高市首相の経済政策が本格始動—給付付き税額控除で1人4万円支給へ
2026年2月8日の衆議院選挙で自民党が316議席を獲得し、高市早苗首相の政策推進力が大幅に強化されました。この歴史的圧勝を背景に、高市政権が掲げる物価高対策の核となる「給付付き税額控除」制度が急速に進展しています。
1人4万円の現金給付が有力視される理由
現在検討されている給付付き税額控除では、1人あたり4万円案が有力とされています。この制度の特徴は、所得税から一定額を控除し、控除しきれない分を現金として給付する仕組みです。つまり、納税額が少ない人ほど現金給付で補填される仕組みになっています。
高市政権は、2025年秋に検討されていた「全国民一律2万円給付」を見送り、より柔軟で対象層を重視した政策へと方針転換しました。首相は「ばらまき型の一律給付」よりも、物価高で打撃を受けている層への重点支援と、成長投資・減税を組み合わせた「強い経済」路線を強調しています。
世帯構成によって異なる給付額
この制度では、世帯人数に応じて給付額が変わります。例えば、以下のような試算がされています:
- 単身世帯:4万円
- 夫婦2人世帯:8万円
- 夫婦と子ども1人:12万円
- 夫婦と子ども2人:16万円
子育て世帯が重点支援の対象になることで、少子化対策としての側面も持っています。
所得層別の受け取り方の違い
給付付き税額控除の特徴として、受け取り方が所得層によって異なります。
高い所得を得ている会社員や公務員の場合、年末調整または確定申告を通じて所得税から4万円が控除されるため、実質的な減税となります。一方、所得が低いパート・アルバイト従事者の場合、所得税から控除しきれない分が現金として給付されます。さらに非課税世帯(年金受給者や生活保護受給者など)は、全額が現金給付となります。
具体的な例として、年収500万円の会社員Aさんの場合、年間所得税額が10万円であれば、4万円が控除されて納税額は6万円に減ります。一方、年収200万円のパートBさんの場合、年間所得税額が2万円であれば、4万円から2万円を引いた2万円が現金給付されます。このように、所得に応じた公平な配分が実現される仕組みです。
実施時期と今後のスケジュール
高市政権は、2026年1月中に超党派「国民会議」を設置して、本格的な議論を開始する予定です。この会議では、給付額の最終決定や実施時期などについて、各党派の意見を交わします。
ただし、1人4万円という額はあくまで現在の検討案であり、国民会議での議論や財源確保の状況によって変更される可能性があります。自民党内では3万円から5万円案が浮上しており、公明党内では10万円を求める声も存在するなど、与党間でもまだ調整が続いている状況です。
既存支援施策との組み合わせ
給付付き税額控除の導入は、既存の支援施策を補完する形で進められています。2025年に実施された物価高騰対応給付金では、住民税非課税世帯に対して1世帯あたり3万円、さらに18歳以下の子ども1人につき2万円が加算されました。
また、重点支援地方交付金を通じて、自治体が独自に電子クーポンや水道料金減免などを実施する仕組みも継続・拡充されています。加えて、電気・ガス料金支援として1世帯あたり約7,000円程度の支援も行われており、多層的な物価高対策が展開されています。
消費税減税への期待と課題
共同通信の世論調査では、消費税2年ゼロに対して50%の国民が賛成と答えるなど、減税政策への関心が高まっています。また、内閣支持率は67%に達し、高市政権への期待が依然として強いことが明らかになりました。
一方で、野村證券の岡崎康平氏は、消費税減税には金融市場の壁が存在することを指摘しています。すなわち、大規模な財政支出は金利上昇につながる可能性があり、長期金利の上昇は企業や個人の借入コストを増加させる懸念があるということです。
高市政権の「強い経済」路線の意義
高市首相が掲げる「強い経済」路線は、単なる現金バラまきではなく、成長投資と減税を組み合わせた構造的な政策です。給付付き税額控除は、この路線の中核として機能する政策とされています。
所得層に応じた柔軟な支援によって、低所得層への直接支援と中高所得層への減税を同時に実現できるメリットがあります。また、この制度は一時的な給付ではなく、恒久制度として毎年実施される点も特徴です。これにより、物価高への対応だけでなく、中長期的な家計支援が可能になります。
課題と今後の注視点
給付付き税額控除の導入には、いくつかの課題が残っています。第一に、正式な給付額がまだ決定されていない点です。現在の4万円案は立憲民主党の提案したたたき台に過ぎず、最終的な金額は国民会議での議論で決まります。
第二に、財源確保の見通しが不透明な点です。給付規模によっては赤字国債の増額が必要になる可能性もあり、金融市場からの反発も懸念されます。
今後、高市政権がどの程度の規模で給付付き税額控除を実現するか、また他の経済政策とどう組み合わせるかが、日本経済と国民生活に大きな影響を及ぼすことになります。国民会議での議論の行方が、注視される局面といえるでしょう。



