スロベニア代表FWシェシュコ、マンチェスター・ユナイテッドで苦戦続く

今夏にRBライプツィヒから7650万ユーロ(約146億円)という巨額の移籍金でマンチェスター・ユナイテッドに加入したスロベニア代表FWベンヤミン・シェシュコ選手が、新天地での適応に苦戦している状況が明らかになっています。

華々しい経歴から一転、プレミアリーグで苦戦

シェシュコ選手はスロベニアのラデチェで生まれ、地元のユースチームを経て2019年にオーストリアのザルツブルグに加入しました。2021年にトップチームデビューを果たすと、翌年から徐々に出場機会を増やし、2022-2023シーズンにはリーグ戦で16ゴールを記録する活躍を見せました。

その実力が認められ、同グループのRBライプツィヒに引き抜かれると、ブンデスリーガ初年度にも関わらず14ゴールをマーク。昨シーズンも13ゴールを記録し、欧州でも注目を浴びる存在となりました。

マンチェスター・ユナイテッドでの現状

しかし、名門マンチェスター・ユナイテッドに移籍後は期待されたパフォーマンスを発揮できずにいます。9月14日のマンチェスター・シティとのダービーマッチでは、チームが0-3の完敗を喫する中、シェシュコ選手は決定力を生かす機会をほとんど得られずノーゴールに終わりました。

この状況について、元イングランド代表DFで古巣マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドでもあるリオ・ファーディナンド氏が懸念を示しています。「心配なのは(ベンヤミン・)シェシュコだ。彼はチャンスをまったく得ていない。機会がない。彼のために何も作られていない」とコメント。さらに「新しいストライカーがクラブにやって来てチームに入ったなら、彼のためにチャンスを作ることを考えなければならない」と指摘しました。

プレミアリーグのレベルの高さを実感

シェシュコ選手自身も、プレミアリーグの厳しさを肌で感じているようです。英『Manchester Evening News』によると、同選手は「試合のレベルははるかに高く、相手選手、チームメイトのレベルも高い。プレミアはサッカー界最高のレベルなんだと思う」と率直な感想を述べています。

一方で、「これからが楽しみだよ。トレーニングのたびにどんどん良くなっているし、スピードも上がっている。イングランドに移住したいと思っていたし、幸運にも願いが叶った」とも語っており、前向きな姿勢を見せています。

出場機会を巡る競争

現在のマンチェスター・ユナイテッドでは、同じく今夏に加入したマテウス・クーニャがセンターフォワードのポジションに入ることが多く、シェシュコ選手はまだプレミアリーグの試合で先発出場を果たせていない状況です。

ただし、クーニャ選手がハムストリングの負傷で途中交代するなど、シェシュコ選手にとってチャンスが巡ってくる可能性も十分にあります。

巨額投資への期待と不安

マンチェスター・ユナイテッドは今夏、2億2500万ユーロ(約360億円)以上の移籍金を費やして大型補強を敢行しており、その目玉がシェシュコ選手の獲得でした。6月にはウルヴァーハンプトン・ワンダラーズからブラジル代表FWマテウス・クーニャ、7月にはブレントフォードからカメルーン代表FWブライアン・エンベウモを獲得するなど、前線の大幅な強化を図っています。

しかし、シェシュコ選手の獲得に費やした7350万ポンドという金額に見合うパフォーマンスを発揮できるかについて、サポーターの間でも半信半疑の声が上がっているのが現状です。

今後の展望

22歳という若さを考慮すれば、シェシュコ選手にはまだ十分な時間があります。ファーディナンド氏も「彼をフィニッシュの局面に乗せること。彼自身もフィニッシュの局面に入ることを考えなければならない。これは早急に検討し、修正すべき点だと思う」と建設的な提案をしており、チーム戦術の改善により状況が好転する可能性もあります。

シェシュコ選手は初めてのマンチェスター・ダービーに向けて「非常に重要な試合が近づいている。両チームともこの試合へ大きなプレッシャーがかかる。試合まではまだ時間があるけど、最高のゲームになればと思う」とコメントしており、大舞台での活躍に意欲を見せています。

名門復活を目指すマンチェスター・ユナイテッドにとって、巨額の投資を行ったシェシュコ選手の成功は不可欠です。プレミアリーグという世界最高峰のステージで、スロベニアの若き才能がどのような活躍を見せるのか、今後の動向に注目が集まっています。

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