2025年「原爆の日」 長崎・広島の平和祈念式典にアメリカ駐日大使が出席へ

2025年8月6日と9日の「原爆の日」を迎えるにあたり、今年は広島市と長崎市で行われる平和祈念式典に、アメリカのジョージ・グラス駐日米国大使が出席することが発表されました。昨年は前任の大使が欠席していたため、節目の年である今年の出席は特に注目されています。

アメリカ駐日大使が平和式典に正式参列

ジョージ・グラス大使は、アメリカ政府を代表して8月6日の広島市「原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」と、8月9日の長崎市「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」に参列すると8月3日に大使館から正式に発表されました。グラス大使にとっては、就任後初めて広島・長崎両市を訪れ、平和式典に参加することになります。

大使は声明で、「内省と追悼という節目の年に、アメリカ政府を代表して両市の平和式典に出席できることを光栄に思います」と述べ、広島・長崎の人々と市民の平和への願いについて「和解の力を永続的に思い起こさせてくれます」と強調しました。

過去の経緯と節目の意義

昨年の2024年の平和祈念式典では、初代グラス大使の前任者であるラーム・エマニュエル前駐日米大使が、長崎の式典に欠席しました。これは、長崎市がイスラエルの代表を招待しなかったことに関連した政治的な背景が理由とされています。

しかし、ことし80回目という節目の年にあたり、アメリカ側が異例の対応をとったことは、かつて敵対していた両国の和解と強い同盟関係、そして平和への共通の願いを象徴しています。グラス大使も「80年前、アメリカと日本は敵同士でしたが、今では固い絆で結ばれた同盟国として未来を見据えています」とコメントしています。

広島・長崎の平和の願いと日米関係の未来

広島と長崎では、毎年8月6日、9日にそれぞれ原爆による犠牲者を慰霊するとともに、世界の恒久平和を願う式典が開催されます。これらの式典には、被爆者や遺族、各国の代表者など多くの人々が参加し、核兵器廃絶や平和への誓いを新たにします。

今回の大使の参列は、日米が過去から学び、核兵器の悲劇を繰り返さないために共に努力していくという強いメッセージと受け取られています。大使は「私たちは、世界の自由、平和、前進のための灯台となるパートナーシップをこれからも築いていきたい」と語りました。

日本政府の対応

また、日本政府もこの機にあわせて関係閣僚が広島、長崎の式典に出席すると発表しています。特に石破総理は両市の式典に参加し、国内外から注目を集めています。

長崎文化放送による報道

長崎文化放送もグラス大使の平和祈念式典への参列を伝えており、現地からの生中継や特集番組を通じて市民や視聴者に大使のメッセージや式典の様子を詳しく報じる予定です。

今回の動きは、これまでの外交的な障害を乗り越え、被爆の悲劇を忘れずに未来へ平和を築く強い決意の表れとして国内外で大きな関心を呼んでいます。

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