石破総理続投支持、内閣支持率回復の背景と自民党「石破おろし」の波紋
石破総理続投支持が拡大、内閣支持率も回復基調
石破茂総理(自民党)の続投支持が軒並み上昇しています。2025年8月下旬に報道各社が実施した世論調査によると、内閣支持率は昨年・今年と選挙で厳しい結果に直面したにも関わらず、明確に回復傾向を示しています。石破総理自身も続投の姿勢を崩すことなく、「世論の声と自民党議員の考えが乖離していいのか」と側近に繰り返し語り、世論による支持を強く意識しています。
その一方で、石破内閣への支持が上昇しているにも関わらず、政党支持率、とりわけ自民党への支持は伸び悩んでいます。これは前回の総選挙や参院選で自民党が与党過半数を割ったこと、東京都議選など連続的な惨敗が続き、党内に責任論が根強く残っていることが背景に挙げられます。
「石破おろし」に揺れる自民党内の動き
石破総理続投の世論支持が高まる一方で、自民党内では「石破おろし」とも呼ばれる総裁選前倒し要求が強まっています。旧安倍派や旧茂木派を中心に石破首相の退陣論が浮上、総裁選管理委員会は国会議員・都道府県連からの正式な要求に基づいて、前倒し実施の手続きを定めました。党内では「前倒しが過半数の流れになれば、一気に雪崩を打つ可能性もある」と危惧する声も出ています。
- 昨年の総選挙や今夏の参院選を通じ与党が過半数割れとなり、党内の一部議員は石破首相の責任論を強く主張。
- 石破首相自身は辞任を拒否。特に関税交渉など政策理由を挙げて自らの続投に固執しています。
- 「石破おろし」には旧派閥の結束が見え、党内で排除や分断の力学も働いている模様です。
内閣支持率アップなのに自民党支持率低迷、その理由を専門家が解説
政治評論家の田﨑史郎氏は「自民党が選挙で負けても、石破首相の個人的支持率はむしろ上がっている」と指摘します。その理由として「民意が党派や集団そのものよりも、個人の信念・姿勢に対し期待する傾向が強まった」と分析。「内閣に望むものと政党に望むものがそもそも違い、石破氏には一般有権者から“数少ない裏表のない政治家”という評価が強い」と話します。
- 「選挙という制度と世論調査という現実感の乖離は当たり前で、特に最近は党組織の集団的利益と有権者の期待の間にズレが生じている」。
- 実際、石破氏の政策や物言いは一部党員や古参議員に反感を買いがちだが、庶民的な親しみやすさがあり、特に無党派層や若い世代に好感を持たれている。
- 政権中枢には解散論(衆院選の前倒し)も浮上したものの、今の支持率では党内結束すら分断しかねないとの懸念もある。
メディアと世論が示す石破政権の課題と期待
メディア各社は石破政権の「支持率回復」と「自民党支持率停滞」という二重の課題を指摘しています。自民党自身が民意の転換を迫られている現状、従来型の派閥力学で「石破おろし」を図っても、世論との乖離で逆に批判を浴びる懸念があります。
石破首相の続投に期待する有権者は、「利害よりも誠実さ」「自民党全体としての体質改善」を求める傾向が鮮明となっています。一方、党内では現状維持・既得権益の維持を優先する古参議員たちが、石破氏を『虎の尾』として排除しようとする反動も強まっています。
また、石破総理は「世論調査の数字」が自分の支えであり、現状ではまだ不支持と支持が紙一重。政権運営上の打開策として衆院の解散を模索する動きも一部にあり、まさに綱渡り状態が続いています(1)。
- 「国民のための政治」を求める声が高まり、政争より政策重視の民意が明確化。
- 総裁選管理委員会、前倒し総裁選への手続き公開で透明性向上を狙い、党改革への足がかりにも。
今後の展望と世論の行方
このように石破総理の続投支持率アップが世論調査で鮮明となる一方、党内抗争と自民党支持率の停滞、石破おろしの動きが交錯しています。今後の政局は、世論の重みをどこまで党内力学が受け止めるかにかかっており、国民が望む「開かれた政治」実現への真価が問われる局面です。
今後も選挙や内閣改造、党内論争を通じて、石破総理が掲げる誠実な政権運営と、自民党全体の体質改善をどう実現していくかに、国民・有権者の関心が集まり続けるでしょう。
まとめ
- 石破総理続投支持は8月以降拡大し、内閣支持率も回復。
- 自民党内では「石破おろし」派閥抗争と、総裁選前倒し論が激しく対立。
- 専門家・メディアは「党利よりも誠実な政治家」、石破氏への期待拡大と政党支持率低迷の乖離を指摘。
- 今後の政局は、世論重視の政治改革と、党内力学の対立克服がカギ。