カナダ・アルバータ州独立運動が急展開 米国の関与報道でカーニー首相が主権尊重を強く求める

カナダ西部のアルバータ州で、分離独立を求める動きが注目を集めています。石油資源が豊富なこの州で、独立派の団体が米国務省当局者と会合を持ったという報道があり、カナダのカーニー首相が「カナダの主権を尊重してほしい」と米国に強く期待を表明しました。このニュースは、1月29日頃から急速に広がり、カナダ国内で大きな議論を呼んでいます。わかりやすくお伝えしますね。

アルバータ州独立運動の背景とは?

アルバータ州は、カナダのエネルギー生産の中心地です。豊富な石油資源を持ち、州民の生活や経済を支えています。しかし、カナダ連邦政府の政策に不満を持つ人々が、独立を求める声が高まっています。特に、石油パイプラインの建設をめぐる問題が火種となっています。

独立派の中心は「アルバータ繁栄プロジェクト(APP)」という団体です。この団体は、アルバータ州がカナダから独立するかどうかを問う住民投票を実施しようとしています。すでに署名集めが承認され、早ければ今秋に投票が行われる可能性があります。ただ、現在の世論調査では、独立に賛成するのは約28~30%程度で、否決される可能性が高いと見られています。

州民の不満の主な理由は、連邦政府の「過剰な干渉」です。例えば、アルバータ州から太平洋沿岸へ石油を運ぶパイプライン計画が、隣のブリティッシュコロンビア州の反対で進まないことです。アルバータ州のスミス首相は、この計画の実現を強く求めています。一方、ブリティッシュコロンビア州のデイビッド・エビー首相は反対の立場で、独立派を「反逆行為」と非難しています。

米国務省との会合報道が波紋を呼ぶ

問題の火付け役となったのが、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道です。同紙によると、APPの指導部が今年4月以降、米首都ワシントンで米国務省当局者と3回の会合を持ったそうです。このニュースが1月29日に明らかになり、カナダ国内で衝撃が走りました。

これに対し、米国務省の高官は「市民社会関係者との定例会合で、何の約束もしていない」と説明しています。ただ、米国のスコット・ベセント財務長官の発言がさらに火に油を注ぎました。ベセント氏は右派系放送局のインタビューで、「アルバータ州は米国にとって自然なパートナーだ。豊富な資源があり、州民は独立心が強い」と述べ、独立運動を支持するようなニュアンスを示しました。また、「人々は主権を、そして米国が持っているものを望んでいる。米国に編入すべきだ」との過去の発言も話題になっています。

これらの動きに対し、アルバータ州のスミス首相は「米政権はカナダの主権を尊重するだろう」と期待を述べつつ、住民投票への介入があれば米国に問題提起すると警告しました。スミス氏はカナダ統一を支持する立場ですが、連邦政府のジャスティン・トルドー前政権時代に州経済が攻撃されたと批判しています。

カーニー首相の毅然とした対応

カナダのマーク・カーニー首相は、1月29日の記者会見でこの問題に正面から取り組みました。「米政権がカナダの主権を尊重することを期待する」と明確に述べ、ドナルド・トランプ大統領との対話でもこの点を常に伝えていると強調しました。カーニー氏は、トランプ大統領との首脳会談でアルバータ州独立やケベック州の分離運動について一切触れられなかったとも明かしました。

カーニー首相のこの発言は、穏やかながらも強い意志を感じさせるものでした。カナダの主権を守る姿勢を国内外に示す重要な一手です。ちなみに、ケベック州の分離独立運動は過去に何度もありましたが、アルバータ州のそれはこれまでカナダ統一を本気で脅かしたことはありません。それだけに、今回の米国の関与報道は異例です。

スミス州首相の立場と州民の声

アルバータ州のスミス首相は、州がカナダにとどまることを望んでいると繰り返しています。しかし、1月23日のイプソス世論調査では、州民の28%が独立に賛成しています。連邦政府の政策にうんざりした人々の声が、独立支持の背景にあります。

スミス氏は、カーニー首相にパイプライン計画への協力を求めています。この計画が実現すれば、独立機運を抑える効果があるかもしれません。ただ、ブリティッシュコロンビア州を通過するこのプロジェクトは、先住民の反対も強く、物議を醸しています。エビー首相は独立派を「反逆罪」と呼び、強い拒否反応を示しました。

カナダ国内の反応と今後の注目点

このニュースは、カナダ全土で大きな関心を集めています。カーニー首相とスミス州首相の両方が「主権尊重」を口にし、統一カナダを守る姿勢を強調しています。一方、米国のベセント財務長官の発言は、両国関係に影を落とす可能性があります。

住民投票が実施されれば、結果次第でカナダの政治地図が変わるかもしれません。現在の支持率から見て否決が濃厚ですが、米国の関与が世論を動かすきっかけになるでしょうか。パイプライン問題の進展も鍵です。カナダのエネルギー政策と連邦制の行方が、ますます注目されます。

私たちも、この動きを注視していきましょう。カナダの安定した未来を願っています。

  • 主なポイントまとめ
  • APPが米国務省と3回会合 FT報道で発覚
  • カーニー首相「主権尊重を期待」
  • スミス州首相「カナダ統一支持」も連邦批判
  • 世論調査:独立賛成28-30%
  • パイプライン計画が独立機運の鍵

(この記事は、1月30日時点の報道に基づいています。状況は変わる可能性があります。)

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