急行「河口湖駅」から徒歩約10分でアクセスでき、公共交通機関の利用もしやすい立地です。
また、自家用車で訪れるランナー向けには、大会専用の駐車場が用意され、事前申し込み制で運用されます。

大会公式サイトでは、雨や寒さへの対策、持ち物、当日の動線などについても詳しく案内されており、ランナーに対して防寒装備やコンディション管理の重要性を呼びかけています。
12月中旬の富士河口湖エリアは気温が低く、風が冷たく感じられることも多いため、手袋や耳あて、ウインドブレーカーなどを活用しながら体を冷やさない工夫が求められます。

市民ランナーからトップランナーまで、多様な目標を胸に

富士山マラソンは、市民ランナーが自己ベスト更新初フル完走を目指せる大会であると同時に、競技志向の高いランナーにとっても力試しの場となっています。
日本陸連公認のフルマラソンコースとして記録が正式に認められるため、シーズン最後の勝負レースとして挑むランナーも少なくありません。

一方で、仮装を楽しむランナーや、家族や友人と一緒にファンランに参加する人たちも多く見られ、「走る楽しさ」をそれぞれのスタイルで味わえる懐の深さも、この大会の魅力です。
沿道での子どもたちとのハイタッチや、エイドステーションで地元ならではの温かい食べ物が振る舞われる場面では、笑顔があふれます。

「また来年も戻ってきたい」——記憶に残る一日へ

富士山マラソンに参加した多くのランナーが口にするのが、「またこの景色の中を走りたい」「来年も必ず戻ってきたい」という言葉です。
富士山と湖、地域の人々の応援、そして仲間と走り抜けた時間——それらが一体となって、心に残る一日となります。

明日の本番では、早朝からランナーたちがスタート地点に集い、それぞれの目標を胸に号砲を待つことになります。
完走を目指す人、記録に挑む人、景色を楽しみながら走る人——スタイルは違っても、全員に共通しているのは「富士山のふもとを走る喜び」です。

歓迎セレモニーで英気を養ったランナーたちが、雄大な富士の姿に見守られながら、どのようなドラマを見せてくれるのか。
富士河口湖町は、明日、ランナーたちの熱い思いを乗せた一日を迎えます。

参考元