自民党を離党した和田政宗氏が参政党へ入党へ、宮城県知事選での連携から新たな政治活動へ
元参議院議員の和田政宗氏(51歳)が、自民党への離党届を提出した後、参政党への入党を決めました。12月3日に都内で参政党の神谷宗幣代表と共に記者会見を開き、政調会長補佐としての職務を担うことが発表されました。この人事は、10月の宮城県知事選挙で両者が連携したことから実現した動きとなっています。
宮城県知事選での連携がきっかけ
和田政宗氏が参政党との関係を深めるきっかけは、2025年10月に行われた宮城県知事選挙にあります。当時、和田氏は自民党の籍を保ったまま、無所属での立候補を決断しました。そして参政党と政策の覚書を交わし、神谷宗幣代表率いる参政党からの支援を受けて選挙戦に臨みました。
しかし、この決断は自民党宮城県連から大きな批判を招きました。自民党の公式な方針に反して参政党と連携したことで、党内からの風当たりが強くなり、和田氏の立場は次第に難しくなっていきました。選挙の結果は接戦となりましたが、現職の村井嘉浩知事に敗れることになりました。
自民党からの離党と参政党への入党
知事選での敗北後、和田氏は自民党宮城県連の対応や党の姿勢に対して不満を表明するようになりました。その後、11月に正式に自民党への離党届を提出しました。和田氏にとって、自民党という組織の中では自分の政治理念を実現することが難しいと判断したのでしょう。
12月3日の記者会見で、和田氏は参政党への関わりについて以下のように述べました。「若い人たちの政治参画、普通に暮らしていらっしゃるサラリーマンの方、主婦の方々の政治参画、これからやっていくことが、日本の民主主義の発展につながっていくと思いましたので、参政党の政策立案作りに携わらせていただきたい」と説明しています。
正式な入党手続きは、自民党側が離党届を受理してからとなる見通しです。参政党候補者としての今後の立候補については、現時点では未定とされています。
参政党が重視する政策立案への参画
参政党は、和田氏を党の政調会長補佐として起用することを決定しました。これは単なる人員配置ではなく、参政党が政策の立案機能を強化しようとする意図が感じられます。
実は、参政党は9月にも同様の人事を行っています。2017年に秘書への暴言問題で報じられた豊田真由子氏を政策立案担当として起用しており、今回の和田氏の採用もその延長線上にあると考えられます。参政党は、政治経験を持つ人材を政策立案部門に集約し、党の政策提言能力を高めようとしているのです。
宮城県知事の「舌出し」に見える政治姿勢の違い
宮城県知事選挙の後、和田氏と現職知事・村井嘉浩氏の間で政治姿勢の違いが浮き彫りになりました。和田氏は、知事の言動を「オールド政治の典型」として批判しています。特に知事が行った「舌出し」というジェスチャーについて、和田氏は「応援してくれた方への侮辱」と指摘しました。
この発言から見えるのは、和田氏が従来の政治手法や態度に対する強い反発心を持っているということです。新しい政治スタイルを求める姿勢が、参政党という新興政党への転身を促したとも言えます。
参政党と神谷宗幣代表の戦略
参政党の神谷宗幣代表は、12月3日の記者会見に和田氏と共に出席しました。握手する両者の写真は、新たな政治連携の象徴として報道されています。
参政党にとって、和田氏のような政治経験者を迎え入れることは、党の信頼性と政策立案能力の向上につながります。また、参議院選挙で自民党の候補として落選した経験を持つ和田氏は、既存政党との違いを明確に示すことができる人材でもあります。
日本の政治地図の変化を示す動き
和田政宗氏の参政党入党は、日本の政治地図が変わりつつあることを示す重要な象徴です。自民党一強体制の中で、新しい政治勢力を求める動きが活発化しています。
宮城県知事選での連携から実現したこの人事交流は、既存政党の枠組みを超えた政治活動が現実化していることを意味します。和田氏が述べた「若い人たちの政治参画」「普通に暮らす人々の政治参画」というテーマは、参政党の基本的な政治理念と一致しており、今後の党運営において重要な役割を果たすことが予想されます。
今後、和田氏がどのような政策提言を行い、参政党がどのように発展していくのか、注視する必要があります。日本の政治が多様化し、新しい選択肢が増えていく過程を、このニュースは象徴的に示しているのです。



