大山千広、産休明けの華麗なる復帰とママレーサーとしての挑戦――津SGダービーで語るこれから

約2年ぶりにボートレース界へ――大山千広選手、その復帰劇の舞台裏

2025年9月21日、唐津競艇場で開催された「スポーツ報知杯」で、女子ボートレース界が誇る大山千広選手(福岡、116期)が約2年ぶりに待望の実戦復帰を果たしました。
大山選手は2023年9月のPGIヤングダービー(下関)を最後に長期離脱となり、その間、産休・育休を経て心身ともに新たなステージへと歩みを進めていました。
欠場理由についてはファンや関係者の間でさまざまな憶測が流れていましたが、2025年8月、本人から正式に産休・育休だったことが明かされ、ボートレース界は温かくその帰還を迎えました。

復帰への道――不安と期待、そして「好きなレース」を楽しむ心

2年ぶりの復帰戦に臨んだ大山選手は、前検から「ターン出口はすごくスムーズでした。立ち上がりが早い」と手応えを語りつつも、スタート感覚など細部に不安が残る様子。初日から果敢に3Rと10Rに挑戦し、抜群のレースセンスの片鱗を見せました。

本人は「背負うものが一切無く、ただ好きなレースがやれるという気持ち。楽しみだけです」と語り、母としてもレーサーとしても新たな気持ちで臨む姿が印象的です。

ボートレース津SGダービー――ファンに囲まれた復帰後初トークショー

唐津での復帰戦後、大山千広選手は津ボートで開催中のSGダービーの5日目、3R発売中に復帰後初のトークショーに登場しました。
「ちーちゃん!」と熱い声援を受けながらステージに立った大山選手は、明るい笑顔でママとしての近況も率直に披露します。「息子はまだ1歳ちょっとで、すごくやんちゃな方だと思います。寝られなくて大変だけど、寝てくれると本当に天使でかわいいです。パワーチャージになります」と、日々の育児の苦労と喜びを語りました。

ママとして、レーサーとして――両立の葛藤と成長

  • 育児との両立: 「体は戻っていたけど、目が追い付きません。特にスタートですね」と語り、レース感覚の微妙な難しさを率直に認めながらも、「ボートはやっぱり楽しい。SGとかを見ると自分も絶対に行きたいなって思います」と、ボートレースへの情熱を再確認しています。
  • 母の言葉に支えられて: 息子のやんちゃぶりについて「私の母が言っていました」と話し、自身がボートレーサーとして成長してきた過程や、母の視点から語られる子育てのエピソードにもファンは感銘を受けています。
  • 今後へのチャレンジ: 「また1からSGに行けるように頑張りたいです」と力強く宣言。レディースボート界の第一線にもう一度戻るため、新たな挑戦への意欲を隠しません。

ファンの反応――温かい応援と期待の渦

津ボートのトークショー当日、SG開催の賑わいの中、ファンからは「ちーちゃん!」の大歓声が起こり、復帰を心待ちにしていた多くの声が大山選手を包み込みました。会場は、ママとして成長した大山選手への祝福と、再びSGに挑んでくれることへの期待で満ちあふれていました。

復帰後の戦績と今後の展望

  • 2025年9月唐津・スポーツ報知杯: 産休明け初戦で3日目9R、3コースからまくり差しを決めて2023年9月以来の勝利。続くレースで準優戦に進出するなど、健闘を見せています。
  • 津SGダービー運営: 開催期間中、復帰選手として大会を盛り上げる中心的存在になり、選手としてのみならず、会場のムードメーカーに。
  • 芦屋・ヴィーナスシリーズ: 10月には芦屋競艇場「ヴィーナスシリーズ第15戦スポニチ杯」にも出走し、産休復帰後の活動を広げています。
  • 今後の目標: まずは「SG復帰」を掲げ、B級から再び頂点への道を踏み出した大山選手。体力と技術の両面で調整を進めつつ、家庭との両立にも果敢にチャレンジしています。

「寝てしまえば天使」――母になった大山千広ならではの素顔

トークショーでは、息子の素直で愛らしい一面を「めちゃくちゃやんちゃだけど、寝てしまえば天使」と表現。この言葉からは、母としての愛情に満ちた日々、新しい役割への責任感、そしてそれを原動力にして再び夢に挑む女性レーサーとしての覚悟が読み取れます。

女性ボートレーサーの新しいロールモデル――産休・育休と競技復帰の意義

大山選手は自身を「背負うものが一切無く」と語り、産休・育休を経て「ただ好きなレースがやれる」喜びをかみしめています。単なる復帰ではなく、女性アスリートの社会的なロールモデルとして、家庭と仕事の両立、キャリア継続の可能性を自ら示した意義はとても大きいものです。

さらに、「また1からSGに行けるように頑張りたい」と語るその言葉は、母としての温もりとレーサーとしての強さを併せ持つ「新しい女性ボートレーサー像」への挑戦でもあります。
ボートレース界では今、若手女性選手の出産や育休からの復帰例も増え、多くの選手がロールモデルとして大山選手に続く新たな道を模索し始めています。

未来へのエール――大山千広、そして全ての女性競技者へ

「ボートはやっぱり楽しい」と語る大山選手。その口調には、母としてもレーサーとしても悩み、苦労し、それでも諦めなかった日々の重みと、復帰できたことへの感謝が込められています。

家庭と仕事の両立に悩む女性、競技復帰を目指すアスリート、すべての人の心に、今の大山千広選手の姿は勇気と希望を与えてくれます。

これから更なる活躍が期待される大山千広選手の挑戦を、ファンとともに熱く応援していきたいものです。

本記事のまとめ

  • 大山千広選手が約2年ぶりに産休・育休を経てボートレース界に復帰。
  • 津SGダービーでのトークショーでは、母としての成長とレーサーとしての挑戦を語る。
  • 「めちゃくちゃやんちゃだけど、寝てしまえば天使」と、子育ての両面をリアルに伝えた。
  • 今後は「また1からSGに行けるように頑張りたい」と、新たな目標が掲げられた。
  • 女性スポーツ選手の社会的ロールモデルとしての存在感を示した。

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