鎌倉市長選挙2025――現職と新人4人が競う熱い戦い
2025年10月26日、神奈川県鎌倉市で市長選挙の投開票が行われます。今回の鎌倉市長選挙は、現職1人と新人3人という計4名が立候補し、市政の方向性を大きく左右する重要な選挙として注目を集めています。ここでは各候補者の経歴や主な政策、そして最大の争点である「市庁舎移転」への考えを中心に、選挙戦の内容をわかりやすく解説します。
鎌倉市長選挙2025の概要
- 投票日:2025年10月26日(水)
- 告示日:2025年10月19日(日)
- 立候補者数:4名(現職1名・新人3名)
- 投票率(前回):41.78%
鎌倉市は観光資源が豊富で、歴史的な背景や自然に囲まれた住環境、さらに地域コミュニティが活発なことでも知られています。そんな鎌倉市のリーダーを選ぶ選挙です。今期満了に伴う今回の選挙には現職と有力新人が揃い、市政の未来を巡る熱い議論が交わされています。
4人の候補者――その人物像と経歴
今回、市長選に立候補したのは全員が無所属。現職・松尾たかし氏と3名の新人――くりはらえりこ氏、ひろせこういち氏、うめざわやすお氏の4名です。以下、各候補の主な経歴を紹介します。
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松尾 たかし(まつお たかし)氏(52歳・男性・現職)
- 1973年9月6日生まれ、鎌倉市出身
- 日本大学経済学部卒
- 日本通運株式会社勤務経て、2000年に政界入り
- 2001・2005年:鎌倉市議会議員当選(いずれもトップ当選)
- 2009年11月より鎌倉市長(今回5期目を目指す)
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くりはら えりこ(栗原 絵里子)氏(56歳・女性・新人)
- 鎌倉市育ち
- 東海大学工学部建築学科卒
- 株式会社熊谷組を経て、一級建築士として自営事務所設立
- 鎌倉市議会議員3期連続当選
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ひろせ こういち(広瀬 浩一)氏(61歳・男性・新人)
- 神奈川県小田原市出身
- 早稲田大学理工学部卒
- 三菱電機株式会社に勤務
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うめざわ やすお(梅沢 保雄)氏(73歳・男性・新人)
- 鎌倉市出身
- 高校の工業機械科卒
- 会社経営、団体理事、現在は特定非営利法人福祉農業推進機構の顧問
主要争点 「市庁舎移転」問題
今回の選挙で最も大きな争点となっているのは「市庁舎移転」の是非です。鎌倉市は現在の庁舎が老朽化していることや防災機能強化の観点から、深沢地区への移転案が検討されています。しかし、歴史的景観の保全や財政負担、交通アクセス、市民利便性などを含め、賛否両論が巻き起こっています。
- 現職の松尾たかし氏は、現庁舎の老朽化や防災上の課題を挙げ、移転計画を推進してきました。深沢地区への移転により、より安全で機能的な市庁舎を実現し、市民サービスの向上を目指しています。
- くりはらえりこ氏は、市民との「対話」を重視したうえで慎重な判断を行う立場です。拙速な推進には慎重で、費用対効果や歴史文化の継承など総合的な視点から今後の方向性を検討するとしています。
- ひろせこういち氏も、住民の意見を十分に反映させるという姿勢で、拙速な計画推進には懐疑的です。
- うめざわやすお氏は市民参加の徹底・財政健全化を重視し、移転反対の意思を強調しています。
このように、庁舎移転を巡る考え方が各候補ごとに明確に異なっており、選挙の最大の争点となっています。
その他の争点
市庁舎移転以外にも、多くの市民が関心を持っている争点が挙げられています。
- 観光客対応:近年増加する訪日観光客によるトラブルや混雑対応。
- 財政健全化:人口減少や高齢化への備え。
- 防災・安全:災害時の対応や地域防災力の強化。
- 子育て・福祉:子育て世帯・高齢者への支援体制の拡充。
今回の選挙はいずれの候補も「市民にやさしいまちづくり」「持続可能な財政運営」「地域参加の促進」などを掲げており、今後の市政運営の方向性が問われる重要なものとなっています。
選挙への市民の期待と反応
鎌倉市民からは次のような声が挙がっています。
- 「市庁舎移転は防災のため必要だが、もっと市民の意見を聞いて進めてほしい」
- 「観光ばかりでなく、市民生活の質を重視する市政を」
- 「高齢者や子育て世帯のことももっと考えてほしい」
多様な価値観やニーズが交錯する中、候補者たちは直接対話やSNSなどを通じて有権者へアプローチしています。
投票・開票スケジュール
- 投票日:2025年10月26日(日)
- 開票開始:即日開票(午後11時頃に大勢判明の見込み)
期日前投票も設けられており、多くの市民が投票に足を運ぶことが期待されています。近年の総選挙と比べて投票率はやや低めですが、市政変革のカギを握る選挙になることは間違いありません。
現職5期目に挑む松尾氏と、「変革」を訴える新人たち
鎌倉市長選挙は、現職5期目を目指す松尾氏の「継続」か、新勢力による「転換」かが最大の焦点です。
- 松尾たかし氏は長年の市政経験と確実な実績を強調。安定感や継続的な市政の推進を訴えています。
- くりはらえりこ氏は市議での経験と現場目線、女性ならではの感性を活かし、市民目線の政策づくりをアピールします。
- ひろせこういち氏は企業出身の視点で「新しい風」を訴えています。
- うめざわやすお氏は福祉・農業分野の知見から高齢者福祉や地域活性に力を入れるとしています。
いずれの候補も「市民とともに創る鎌倉」を掲げ、街の未来へ熱い意気込みを示しています。
鎌倉市民が選ぶ、未来につなぐ一票を
複雑な課題が山積する中、鎌倉市長選挙は単なる「リーダー選び」ではなく、自分たちの暮らしや街の未来をどう描くかを決める大切な機会です。
選挙の結果は、投票日の夜間(午後11時ごろ)には大勢が明らかになる見通しです。候補者それぞれがどんなまちづくりを目指し、どのような政策を進めるのか、有権者一人ひとりがしっかり見極めて判断することが求められます。
今後の鎌倉市が、皆にとって誇れるまちであり続けられるかどうか――今回の市長選挙が大きなターニングポイントとなります。



