2025年自民党総裁選“三つどもえ”の行方は? 小泉氏、高市氏、林氏の3強一騎打ちと勢力図

総裁選挙の終盤を迎えた2025年10月初旬、自由民主党の総裁をめぐる情勢が緊迫した展開を見せています。当初は小泉進次郎氏と高市早苗氏による“二強”の争いと見られていましたが、ここに来て林芳正官房長官が大きく支持を伸ばし、一転して「三つどもえ」の様相を帯びてきました。本記事では、各候補の支持層や世論調査の結果、決選投票をにらんだ各陣営の動きなど、総裁選の最新状況を詳しく解説します。

三つどもえの背景と各候補の立ち位置

総裁選告示直後、小泉進次郎氏と高市早苗氏の2名が最も有力視されていましたが、林芳正氏が“猛追”したことで、現在は3名による激しいトップ争いとなっています。特に国会議員票の獲得状況がカギを握っており、産経新聞の調査によると、小泉氏が全体の約3割、林氏が旧岸田派を中心に2割弱、高市氏が旧安倍派や保守系議員を中心に1割強とされ、拮抗しています。これまで話題になっていた「二強」のイメージが大きく揺らいでいるのです。

世論調査から見る支持層の違いと順位変動

朝日新聞など主要メディアの党員票集計予想では、小泉氏が1位、林氏が2位、高市氏が3位と報じられています。しかし、世論調査や党員票の開票前状況を見ると、トップの逆転も十分にあり得る状況です。前回2024年の総裁選で、最後に石破茂氏が逆転した前例もあるため、各陣営は「石破票」の行方を注視。石破氏の不出馬により、石破派の支持がどこに流れるかが今後の大きな焦点となっています。

特に林芳正氏は、党内の主流派だけでなく、これまで“中立”とされてきた議員層への働きかけも積極的です。また、小泉進次郎氏は、党内外で「改革」「若さ」をアピールしつつ、外交パフォーマンスを重視し、総裁選中にも外遊を行うなど異例の行動に出ています。一方、高市早苗氏は、保守層・旧安倍派の支持を基盤としつつ、党内長老への働きかけを強めているようです。

候補者 主な支持層 世論調査・党員票予想 特徴的な動き
小泉進次郎氏 若手・改革派、一部党員・議員 1位(党員票) 外遊・麻生派との連携強化
高市早苗氏 保守層・旧安倍派 3位 麻生氏など長老への根回し
林芳正氏 旧岸田派・主流派、中立票 2位(勢い増) 石破票の取り込み

決選投票へ向けた熾烈な多数派工作

郵送による党員投票はすでに締め切られており、現在は国会議員票の“積み上げ”が勝敗を分けるポイントとなっています。これまで“決選投票は確実”との見方が強まっており、2位に入れば逆転のチャンスが残るため、各陣営は支持議員の切り崩しや、党内重鎮への根回しに必死です。

特に小泉陣営は、派閥トップの麻生太郎氏との連携を強化。総務会長などの要職起用を約束することで、支援を確保しようとしています。一方、高市陣営も麻生氏への接近を図り、党長老の“詣で”が相次いでいます。林陣営は「党の団結」を強調し、主流派だけでなく、中立・無派閥層への働きかけを活発化させています。いずれの候補も決選投票を見据え、最後の1票を求めて奔走している状況です。

野党の動向と今後の日程

自民党総裁選の投開票は10月4日。そして、新総裁が石破茂首相の後継として正式に指名される臨時国会が、10月15日に召集される予定です。野党側は、総理大臣指名選挙に向けて3党の国会対策委員長が会談したものの、当面は足並みがそろわず、自民党新総裁がそのまま首相に選出される流れとなりそうです。

まとめ

2025年自民党総裁選は、小泉進次郎氏、高市早苗氏、林芳正氏による“三つどもえ”の様相を呈しています。世論調査や党員票では小泉氏がリードしていますが、林氏の追い上げや高市氏の支持層維持にどこまで迫れるかが最大の注目点です。また、決選投票をにらんだ各陣営の熾烈な工作や、党の“重鎮”たちへの根回しも最終盤のカギとなっています。

今後は投開票までの僅かな期間で、どの陣営が“逆転”を演出できるか、最後まで目が離せません。自民党総裁選の行方は、今後の日本政治の方向性をも左右する重要な局面にあるといえるでしょう。

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