香港スプリント目前!連勝街道まっしぐらのカーインライジングと、日本馬ウインカーネリアンに注目
香港・シャティン競馬場で行われる世界的なスプリントG1「香港スプリント」を前に、現地では連勝街道を突き進む地元香港馬カーインライジング、そして日本から参戦するウインカーネリアンが大きな話題となっています。
この記事では、今もっとも注目されているキーワード「カーインライジング」を軸に、レースの構図、日本馬の状態、現地馬場の見通しを、わかりやすく丁寧にまとめてお伝えします。
香港スプリントとはどんなレース?
香港スプリントは、シャティン競馬場の芝1200メートルで行われる世界最高峰クラスの短距離G1レースです。
過去には日本のダノンスマッシュやロードカナロアといった名スプリンターも優勝しており、日本のファンにもおなじみの舞台となっています。
近年は香港調教馬のレベルが非常に高く、ラッキースワイネスやウェリントンといったトップスプリンターたちがこのレースから多くの名勝負を生み出してきました。
そこへ今年も各国の実力馬が集結し、国際色豊かな一戦となっています。
話題の中心、カーインライジングとは?
今年の香港スプリントで最も注目を集めているのが、香港調教馬カーインライジング(Ka Ying Rising)です。
既に地元では圧倒的なスプリント戦線の主役として知られており、今回のレースでもファンや関係者の期待を一身に集めています。
カーインライジングは、これまでの重賞戦線で連勝を重ねてきた現役屈指の快速馬で、香港スプリント前の段階でも視界良好と評価されていました。
前週の追い切りでも鋭い動きを披露し、陣営は「16連勝へ視界良好」とコメントするなど、その充実ぶりが現地メディアでも大々的に取り上げられています。
最内枠を引き当てたカーインライジング
枠順発表では、カーインライジングは最内の1番ゲートを手にしました。
これについてD.ヘイズ調教師は「スタートさえ決めれば大丈夫」と語り、内枠からロスなく立ち回れる利点を強調しています。
スピード能力が高く、先行力も備えるタイプだけに、最内枠は自分のリズムでレースを組み立てやすい絶好のポジションといえそうです。
また、鞍上には香港の名手Z.パートン騎手が騎乗。
パートン騎手は香港スプリントをはじめとする短距離G1で数多くの勝利を挙げており、香港ファンから絶大な信頼を得ているトップジョッキーです。
「目の前の1勝に集中する」と語り、16連勝という大記録ではなく、あくまで今回の1戦に全力を注ぐ姿勢を見せています。
カーインライジングの戦績と強み
カーインライジングは香港スプリントと同じシャティン芝1200メートルの舞台で、既に高いパフォーマンスを繰り返し発揮してきました。
昨年の香港スプリントでも1分8秒15という優秀なタイムで勝利しており、コース適性の高さは折り紙付きです。
その強みは、スタートの速さ、二の脚の鋭さ、直線での持続的な加速力にあります。
前半から無理なく好位を取ることができ、直線ではしぶとく伸びて押し切る形を得意としています。
これにより、ペースや展開に左右されにくく、安定して力を発揮できる点が大きな武器と言えるでしょう。
日本からの刺客・ウインカーネリアン
一方、日本からはウインカーネリアンが香港スプリントに参戦します。
8歳というベテランながら、これが4度目の海外挑戦となるタフな馬で、陣営も「体調に関しては文句ない」と口をそろえるほどのデキに仕上がっています。
ウインカーネリアンはもともとマイル前後で活躍してきた馬ですが、その持ち前の先行力と粘り強さを武器に、近年はスプリント戦にも対応してきました。
国内最終追い切りでは三浦皇成騎手が騎乗し、「いい状態で輸送できる」と手応え十分のコメントを残しています。
三浦皇成騎手とウインカーネリアンのパートナーシップ
今回ウインカーネリアンの手綱を取るのは、日本の三浦皇成騎手です。
レース前の調整では、三浦騎手が実際に跨ってキャンター調教を行い、「パートナーとしてしっかりといい騎乗ができたら」と、馬とのコンビネーションを大切にするコメントを出しています。
三浦騎手は、国内での最終追い切りについても「全てに関していい状態」と高く評価しており、香港入り後の前日調整でもその好調さは維持されているといいます。
柔らかいキャンターで馬の気配を確かめつつ、レース本番に向けて無理のない仕上げが行われました。
ウインカーネリアンは11番ゲートからのスタート
枠順では、ウインカーネリアンは11番ゲートに決まりました。
一般的には外目の枠となりますが、三浦騎手は「願ってもない枠に決まった」と好意的に捉えており、スタート後に馬のリズムを崩さず進められる位置と見ている様子です。
鹿戸雄一調教師も「デキは万全」「体調に関しては文句ない」と話しており、8歳にしてベストと言えるコンディションでG1の舞台に臨めることを強調しています。
陣営にとっても、これまでの経験をすべて注ぎ込む挑戦となりそうです。
香港スプリントの馬場状態とレースへの影響
香港国際競走全体の話題として、今年の芝コースの状態にも注目が集まっています。
馬場管理担当者の見立てでは、「速い時計が出にくいコンディション」になる可能性が指摘されており、例年の高速決着とはやや異なる流れになるかもしれません。
ただし、馬場管理側も「状況によっては例外的に時計が出るケースもある」としており、当日の天候やレースまでの使用状況によっては、想定よりも速いタイムになる可能性も残されています。
いずれにせよ、各陣営は「時計がかかる前提」と「高速決着の可能性」の双方を念頭に置いた戦略が求められそうです。
時計がかかる馬場で光るのは?
もし馬場が例年よりタフになった場合、スタミナやパワーも兼ね備えたタイプが浮上してくる可能性があります。
カーインライジングはこれまでのレースで速い時計にも対応してきましたが、地元での経験が豊富なだけに、多少時計がかかっても大きなマイナスにはならないと見られています。
一方のウインカーネリアンは、もともとマイル戦で実績を積んできた経歴もあり、スタミナ面には一定の強みがあります。
芝1200メートルであっても、消耗戦になればマイラー的な底力がプラスに働く可能性もあり、馬場がタフになればなるほど日本馬にもチャンスが生まれるかもしれません。
強豪ひしめく相手関係
今年の香港スプリントは、カーインライジングとウインカーネリアン以外にも、サトノレーヴやラッキースワイネスなど、実績ある馬たちが名を連ねています。
サトノレーヴは4番ゲートからのスタートとなり、R.ムーア騎手が手綱を取ることで、日本からのもう一頭の有力馬として注目されています。
また、過去の覇者ラッキースワイネスもエントリーしており、こちらも香港スプリントの舞台では無視できない存在です。
さらに、9歳馬カーデムが「史上初の9歳馬優勝」に挑戦するといった話題もあり、年齢やキャリアも含めて多彩な顔ぶれとなっています。
カーインライジング vs 日本馬の構図
現地メディアやファンの間では、「絶対王者カーインライジング」に対して、「日本からの刺客」という構図でレースが語られることが多くなっています。
カーインライジングが16連勝という大記録に向けてプレッシャーを背負うのに対し、日本馬は挑戦者としてどこまで食い下がれるかが注目ポイントです。
ウインカーネリアンは、8歳という年齢ながらも「これまでで一番と言えるぐらいの体調」で臨めると陣営は手応えを感じており、豊富な経験と充実した状態を武器に、世界の強豪に挑む形となります。
レース展開次第では、先行争いの中でカーインライジングとウインカーネリアンが早い段階で顔を合わせる場面も考えられます。
ファンが注目すべきポイント
- カーインライジングのスタートと位置取り:最内枠からスムーズに先行できるかどうか。
- ウインカーネリアンの出脚と三浦騎手の判断:外枠11番から、無理なく好位を取れるか。
- 馬場状態:時計がかかるようなら、スタミナ型の馬にもチャンスが広がる可能性。
- 直線の攻防:カーインライジングがどこで抜け出し、日本馬や他の有力馬がどこから差を詰めにくるか。
それぞれの陣営が綿密な調整を行い、騎手たちもコースの特徴や馬場の傾向を頭に入れたうえでレースに臨みます。
特に、三浦皇成騎手とウインカーネリアンのコンビがどんなレース運びを見せるのか、そして絶対的存在カーインライジングにどこまで迫れるのか、多くのファンが固唾を飲んで見守ることになりそうです。
まとめ:カーインライジング中心も、日本馬の健闘に期待
香港スプリントは、カーインライジングが中心視されるのは間違いありません。
最内枠、名手パートン騎手、地元での抜群の実績と条件が揃っており、陣営も自信をにじませています。
一方で、日本から参戦するウインカーネリアンも、体調万全と評される仕上がりで、三浦皇成騎手とのコンビネーションも良好です。
外枠からのスタートにはなりますが、それをプラスと捉えるほどの気配の良さがあり、展開や馬場が味方すれば上位進出も十分に狙える存在と言えるでしょう。
地元の新星カーインライジングが連勝街道をさらに伸ばすのか、それとも海外勢がその牙城を崩すのか——。
世界のスプリント王者決定戦とも言える香港スプリントから、今年も目が離せません。




