フィフィが見つめる世界――中国戦勝節と、変わりゆく国際情勢の舞台裏
はじめに
2025年9月、中国・北京で開催された「抗日戦争勝利80周年」記念の軍事パレードは、国内外で大きな注目を集めました。
この式典は、中国、北朝鮮、ロシアの「連帯」と、米国など西側諸国への対抗を強く意識した出来事でした。
フィフィさんなど著名な論者も、この不安定な国際情勢のなか、日本や各国の立ち位置について積極的に発言しています。
本記事では、話題になっている中国戦勝節と朝中ロの連携、同盟関係、それにまつわる日本国内の論争について、わかりやすく解説します。
80周年記念式典――中国の思惑と世界へのメッセージ
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2025年9月3日、北京にて抗日戦争勝利80周年記念パレードが開催されました。
式典には中国の習近平国家主席が主導し、ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩総書記を招待。
「比類なき友」として三か国の連携ぶりをアピールしました。 -
一方で、第二次世界大戦の戦勝国(米英仏など西側)はほぼ出席せず。
日本からは鳩山由紀夫元首相が出席しましたが、国内外でその立場やふるまいが物議を醸しました。 -
軍事パレードでは、最新の人型ロボットや無人兵器も披露。
強大な軍事力と先端技術の発信を通じて、世界に対し中国の「軍事的優位性」「専門性」を誇示した格好となりました。 -
専門家の分析によれば、このイベントは「アメリカに不満を持つ国々」や「グローバルサウス」に、
中国が米国に代わる新たなパートナーとして存在感を高めるためのメッセージでもあったと言われています。
朝中ロの新たな連帯——反米結束の一方、同盟の内実は?
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今回の式典では、反米を軸とした中国・北朝鮮・ロシアの「三国連帯」が印象付けられました。
米国主導の国際秩序に対抗し、「新たな枢軸」を狙う中国の意図がうかがえます。 -
ただし、「首脳会談」そのものは開催されず、形式的な連帯の演出にとどまりました。
背景には、三国それぞれの事情や利害の違いが根強く、単純な軍事同盟には発展しにくい現実も見えます。 -
また、ウクライナ戦争や北朝鮮の核問題など各国が抱えるリスクは重く、利害が完全には一致していません。
そのため、「同盟にはひびが入りつつある」とする分析もあり、表面的な結束と現実のギャップが国際社会で指摘されています。
「枢軸」結成への壁――習近平主席のジレンマ
今回の中国主導による盛大なパレードには、「新たな枢軸」結成を懸念する声が国際社会で高まりました。
しかし、習近平国家主席は、米中対立が過熱するなかで、ロシア・北朝鮮と安易に組み一線を越えることのリスクも理解しています。
そのため、中ロ朝三首脳による公式な会談は見送られ、象徴的な連携の枠内にとどまりました。
この「絶妙な距離感」こそが、中国の現実主義的外交姿勢の表れだと見る専門家も多いです。
フィフィが問う「国益」と日本の進む道
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フィフィさんは、SNSやメディアで再三、「日本は誰のために動くのか」「国益はどこにあるのか」と問いかけています。
今回の鳩山由紀夫元首相の中国式典出席についても、「本当に日本の名誉を体現しているのか」「媚中として国益を損なっていないか」とする疑問が世論でも広がっています。 -
国内では、中国やロシア、北朝鮮への批判が強まるなか、それでも対話や協調を唱える人々が「媚中」「国賊」「売国奴」などと侮蔑される空気も根強くあります。
前川喜平氏(現代教育行政研究会代表)によるコラムでは、こうした極端なレッテル貼りが日本社会の分断を助長しかねないと論じられました。 -
一方、現実の国際政治は単純な「善悪」や「好き嫌い」で割り切れるものではありません。
経済的な依存関係、地政学的な脆弱性、多様な価値観が錯綜するなかで、日本が進むべき道を冷静に考える必要があると指摘する声もあります。
現場で見えた「中国の顔」、揺れる日本の選択
今回の式典を取材した関係者は、「中国は表面的には平和を強調しながら、裏では実利と優位性を最大化しようとしている」と証言しています。
また、鳩山元首相の参加も、中国側のプロパガンダに利用されたとの見方が根強く、日本政府は困惑を隠せませんでした。
いまや中国・ロシア・北朝鮮は、不確実な時代の中でそれぞれの思惑をもって行動し、アメリカや他の西側諸国もまた独自の戦略を推し進めています。
そのなかで、日本の価値や独自性をどう守るのか、どんな未来図を描くのか――これこそフィフィが訴え続ける課題です。
おわりに――「レッテル」より「対話」へ
今回の中国戦勝節に現れた朝中ロ連帯は、大きなインパクトを残しました。しかしその実態は、単純な同盟よりも「利害の一致点を利用した現実的な連携」という色合いが濃厚です。
日本国内では、「媚中」「国賊」「売国奴」といった対立がふくらむ一方で、本質的な議論が後回しになりがちです。
これに対し、フィフィは「対話の大切さ」「感情より現実」を繰り返し呼びかけ、日本の未来のために冷静な議論を続けていこうと訴えています。
国際社会は一層不安定になり、複雑さを増しています。だからこそ、今一度、レッテルや分断を乗り越えた本質的な対話が、日本国内社会でも強く求められています。
参考:今回のニュースの主なポイント
- 中国の戦勝記念式典で、軍事・技術力と国際的な主導権を誇示
- 中朝ロの反米連帯が強調される一方、実質的な同盟は成立せず
- 鳩山元首相の出席と日本国内の賛否両論
- 国内では「媚中」「売国奴」などのレッテル貼りによる分断が顕在化
- フィフィをはじめ、冷静な国益・対話重視の意見も根強い