トランプ大統領、次期FRB議長を来年早々に発表へ 最有力候補はハセット氏
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長の人事について、来年初めに発表する考えを示しました。現在のジェローム・パウエルFRB議長の任期が2026年5月に満了となるのを前に、トランプ大統領はすでに後任人事の決定を済ませたと表明しており、政界や市場の注目を集めています。
次期議長の人選、クリスマス前の発表も視野に
トランプ大統領は11月30日に記者団から次期FRB議長の人選について問われ、「誰を選ぶかは決めている」と述べました。一方、スコット・ベッセント財務長官はCNBCのインタビューで、「トランプ大統領がクリスマス前に新議長を発表する可能性は非常に高い」と明らかにしています。
具体的な発表時期について、トランプ大統領は名前を明かさず「今後、発表する」としていますが、市場関係者や政治アナリストの間では、クリスマス前の発表の可能性が高いとみられています。また、ベッセント財務長官は先月18日の時点で、12月のクリスマス前に次期議長の候補が発表される見通しを示していました。
最終候補リストに6人がリストアップ
現在の最終候補リストには、複数の有力候補が名を連ねています。具体的には、以下の人物たちが挙げられています:
- ケビン・ハセット:ホワイトハウス国家経済会議(NEC)委員長
- ケビン・ウォーシュ:元FRB理事
- クリストファー・ウォーラー:FRB理事
- ミシェル・ボウマン:FRB理事
- リック・リーダー:ウォール街の大物
- ブラックロック最高投資責任者(CIO)
これらの候補者たちの中でも、ハセット氏が最有力候補として台頭しているとの報道があります。ブルームバーグは、関係者の話として、ハセット氏が次期FRB議長レースで「先頭走者」として浮上したと伝えました。
ハセット氏が最有力候補として急浮上
ケビン・ハセット国家経済会議委員長は、トランプ政権内の代表的なハト派(金融政策の緩和を支持する立場)として知られています。同氏は最近のフォックスニュースのインタビューで、「自分がFRB議長なら、データが示すとおり直ちに利下げする」と語り、トランプ大統領の利下げ要求と同調する姿勢を示しました。
また、11月30日のFOXニュースのインタビューで、ハセット氏は次期議長に指名された場合について「喜んで職を全うする」と述べています。このコメントは、自身が最有力候補であることを暗に認める発言と解釈されており、市場では指名の可能性が高いと見込まれています。
市場関係者の間では、ハセット氏が指名されれば、FRBの金融政策は現在よりはるかに緩和的に転じるとの期待が広がっています。これはトランプ大統領が長年主張してきた「FRBは行政府の統制下にあるべき」という政策姿勢と一致しています。
トランプ大統領の金融政策への強いこだわり
トランプ大統領は従来から、FRBは行政府の統制下にあるべきだと主張してきました。同大統領はパウエル議長の代わりに、自身の利下げ要求を政策に反映する人物を一貫して探してきたとされています。
この方針は、トランプ政権の経済政策の重要な要素となっており、次期FRB議長の選定は単なる人事異動ではなく、今後のアメリカの金融政策の方向性を左右する重要な決定として注目されています。
政界と市場の関心が集中
FRB議長の人事は、アメリカの経済政策に直結する重要なポストです。次期議長の指名は、今後のアメリカの金利政策、インフレ対策、そして金融市場全体に大きな影響を与えることになります。
トランプ大統領が「来年早々」の発表を予告していることから、市場関係者や投資家は、今後の発表に向けて注視を続けることになるでしょう。ハセット氏が最有力候補とされていることは、金融市場に緩和的な金融政策への期待をもたらしており、株価や為替相場に影響を及ぼす可能性があります。
次期FRB議長の発表は、アメリカ経済の今後の方向性を示す重要なシグナルとなるため、国内外の経済関係者が固唾をのんで待つことになります。



