日産車体湘南工場の閉鎖時期を徹底解説 – いつ、どのような影響があるのか

私はお急ぎニュースメディア OISO(オイソ)の編集長であり、神奈川県大磯生まれ平塚育ちの湘南エリア担当記者「長嶋 駿」です。独断と偏見に加え、できるだけ多くの口コミや評判を参考にして、みなさまにお役に立つ情報をお届けします。今回は、湘南地域の主要産業施設である「日産車体湘南工場」の閉鎖に関する噂について、徹底的に解説していきます。

日産車体湘南工場の現状と閉鎖の噂

日産車体湘南工場は、私が子どもの頃から親しんできた平塚市の工業地帯を代表する施設です。この工場は、日産の主要生産拠点として長年にわたり地域経済を支えてきましたが、近年は閉鎖の噂が絶えません。

2025年1月に入って、日産自動車が国内でのリストラに着手する方針が明らかになりました。特に注目すべきは、日産車体湘南工場(神奈川県平塚市)で生産している商用バン「AD」の生産を2025年11月をめどに取りやめるという発表です。これにより、工場の生産体制が縮小され、数百人規模の人員削減が行われる見通しとなっています。

さらに状況が深刻化したのが、2025年5月13日のニュースです。日産自動車は2027年度までに国内を含む7工場を閉鎖すると発表しました。車両生産工場を17から10に統廃合し、併せて2027年度にかけて国内外でグループ従業員の約15%に当たる2万人を削減するという大規模なリストラ計画です。

湘南工場の歴史と現在の位置づけ

日産車体湘南工場について、まずはその歴史と概要を理解しておきましょう。日産車体株式会社は1941年創業で、1971年に現在の社名となりました。湘南工場は本社機能と車体溶接、塗装、組立などの「工場」および物流基地からなる「生産」部門を擁する、同社の最大拠点です。

湘南工場の特徴としては:

  • 従業員数は1,681名(2024年3月31日現在)
  • 生産棟が2階建てという珍しい構造を持つ
  • 技能訓練道場や安全体感道場を備え、最初に日産車体を学ぶ場所として機能
  • LCV(軽商用車)「NV200バネット」、「AD」の2車種を生産
  • 年間15万台の生産能力を持つ

閉鎖時期についての分析

では、本題である「いつ閉鎖されるのか」について検討していきましょう。

短期的な動き – ADの生産終了

まず確実に決まっているのは、湘南工場で製造する商用バン「AD」の生産を2025年11月をメドに終了することです。これは日産自動車が2025年1月に入り、取引先に通知した内容となっています。ADの生産終了は工場全体の閉鎖ではありませんが、生産体制の縮小を意味します。

現在湘南工場では「AD」と「NV200」の2車種を生産していますが、「NV200」についても生産縮小を検討しているようです。

中長期的な閉鎖の可能性

より深刻なのは、2025年5月に発表された2027年度までに国内を含む7工場を閉鎖するという計画です。日産の国内工場としては神奈川県内の追浜工場と日産車体の湘南工場、栃木県の栃木工場、福岡県の日産自動車九州と日産車体の九州工場があります。

この中から具体的にどの工場が閉鎖対象となるかはまだ明言されていません。しかし、いくつかの情報から湘南工場の閉鎖可能性について考察できます。

  1. 工場の歴史:湘南工場の一部(第1地区)については既に2012年頃から閉鎖や生産移管の計画があったようです。
  2. 立地条件の問題:過去の報道によると、「湘南工場については、設備の老朽化が進んでおり、更新時期に入っている。だが、地震対策に費用がかかること、近隣に高層マンションをはじめ住宅が密集しており、自動車会社は機密度の高さが求められるにも関わらず、それが難しくなってきたこと、騒音の問題が出ていることなどの理由もある。平塚(湘南工場)は、車作りには向かなくなってきた」との声明が出されています。
  3. 九州工場への移管:日産車体は福岡県苅田町に九州工場を持っており、過去に湘南工場からの生産移管を進めてきました。2025年1月の報道では、湘南工場の人員を削減し、一部を日産車体九州に配置転換する方向で検討していることが明らかになっています。

これらの要素を総合すると、湘南工場が閉鎖対象となる可能性は決して低くないと言えるでしょう。特に「AD」の生産終了後、「NV200」の生産も縮小されれば、工場の存在意義そのものが問われることになります。

閉鎖時期の予測

具体的な閉鎖時期については、複数のシナリオが考えられます。

シナリオ1: 段階的閉鎖(最も可能性が高い)

  • 2025年11月:「AD」の生産終了
  • 2026年〜2027年:「NV200」の生産移管または終了
  • 2027年度末までに:湘南工場の完全閉鎖

これは日産自動車の発表した2027年度までの7工場閉鎖計画に沿ったスケジュールとなります。

シナリオ2: 一部機能存続

湘南工場は生産機能を縮小しつつも、本社機能や技能訓練施設などは残す可能性もあります。この場合、完全な「閉鎖」ではなく、「縮小・再編」と表現するべきでしょう。

シナリオ3: 閉鎖延期

経営環境の変化や日産・ホンダの統合協議の進展によっては、閉鎖計画自体が見直される可能性もゼロではありません。過去にも湘南工場の閉鎖時期は見直されてきた経緯があります。

閉鎖がもたらす影響

地域経済へのデメリット

湘南工場の閉鎖が実現した場合、最も大きな欠点は地域経済への打撃です。1,681名(2024年3月時点)とされる従業員の雇用問題に加え、部品サプライヤーや関連サービス業など、間接的に影響を受ける企業も少なくありません。

福岡県苅田町の事例を見ると、日産関連の工場閉鎖や縮小に対して地元経済界から「自動車産業は関連する企業サプライメーカーが大変多い中、今の状況は危惧していますし、すごい影響が出てくると心配しています」「我々関連企業も人員整理も考えていかないといけない状況に向かっていく」といった懸念の声が上がっています。湘南地域でも同様の影響が予想されます。

特におすすめできないのは、閉鎖後の再就職が難しい高齢の従業員や、専門性が高く転職市場での汎用性が低いスキルを持った方々です。これらの方々にとって、工場閉鎖は生活基盤を揺るがす深刻な問題となるでしょう。

土地活用のメリット

一方で、閉鎖後の広大な工場用地の再開発には大きな利点があります。湘南エリアは不動産価値が高く、住宅地や商業施設、研究機関などへの転用により、新たな雇用や経済効果を生み出す可能性があります。

実際に藤沢市では、元武田薬品工業の湘南工場が閉鎖後、湘南ヘルスイノベーションパークという研究施設に生まれ変わった例があります。これは工場跡地の有効活用の好例と言えるでしょう。

このような再開発は、地域に新しい産業や雇用を生み出し、むしろ長期的には地域経済にとってメリットとなる可能性もあります。特に湘南エリアのブランド価値を活かした開発であれば、観光や教育、研究開発など新しい形での地域振興が期待できるでしょう。

従業員の今後について

現在湘南工場で働く従業員の方々にとって、最大の関心事は自分の雇用がどうなるかでしょう。この点については、いくつかの選択肢が考えられます。

  1. 九州工場への配置転換:日産車体九州(福岡県苅田町)への転勤。ただし、家族の事情や生活基盤の問題から、すべての従業員がこれを選択できるわけではありません。
  2. 早期退職制度の活用:日産自動車グループ全体で2万人規模の人員削減を計画している中、早期退職制度が提供される可能性があります。
  3. 他産業への転職:自動車業界での経験やスキルを活かした関連業種への転職。特に技術系人材については、他産業でも需要があるでしょう。

湘南エリアは東京・横浜へのアクセスも良く、雇用機会も比較的豊富なため、地域内での再就職の可能性もあります。しかし、専門性の高い製造業からの転職は容易ではなく、収入面での不利益が生じる可能性もあるため、早めのキャリアプランの見直しが重要です。

閉鎖後の湘南工場用地の行方

湘南工場の閉鎖が実現した場合、その広大な敷地がどのように活用されるかは地域にとって重要な問題です。過去の事例から、いくつかの可能性が考えられます。

  1. 研究開発施設:前述の湘南ヘルスイノベーションパークのように、研究開発拠点への転換。日産自身が電気自動車やAI関連の研究施設として活用する可能性も。
  2. 商業・住宅複合施設:湘南の立地を活かした大規模商業施設や高級住宅地への開発。
  3. 教育機関:大学や専門学校などの教育機関の誘致。
  4. 地域行政施設:市役所や文化施設、スポーツ施設など公共施設としての活用。

平塚市や神奈川県としても、この広大な工業用地の将来は重要な政策課題となるでしょう。地域経済の活性化と雇用創出の観点から、行政が主導的に関わることが期待されます。

日産自動車の経営再建と湘南工場の関係

日産自動車はホンダとの経営統合に向けた協議を進めていますが、その実現条件として「日産のリストラ策の実行が絶対条件」(三部敏宏ホンダ社長)と言われています。この意味で、湘南工場の閉鎖は単なるコスト削減策ではなく、日産の生き残りをかけた経営再建の一環と位置づけられます。

日産自動車は2025年3月期に6708億円の最終赤字を計上。この厳しい状況を打開するための抜本的改革として、「Re:Nissan」と名付けられた経営再建計画を実行中です。この計画には、工場閉鎖・統合のほか、人員削減、部品調達の見直し、コスト削減などが含まれています。

湘南工場の閉鎖は痛みを伴う決断ですが、日産自動車グループ全体の存続と競争力強化のためには避けられない選択肢なのかもしれません。

湘南工場閉鎖の影響を受ける人々へのアドバイス

湘南工場の閉鎖が現実になる可能性が高まる中、影響を受ける方々に向けて、いくつかのアドバイスをまとめました:

従業員の方々へ

  • 情報収集を怠らない:会社からの正式発表や労働組合の情報を定期的にチェックしましょう。
  • スキルの棚卸しと向上:自分の持つスキルを客観的に評価し、必要に応じて新しいスキルを身につける努力を。
  • キャリアプランの見直し:九州工場への転勤も含め、複数の選択肢を検討しておきましょう。
  • 金銭面の準備:万一の場合に備え、家計の見直しや資金計画を考えておくと安心です。

地域住民の方々へ

  • 行政の動きに注目:平塚市や神奈川県の工場跡地活用計画に関する情報を入手しましょう。
  • 地域経済の多様化を支援:一企業に依存しない多様な産業基盤の構築が地域の安定につながります。
  • 長期的視点で考える:短期的には痛みを伴っても、長期的には地域の新たな発展につながる可能性もあります。

結論:湘南工場は閉鎖される可能性が高いが、時期は未確定

以上の情報を総合すると、日産車体湘南工場は2027年度末までに閉鎖される可能性が高いと言えるでしょう。特に商用バン「AD」の2025年11月の生産終了が決定している点は、工場縮小の第一段階として注目すべきです。

ただし、閉鎖の具体的な時期については、日産自動車グループの経営状況や日産・ホンダの統合協議の進展、さらには自動車市場全体の動向によって変動する可能性があります。日産自動車の公式発表では、まだ湘南工場を具体的な閉鎖対象として明示していない点にも留意が必要です。

最後に:湘南地域の新たな可能性

湘南工場の閉鎖は地域経済に一時的な打撃を与えることは間違いありませんが、同時に新たな可能性を開く転機にもなり得ます。湘南エリアの高い生活環境の魅力と、東京・横浜へのアクセスの良さは、新たな産業誘致や地域開発の大きな利点となるでしょう。

私が生まれ育った大磯・平塚を含む湘南エリアには、自動車産業以外にも多様な産業の可能性があります。例えば、IT・デジタル産業のサテライトオフィス、観光・レジャー関連施設、研究開発拠点などは、湘南の環境と相性が良いと考えられます。

工場の閉鎖は終わりではなく、地域の新たな始まりと捉え、住民、行政、企業が一体となって湘南の未来を描いていくことが重要です。私たち「お急ぎニュースメディア OISO」も、地域に密着した情報発信を通じて、この転換期の湘南を応援していきます。

(注:本記事の内容は2025年5月14日時点の情報に基づいています。今後の発表や状況変化により、内容が変わる可能性があることをご了承ください。)