高市首相の「台湾有事」発言、政界とネットで波紋広がる

高市早苗首相が国会で「台湾有事」について「存立危機事態」に該当する可能性があると発言したことで、政界やネット上に大きな波紋が広がっています。この発言は、日中関係の緊張を高めるだけでなく、国内の政治情勢にも影響を及ぼしています。

立憲民主党・岡田氏「聞いた瞬間『まずい…』」

立憲民主党の岡田克也氏は、高市首相の答弁を聞いた瞬間、「まずい…」と感じたと語っています。岡田氏は、「首相の発言は、日中関係の緊張を高めるだけでなく、国民の不安を煽る可能性がある」と指摘しました。また、「台湾有事」についての発言は、外交的な配慮が欠けていると批判しています。

ひろゆき「一部の支持者がスッキリしただけ」

ネット上でも、高市首相の発言に対する反応は様々です。人気YouTuberのひろゆき氏は、「一部の支持者がスッキリしただけ」と持論を展開しました。ひろゆき氏は、「高市首相の発言は、支持者の間では称賛の声が上がっているが、それ以外の層にはあまり響いていない」と指摘しました。一方で、「脱中国派」からは反発の声も上がっています。

野党への「責任転嫁」が物議

高市首相の答弁に対して、野党に無理やり「責任転嫁」するような発言も物議を醸しています。一部の与党議員は、「野党が台湾有事についての議論を避けてきたため、首相が発言せざるを得なかった」と主張しています。しかし、このような発言は、「民主主義が脅かされている」との批判も出ています。

中国側の反応

中国政府は、高市首相の発言に対して「悪質な発言」と厳しく非難しています。中国側は、「日本の指導者が国会で公然と発表した台湾に関する悪質な発言は『一つの中国』原則に反し、中国の内政に著しく干渉するものだ」と述べました。また、「日本は台湾の植民地支配で数え切れないほどの罪を犯した。日本は歴史を深く反省し、台湾に関する問題を慎重に扱うべきだ」と強調しています。

与党内の「早期解散」論

高市首相の発言によって、与党内では「早期衆院解散」論が台頭しています。首相周辺や与党の最高幹部からは、「できるだけ早く解散して、政権基盤を安定化させるべきだ」との声が漏れています。次期衆議院選挙に出馬予定の現職・元職議員や新人候補たちも、「まさかとは思うが、準備するしかない」と浮足立っています。

支持率の動向

高市内閣の支持率は、政権発足1カ月半でさらに上昇するという異例の事態となっています。歴代自民党内閣を振り返れば、「ほとんどが就任時の支持率が最高で、その後はじり貧」という傾向でしたが、高市内閣は「政権発足後の内政・外交での“迷走”をものともしない高市人気の高まりは、まさに想定外」とされています。しかし、自民党の支持率上昇はごくわずかで、最近の複数の地方選挙で自民党の不振も目立っています。

物価高対策への注目

高市首相自身は、「焦眉の急は物価高対策、解散している暇などない」と繰り返しています。しかし、「解散と公定歩合はウソを言ってもいいというのが政界のおきてだけに、年末以後は何があってもおかしくない」との見方も根強いです。

まとめ

高市首相の「台湾有事」発言は、日中関係の緊張を高めるだけでなく、国内の政治情勢にも大きな影響を及ぼしています。与党内では「早期衆院解散」論が台頭し、支持率の動向も注目されています。今後、高市政権がどのように対応していくか、引き続き注目が集まります。

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