【特集】第19回U18・第56回U16陸上競技大会――伊勢から羽ばたく新たなヒーローたち

若きアスリートたちの晴れ舞台、三重・伊勢で開幕

2025年10月17日(金)~19日(日)の3日間、三重県伊勢市・三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場で「第19回U18/第56回U16陸上競技大会」が開催されました。全国津々浦々から選び抜かれた中学生・高校生アスリートたちが一堂に会し、自らの限界に挑みます。U18大会は2025年12月31日時点で16歳・17歳となる高校生が、U16大会には早生まれの高校1年生から中学1年生までが出場。それぞれが日本陸上界の未来を担う存在として、大会は多くのファンや関係者の熱い注目を集めました。

気持ちをひとつに――全国の有望選手が集結

この大会は、全国高校総体(インターハイ)や中学大会で好成績を残した選手が集結する国内最高峰のジュニア陸上競技の祭典。今年夏の大会で輝いた選手たちも数多くエントリーし、1年前となる2024年には世界基準の記録も誕生したことから、今回も日本レベルを押し上げる熱戦が繰り広げられると大きな期待が寄せられました。

  • 男子100m、300m、800m、3000m、110mハードル、300mハードル
  • 女子100m、200m、800m、100mハードルなど、多彩なトラック&フィールド種目
  • 投てきや跳躍種目にも有望選手が多数エントリー

出場資格に関しては、U18は高校2年~3年生(早生まれ含む)、U16は中学1年生~高校1年早生まれまでと、まさに成長著しい世代が激突します。未来のオリンピアンとなるであろう選手たちの一挙手一投足に、スタンドから大きな歓声が上がりました。

千葉の中学生らも活躍誓う――ジュニア五輪出場選手の意気込み

千葉県からは選抜された中学生4名が「ジュニア五輪」出場を懸けて努力を重ね、この大会で市役所にて活躍を誓い合う場面も見られました。地元自治体や学校関係者からの応援やサポートも熱く、地域ぐるみで若い才能の成長を後押ししています。彼らは「一秒でも速く、1cmでも遠く」と願いを込め、全国のライバルたちとの真剣勝負に臨みました。

ライブ配信で全国のファンと感動を共有

今年は大会会場に足を運べないファンのために、ライブ配信も大幅に拡充されました。競技の興奮を自宅からも体験できるよう、3つのチャンネル(メイン・投てき・跳躍)が用意され、選手の熱いパフォーマンスの瞬間を全国へ届けました。

  • メインチャンネル:主にトラック競技を中心に配信
  • 投てきチャンネル:砲丸投げ、円盤投げ、やり投げなどを中心に配信
  • 跳躍チャンネル:走り高跳び、走り幅跳びなどを中心に配信

配信には「#U18U16陸上大会」や「#青春秒で燃えます」などのハッシュタグが用いられ、SNS上でもファンとともに大会の感動や興奮が共有されました。

次代を担う若者たちとともに――記録と出会いの意義

本大会は出場枠数の拡充や継続的な運営努力によって、より多くの若い才能の発掘・育成を支えています。今大会の成績や記録は、翌年のインターハイや世界大会選考にも大きな影響を与え、選手たち一人ひとりにとっては成長への貴重な通過点です。

競技場には選手の家族や友人、学校関係者など多くの人が声援を送り、そのエールが競技者の背中を強く押しています。また、学生自らが記録員や係員として運営に携わる姿もあり、ひとつの大会を作り上げる「チーム伊勢」の結束力が光りました。

スペシャルゲストも登場――サニブラウン・アブデルハキーム選手のエール

大会2日目となる10月18日(土)には、東京2025世界陸上代表のサニブラウン・アブデルハキーム選手が来場。トップアスリート自らが「U16/U18世代の選手へ伝えたいこと」をテーマにしたトークイベントを実施しました。世界を舞台に活躍する一流選手の経験談や、夢や目標を持つことの重要性を、現役高校生たちが真剣な眼差しで聴き入りました。

このイベントは選手たちに大きなモチベーションとなりました。アスリートとして世界の壁に挑戦し続ける姿は、彼らに「自分もできる」という勇気と、一歩を踏み出す力を与えたことでしょう。

競技種目と魅力的なラインナップ

今大会では主催者が厳選したトラック競技、フィールド競技の多様な種目が行われ、観戦者も飽きることなくさまざまなドラマを体感できました。
男子100mや110mハードルのスピード感、800mや3000mの持久力勝負、円盤や砲丸といった力強い投てき競技、そして跳躍競技のダイナミックさまで、若い才能が多くの可能性を感じさせます。

  • 走力とテクニックが問われる短距離・中距離種目
  • 集中力・持久力・状況判断力が勝負を分ける障害種目
  • 多彩な記録争いが全体のレベル向上につながる

競技の合間には、出場選手同士が声を掛け合い、次なる挑戦に向けた友好も深まっています。また、技術指導や意見交換の機会も多く、各地域の指導者と若者が一緒に未来に目を向ける場ともなっています。

伊勢の街とともに――地域と大会のつながり

会場の三重交通Gスポーツの杜伊勢は、豊かな自然と歴史ある街・伊勢ならではの温かみのある雰囲気に包まれていました。選手や来場者にとって、この地域の人々のもてなしやサポートも、大会そのものをさらに印象深いものとしています。

地元伊勢市内の宿泊施設、飲食店、商店なども積極的に選手・関係者を迎え入れ、大会を通じて地域経済にも活気が広がりました。全国から集まった若者を「伊勢の宝」として温かく受け入れる地元の姿勢が、この大会の魅力をより一層高めています。

大会がもたらす、未来への種蒔き

いま、多くの若い才能がU18・U16陸上競技大会という舞台で自らを試し、記録と向き合い、仲間と切磋琢磨しています。ここで得た自身の成功体験や、時には悔しさも、選手ひとりひとりの大きな財産になることは間違いありません。

大会を彩るひとつひとつのエピソードや成績が、やがて新たな日本記録や世界につながり、陸上競技界全体の発展へとつながっていきます。今後も若きアスリートたちの成長と挑戦を、社会全体、そして地域社会が引き続き支え続けることが期待されます。

まとめ:U18・U16大会は「青春のすべてが詰まった3日間」

三重・伊勢を舞台に、青春の一瞬一瞬が光り輝いた第19回U18・第56回U16陸上競技大会。未来のヒーロー、ヒロインが躍動したこの3日間が、多くの人々に希望と感動をもたらしました。これからも、一本のトラック、一つのフィールドが若者の夢と情熱を受け止め、羽ばたく場であり続けることを願ってやみません。

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