ビザンチンドリーム、フォワ賞に挑む!——日本馬が世界大舞台へ向けて踏み出す一歩

はじめに:日本競馬の希望、ビザンチンドリームがフォワ賞へ出走

2025年9月7日、フランス・パリロンシャン競馬場で行われる伝統のG2競走・フォワ賞(芝2400m)に、日本からビザンチンドリーム(牡4・栗東・坂口智康厩舎)が出走します。欧州最高峰・凱旋門賞の前哨戦としても知られるこの舞台。ビザンチンドリームという日本競馬界の新たなスター候補が、国際的な挑戦へ踏み出します。

フォワ賞とは?伝統と格式を誇る前哨戦

フォワ賞はフランス・パリロンシャン競馬場で開催されるG2競走。距離は芝2400メートルで、凱旋門賞のおよそ3週間前に行われるため、欧州を代表する現役古馬の実力馬が集う前哨戦として注目されています。

  • 発走予定時刻:2025年9月7日(日)日本時間21:33(現地14:33)
  • 出走予定頭数:9頭
  • 日本国内での馬券発売は実施されません

伝統的にフォワ賞で好走した馬が、その後に行われる凱旋門賞へと駒を進める傾向が強く、日本馬にとっては夢舞台クリアのための重要な試金石となります。

ビザンチンドリームのプロフィールとこれまでの歩み

ビザンチンドリームは栗東・坂口智康厩舎の管理馬で、今年4歳。父母や兄弟に欧州の中・長距離路線で実績を残した血統馬を持ち、成長力と持久力が高く評価されています。2025年2月のサウジアラビア・レッドシーターフハンデキャップ(G2)では、海外重賞初制覇を達成。5月の日本・天皇賞(春)でも2着と健闘し、国際舞台での実績を積み重ねています。

  • 調教師:坂口智康(栗東)
  • 主な戦績:サウジG2レッドシーターフハンデキャップ優勝、天皇賞(春)2着
  • 鞍上(騎手):O.マーフィー(イギリス人名手)

直近のレースからは約3カ月の休み明けとなりますが、「海外遠征の経験を積むことが大事」と坂口調教師も強調しており、今後の大舞台へ向けた重要な一戦となります。

注目の枠順と欧州強豪との激突

現地で6日に確定したフォワ賞の枠順によると、ビザンチンドリームは9頭立ての4番枠に入りました。有力相手には以下のような世界的強豪が揃っています。

  • ソジー:今年のガネー賞・イスパーン賞連勝中、ブックメーカーでも前売り1番人気
  • ロスアンゼルス:昨年の愛ダービー、今年のタタソールズゴールドカップを制した4歳馬
  • マップオブスターズ:独G1ダルマイヤー大賞2着
  • イレジン:フォワ賞4年連続出走、2勝を誇るベテラン
  • アローイーグル:昨年の凱旋門賞馬エースインパクトの半兄

まさに欧州一線級古馬との直接対決によって、ビザンチンドリームの実力が試される一戦となります。

陣営のコメントと調整状況

フォワ賞を前に、ビザンチンドリーム陣営からは「欧州の馬場にも対応でき、展開も合う」との前向きな分析が示されています。また、調教師の坂口智康師は「経験を積むことが大事。欧州のレース環境に慣れていくことが、今後の海外ビッグレースでの成功につながる」と語っています。

調教内容に関しても「驚くほど軽い動きで動けていた」と関係者は仕上がりの良さをアピール。日本からの遠征という難しさがありながらも、高いレベルの調整を実現しているようです。

なぜ日本馬の欧州挑戦が注目されるのか?

日本競馬にとって欧州・特にフランスのパリロンシャン競馬場は、芝の質・気候・競馬スタイルなど多様な難しさが伴う「最高難度の舞台」とされています。過去にはエルコンドルパサー、ディープインパクト、オルフェーヴル、キズナなど多くの名馬が惜敗し、悲願の凱旋門賞制覇はいまだ達成されていません。そんな中、着実に「成功へのプロセス」として、ベルモントSや香港国際競走、ドバイワールドカップデー等、海外遠征での戦い方が日本競馬界に浸透しつつあります。

フォワ賞は「欧州の空気に触れる」「現地の馬場や競馬に慣れる」「周囲から自信を得る」といった点でも日本馬にとって大きな経験の場。ここでの健闘が、ひいては世界最高峰の凱旋門賞における快挙へとつながる可能性を持っています。

発走直前!ビザンチンドリームへの期待と日本ファンの応援

今回のビザンチンドリーム出走について、競馬ファンから注目が集まっています。その理由は——

  • 2025年春の天皇賞で見せた驚異的な末脚
  • サウジアラビアでの海外遠征実績
  • O.マーフィー騎手との新コンビに期待が高まる
  • 日本馬としてフォワ賞を勝利できれば、悲願の凱旋門賞へ大きく近づく

結果はもちろん、異国で奮戦する日本馬・日本人関係者の姿そのものが、日本競馬のグローバルな広がりを象徴しています。国内からの馬券発売はありませんが、日本時間21時33分の発走に向け、多くのファンがテレビやラジオ、インターネット中継を通じて大きな声援を送ることでしょう。

今後の展望——凱旋門賞へどうつなげるか

フォワ賞は「勝つ」だけでなく欧州競馬に適応し、凱旋門賞本番へ向けた課題を実戦で確認できる貴重なレース。今回の結果やレース内容が、数週間後の夢の大舞台に向けた大きな指針となります。日本競馬陣営の準備や現地での工夫、そしてビザンチンドリーム自身の成長が、今後さらに注目を集めていくことでしょう。

まとめ

2025年9月7日、ビザンチンドリームがフォワ賞で見せる走りは、単なる1レースの結果を超え、日本競馬のグローバル戦略や、凱旋門賞への新たな挑戦の幕開けとなる瞬間です。坂口智康厩舎の「経験を積むことが大事」という哲学、騎手・スタッフ・そして遠征馬の努力が結実することを、ファンは心から願っています。

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