高市首相が予算年度内成立を強調、野党は審議不足を指摘―衆院予算委で集中審議
衆議院予算委員会は3月9日と12日に高市早苗首相が出席した集中審議を開催し、2026年度(令和8年度)の予算案について議論が交わされました。高市首相は予算の年度内成立の必要性を繰り返し強調する一方で、野党側からは審議時間の大幅な削減に対する強い反発の声が上がっています。
予算年度内成立に向けた政府・与党の強硬姿勢
政府・与党は2026年度予算案の年度内成立を目指し、異例づくしの国会運営を進めています。与党は衆院予算委員長の職権で審議日程を次々と決定し、3月10日に中央公聴会を開催、3月13日には審議を打ち切って衆院通過させるスケジュールを強硬に進めようとしています。
高市首相は集中審議の中で、経済成長実現のためには国内投資が「圧倒的に足りない」と指摘し、官民が力を合わせて危機管理投資や成長投資を推し進める必要があると述べました。首相はまた、過度な緊縮思考と投資不足の流れを断ち切り、世界共通の課題解決を目指す方針を強調しています。
審議時間の大幅削減に野党が強く反発
野党側からは、首相の出席時間が大きく削減されていることへの指摘が相次いでいます。前年度の昨年3月の予算委集中審議では、首相の出席時間が約50時間だったのに対し、今年は約20時間程度に縮減されるとみられており、与党の意向により審議が圧倒的に不足していると野党は主張しています。
さらに問題とされているのが、首相への質問に対して他の閣僚が「肩代わり」して答弁し、首相が事実上答弁を拒否するケースが頻発しているという点です。これは国会審議の民主的プロセスを軽視するものだとして、野党から批判の声が上がっています。
ガソリン価格対策について基金で対応可能と説明
中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格高騰への対策についても議論されました。野党側は現在の中東情勢を踏まえたエネルギー価格の高等対策として、予算の組み換えを提起し、防衛増税の見送りを求めています。政府側はガソリン価格抑制の財源について、基金を活用して対応することが可能であると説明しました。
暫定予算の準備状況について質問相次ぐ
議論の中では、予算案が年度内に成立しない場合に備えた暫定予算についての質問も出されました。野党側は3月中旬に入った段階で既に暫定予算の指示がなされたのか、今後なされるのかについて質問しましたが、政府側は年度内成立に向けて真摯に対応する姿勢を示すに留まっています。
集中審議の進行状況
3月9日の集中審議では、自民党、中道改革連合、国民民主党、日本維新の会、参政党、チームみらい、日本共産党など複数の党から質疑者が登壇し、予算案に関する多角的な質問が行われました。続く3月12日の集中審議でも、同様に複数の野党から質疑が予定されています。
質疑者の時間配分を見ると、各議員に割り当てられた質問時間は数十分程度に限定されており、限られた時間の中で予算案全体に関する質疑が進められています。これは従来の予算委員会の審議方式と比較して、著しく短縮されたものとなっています。
問われる民主的な国会審議のあり方
高市首相率いる政府・与党の強硬な国会運営姿勢に対して、野党側は民主的な審議プロセスの確保を強く求めています。予算案という国民生活に直結する重要な議案だからこそ、十分な審議時間の確保と首相による責任ある答弁が不可欠だというのが野党の主張です。
一方、政府・与党側は年度内成立による早期の予算執行開始を優先し、経済対策の迅速な実施を重視する立場を取っています。この相反する立場の中で、予算案の最終的な採決に向けた攻防が続いています。
今後の予定と注視点
予定されている3月13日の衆院通過を目指し、今後数日間の審議が国会における重要な焦点となります。野党側が求める追加的な審議時間の確保が実現するのか、それとも与党の強硬姿勢が貫かれるのかが注視されています。
また、ガソリン価格対策やエネルギー安全保障、防衛予算に関連した税制措置など、予算案に盛り込まれた具体的な施策についても、十分な検討が行われるのかが今後の課題となっています。



