社民党が立民との会派離脱へ 「中道」の安保・原発政策に強く反発

社民党の福島瑞穂党首は、立憲民主党との参議院会派を解消する方針を示しました。新たに結成された政治勢力「中道改革連合」が安保関連法を「合憲」と位置づけ、原発の再稼働を容認していることが、相容れない政策の違いとなっています。

「中道」発足で対立軸が鮮明に

立憲民主党の一部議員と公明党の衆院議員で構成される「中道改革連合」は1月19日に基本政策を発表しました。その中で、安保関連法が定める「存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲」と明記し、憲法9条に自衛隊を明記することについても「国会での議論を深化」させるとしています。

この政策方針に対し、社民党は強い反発の声を上げています。福島党首は19日に参議院議員会館で緊急の会見を開き、「看過できない部分もあり、非常に危機感を抱いている」と述べました。

安保法制は「憲法違反」 福島党首の主張

福島党首が最も強く批判するのは、安保関連法についての姿勢です。社民党は安保関連法と集団的自衛権の行使を「戦争法」として憲法違反と考えています。

1月21日には共産党の田村智子委員長と共に東京・有楽町で合同街頭演説会を開催。福島党首は「安保関連法、戦争法、集団的自衛権の行使は憲法違反です。それを合憲と言ったら駄目じゃないですか」と聴衆に呼びかけ、大きな反応を得ました。

福島党首によれば、「集団的自衛権の行使は憲法学者のほとんど全ての人が憲法違反だと言っているもの」です。中道がこれを合憲と位置づけることは、立憲民主党の「大幅な政策転換」であり、「自民党内の議論と何が違うのか」という疑問を呈しています。

原発政策でも相容れず

社民党と中道の違いは安保問題だけではありません。原発政策についても大きな対立があります。

中道は「将来的に原発に依存しない社会を目指しつつ、安全性が確実に確認され、実効性のある避難計画があり、地元の合意が得られた原発の再稼働」を掲げています。一方、社民党は脱原発を基本方針としており、福島党首は「政府が言っていることと同じ」と批判。

ラサール石井副党首も「『原発に依存しない社会を目指すが再稼働する』というのは矛盾する。これは後々問題になる」とコメントしており、社民党内で原発再稼働容認に対する強い違和感を示しています。

沖縄基地問題でも譲歩できず

沖縄の辺野古新基地建設問題についても、両党の距離が広がっています。中道は立憲民主党の安住淳幹事長が「辺野古新基地建設を中止することは現実的ではない」と説明しました。

これに対し福島党首は強く反発。「辺野古新基地建設反対はオール沖縄の出発点だ。それすら中道は基本政策に盛り込んでいない。沖縄のために頑張る政党ではない」と厳しく批判しています。

ラサール副党首も、中道の姿勢が「リベラルのセンターラインを右にずらしている」と指摘し、立憲民主党の一部議員が中道に合流したことで、野党陣営が保守化する危機感を表明しています。

リベラル勢力の結集を呼びかけ

社民党は今後、より左派的な野党勢力との連携を強める方針です。福島党首は「できるだけ大きなリベラルの塊をつくらなくてはいけない」と述べ、共産党、新社会党、沖縄の風、緑の党、そして「れいわ新選組」との共闘を呼びかけています。

「中道には行けないという人たち、中道から支援してもらえない人たちが立憲民主党の中にいるのではないか。それなら、社民党にどうか来てほしい」というメッセージは、立民から中道に参加しなかった議員への参加呼びかけでもあります。

「政治のセンターラインが右へ」

福島党首は演説後の取材で、最近の政治環境について「センターラインが右へ右へと行ってしまっている」と懸念を示しました。共産党の田村委員長も「全体が自民党の政治に飲み込まれている」として、「政治を変えなきゃいけない」という対決軸が必要だと指摘しています。

1月21日の合同街頭演説会には550人が参加し、リベラル勢力の共闘を求める市民の関心の高さが示されました。社民党は今後、参議院会派の形式的な変更を通じて、より明確な野党陣営の対立構図を作ろうとしているようです。

今後の政治環境への影響

社民党による参院会派の離脱は、単なる形式的な決定ではなく、日本の野党陣営の分裂と再編を象徴する出来事です。安保法制と憲法改正をめぐる政策の相違が、これまで一体と見なされていた「野党」をも分裂させるほど深刻であることを物語っています。

中道の台頭により、野党陣営は「より左のリベラル勢力」と「より右の現実主義勢力」に二分される流れが加速する可能性があります。これが今後の選挙や政治議論にどのような影響を及ぼすかは、注視する必要があります。

参考元