高知競馬で第40回全日本新人王争覇戦 JRAから石神深道・長浜鴻緒ら4騎手が参戦へ
高知競馬場で行われる若手騎手の登竜門「第40回全日本新人王争覇戦」に、JRA(日本中央競馬会)所属の出場騎手4名が正式に決定しました。石神深道騎手、長浜鴻緒騎手、柴田裕一郎騎手、橋木太希騎手の4人で、いずれも2024年デビューのフレッシュな顔ぶれです。
このレースは、将来のスター騎手候補たちが一堂に会し、「新人王」の座をかけて争う格式あるシリーズとして知られており、開催地となる高知競馬に全国から大きな注目が集まっています。
全日本新人王争覇戦とは? 若手騎手の全国大会
全日本新人王争覇戦は、地方競馬全国協会などが主催し、初免許取得後5年以内の騎手だけが出場できる特別競走です。
JRAと地方競馬、両方の所属から有望な新人が選ばれ、シリーズ形式でポイントを競い合います。
出場資格は単に「デビューから5年以内」であれば良いわけではなく、騎乗技術や日頃の姿勢などが他の新人騎手の模範となるかどうかが重視され、各主催者が選出します。
そのため、この舞台に招待された時点で、「世代を代表する若手」として高い評価を受けていると言えます。
今年で第40回という節目を迎えることもあり、伝統と実績を積み重ねてきた新人王決定戦として、競馬ファンの間でも特別な存在になっています。
舞台は高知競馬場 個性的な地方コースでの腕比べ
記念すべき第40回は、2026年1月20日(火)に高知競馬場で実施されます。
高知競馬はナイター開催「夜さ恋ナイター」などで知られ、全国の地方競馬ファンから根強い人気を集める競馬場です。
今回の新人王争覇戦は、第1戦が15時35分発走予定、第2戦が16時45分発走予定とされており、同じ日の中で2レースを戦い、その合計ポイントで順位を競う形式となっています。
1日で流れが大きく変わる可能性もあるため、騎手にとっては短時間での修正力や対応力も問われるシリーズです。
地方競馬の砂質やコース形態に不慣れなJRA騎手にとっては、普段とは違う条件でどこまで対応できるかも見どころのひとつです。
一方で、地方所属騎手にとっては、「ホームに近い条件」でJRA勢に挑む構図となり、毎年、白熱したレースが展開されてきました。
JRAから選ばれた4騎手の顔ぶれ
JRAからは、以下の4名が出場します。
- 石神 深道(いしがみ・ふかみち)騎手[美浦]
- 長浜 鴻緒(ながはま・こお)騎手[美浦]
- 柴田 裕一郎(しばた・ゆういちろう)騎手[栗東]
- 橋木 太希(はしき・たいき)騎手[栗東]
4人はいずれも2024年に騎手免許を取得した同期生で、関東(美浦)と関西(栗東)からそれぞれ2名ずつが選ばれています。
JRAとしては、東西を代表する若手をバランス良く送り込む形となりました。
今回の選出について、JRAは「騎乗技術等において他の新人騎手の模範となる騎手」を招待対象としており、日頃のレースぶりや厩舎での姿勢など、総合的に評価したうえでの選抜となっています。
地方競馬からも8名が参戦 計12名の新人王決定戦に
第40回全日本新人王争覇戦には、JRA4名に加え、地方競馬所属8名の若手ジョッキーが選出されています。
主催者発表の資料によると、北海道、浦和、船橋、川崎、高知、佐賀など、各地の競馬場から選ばれた有望株が名を連ねています。
出場騎手は合計12名となり、全国各地の新人騎手による「地区対抗戦」のような色合いも持つシリーズになります。
それぞれの地区で鍛えられた騎乗スタイルがぶつかり合う点も、このレースの大きな魅力です。
過去の新人王争覇戦と高知競馬の存在感
全日本新人王争覇戦は例年、高知競馬場で行われており、高知は若手騎手の「腕試しの舞台」として定着しています。
2025年に行われた第39回では、JRA所属の高杉吏麒騎手が2戦とも1着となり、総合優勝(100ポイント)を飾りました。
こうした実績から、高知は「新人スター誕生の地」としても知られています。
また、2025年のレポートでは、出場12名のうち6名が高知初騎乗とされており、多くの騎手にとっては馴染みの少ないコースでの戦いでもありました。
今年の第40回も、JRAを含め初めて高知に挑む騎手がいると見られ、コースへの対応力は結果を左右する大きなポイントになりそうです。
シリーズの仕組みと勝負のポイント
全日本新人王争覇戦は、2レースの合計ポイントで争うシリーズ戦として行われます。
各レースの着順ごとにポイントが設定され、2戦の合計得点で「新人王」が決定します。
過去の結果を見ると、1レース目の結果がそのまま総合順位に結びつくとは限らず、2戦目での巻き返しも多く見られます。
そのため、騎手にとっては「1戦ごとの勝敗」に一喜一憂せず、2戦トータルでどう戦い抜くかという視点が求められます。
また、高知競馬は比較的タフな馬場状態やペースになりやすいこともあり、ペース判断・位置取り・仕掛けのタイミングなど、基礎的な騎乗技術が問われる舞台でもあります。
新人にとっては、自身の現在地を知る貴重な経験の場になるでしょう。
高知競馬ファンにとっての楽しみ方
地元・高知のファンにとっては、普段は見る機会の少ないJRAの若手騎手と、全国の地方競馬から集まった新人騎手たちの乗り比べを、ホームグラウンドで楽しめるまたとないチャンスとなります。
一方で、中央競馬ファンにとっては、普段から注目している若手騎手たちが、いつもとは違う条件でどんな騎乗を見せるかという点が大きな見どころです。
特に、高知のコース形態や馬場に素早く順応できるかどうかは、騎手としての応用力を測るうえで良い指標とも言えます。
また、過去にはこの新人王争覇戦をきっかけに知名度を高め、その後、重賞戦線で活躍していった騎手も少なくありません。
「数年後のスター候補を、今のうちからチェックできるレース」として楽しむのもおすすめです。
「第40回」という節目の年に挑む4人のJRAルーキー
今回は、節目となる第40回大会ということもあり、例年以上に注目度が高いシリーズです。
そこに送り込まれる4人のJRA騎手は、それぞれの所属厩舎やトレセンで日々研鑽を積みながら、この大舞台に備えることになります。
石神深道騎手、長浜鴻緒騎手、柴田裕一郎騎手、橋木太希騎手は、いずれもデビューからまだ日が浅いながら、早くも関係者から高い期待を寄せられている存在です。
今回の高知での戦いぶりは、今後の騎手人生を占ううえでも大きな意味を持つでしょう。
高知競馬場で行われる全日本新人王争覇戦は、若手騎手たちの「今」と「将来」を同時に感じさせてくれる舞台です。
JRAの4人にとっても、地方の8人にとっても、このシリーズは単なる一日限りの交流戦ではなく、自らの名前を全国に刻むチャンスとなります。
来たる本番では、高知競馬ならではの熱気あふれるスタンドの中で、12名の若きジョッキーたちがどのようなドラマを見せてくれるのか、大きな期待が集まっています。


