成都蓉城、ACL激戦の舞台裏──チーム再編と未来をかけた新たな挑戦

成都蓉城の現在地:アジアの舞台で戦う理由

成都蓉城サッカークラブは2025年11月25日、ホーム・鳳凰山体育公園サッカー場でサンフレッチェ広島とのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)エリート、リーグステージ第5節を迎えました。成都蓉城にとってACLでの闘いは、国内タイトルを超えたアジア随一の舞台・新たな歴史の幕開けです。

試合は日本時間21:15にキックオフし、開始から両者譲らぬ展開で進みました。両チームのシュート数・ボール支配率も拮抗し、前半序盤から互いの守備が光りました。

クラブの再編と続投──徐正源監督と主力選手の契約最新情報

今季、成都蓉城の成績や戦いぶりが注目される一方、クラブは内部体制の強化にも動き出しています。中国サッカー専門メディア『足球报』によれば、クラブ首脳は徐正源(ソ・ジョンウォン)監督との2年契約延長が大筋で合意していると報じられています。また、主力アタッカーで中国代表の韋世豪(ウェイ・シーハオ)もクラブとの契約を延長、今後もチームの得点源として期待されています。

チーム再編のもう一つのポイントは攻撃陣の補強策です。現有戦力に加え、ストライカーの新規補強も検討されており、さらなる得点力アップを狙っています。

移籍・退団の波:チームは新たな局面へ

更なる変化として、外国籍選手の動向もニュースになっています。『足球报』によれば、これまで攻撃の一角を担ってきたデルガド選手がクラブを離れる方向で最終調整を進めており、新たな補強や若手登用によるチーム構成の再編が進められています。ACLという過密日程の中、選手層の厚みが来季以降の躍進には不可欠とみられています。

アジアの舞台で際立つ存在感──ACL広島戦で見えた課題と希望

  • 試合の流れ:前半を通じてシュートや決定的チャンスは互角。成都蓉城も積極的なビルドアップとカウンターでゴールを狙い、守備では組織的なブロックを見せました。
  • 個人の奮闘:前半2分には韋世豪がペナルティエリアから枠内シュートを放つなど、攻撃のキーマンとして存在感を発揮。守備陣も相手の決定機を防ぎきり、集中を切らさなかった。
  • スタメン情報:GKはジャン・タオ、DFにはフー・フェアタオやティモ・レツヘルトが名を連ね、中盤はリャオ・ロンシャン、前線はタン・チュアンやリー・モユが先発。監督は徐正源(ソ・ジョンウォン)。

今季のACLにおいて成都蓉城は、守備力とスピードを活かした戦いを展開しています。リーグステージ第5節時点でのグループ順位は11位(1勝1分2敗)、一方の広島は3位(2勝1分1敗)。現在、グループ突破にはさらなる勝ち点獲得が必要不可欠の状況です。

対戦相手・サンフレッチェ広島にとっての意味

日本の実力クラブサンフレッチェ広島も、ACLでの中国勢との再戦に意欲を燃やしています。広島は若手主力を軸に安定した守備とパスワークで攻勢を仕掛け、互いにアジアのトップを狙うプライドが激突しました。また、日本側からは、広島現地入りの際の安全確保について日中間の連携が図られたことも話題となりました。

国際試合ならではの課題──広島アウェイ渡航に伴う”安全注意”

広島の遠征先となった中国成都での試合には、在広島日本国総領事館が「現地事情や治安について十分注意し、予防策を徹底するよう」呼びかけました。これは近年、一部の海外都市で大規模イベント開催時にトラブルが発生した事案に鑑みたものであり、選手・サポーターの安全が最優先事項であることを物語っています。

  • コロナ禍以降、国際スポーツ交流が再活性化する中でも安全への配慮は欠かせません。
  • 日本・中国両国関係者が連携体制を築き、円滑な大会運営が図られました。

成都蓉城サポーターの熱狂と街の変化

新世代クラブとしての成都蓉城は、地域密着のクラブ理念のもと、ホームスタジアムである鳳凰山体育公園を熱気で満たしています。ACL初出場以降、成都のサッカーへの情熱はより高まり、地元サポーターの声援がチームの快進撃を支える大きな要素となっています。

中国サッカーリーグ(中超)での躍進と同時にアジアの舞台へと羽ばたく姿は、「全国区」から「アジア区」へとシンボル性を強めています。クラブは次世代選手の育成にも力を入れており、若手育成・地域社会との連携などを通じて、新たなスタイルを確立しつつあります。

来年に向けて──体制固めと進化への課題

  • 今季最大の課題は「長丁場での選手層の維持・強化」、ACLのような過密日程下でのマネジメントが求められます。
  • 監督・主力の契約延長によるチームの安定は、長期的なビジョンとクラブフィロソフィーの確立を目指す現れです。
  • 攻撃力向上と新戦力との融合が、今後のリーグ・国際戦ともにカギとなります。

また、デルガドの退団により、クラブが今後どのような補強を行うかも大きな注目点です。アジアでの戦いを勝ち抜くには、経験豊富な新戦力と既存メンバーの一体感をうまく融合させる戦術的・組織的能力が求められます。

まとめ:激動のシーズンを駆け抜ける成都蓉城──未来に向かって

成都蓉城は、アジアチャンピオンズリーグという新たな高みと向き合いながら、クラブ全体の再編および地域社会との一体化を図っています。今後、契約更新や新戦力の加入、若手育成などを通じて、国内外での更なる飛躍が期待されます。特に、ACLという国際舞台での実力発揮は、中国サッカー全体の未来にも大きなインパクトを与えることでしょう。

ファンや観客・地域社会とともに成長するクラブであり続けることを目指し、成都蓉城はこれからも挑戦を続けていきます。

参考元