平塚の名物「ラオシャン」の店舗一覧について、湘南ソウルフード徹底解説

平塚市民なら誰もが知る湘南のソウルフード「ラオシャン」。今回は私の独断と偏見に加え、できるだけ多くの口コミや評判を参考にして、初めての方でも分かりやすいようにラオシャンの店舗情報をお届けします。平塚で「ラオシャン行こうよ」と誘われたら、返事の前にまず「どっちの店?」と聞き返すのが地元民流。それほど愛され続ける平塚のラーメン文化に迫ります。

「ラオシャン」は2つある!平塚タンメンの源流を知る

平塚で「ラオシャン」というと、実は全く別の2つの店舗を指します。「老郷(ラオシャン)本店」と「花水ラオシャン本店」です。同じ「平塚タンメン」という料理を提供していますが、経営も味も違います。

「老郷(ラオシャン)本店」の基本情報

  • 住所:神奈川県平塚市紅谷町17-23
  • 電話番号:0463-21-3658
  • 営業時間:11:30~22:00
  • 定休日:月曜日
  • アクセス:JR東海道本線 平塚駅西口から徒歩2分

「花水ラオシャン 本店」の基本情報

  • 住所:神奈川県平塚市花水台29-4
  • 電話番号:0463-36-0269
  • 営業時間:月〜水・金 10:45〜15:30、土・日・祝 10:45〜15:30、17:15〜20:30
  • 定休日:毎週木曜日、第2水曜日
  • アクセス:平塚駅からバス22番乗り場「花水台」下車徒歩1分

「老郷本店」と「花水ラオシャン本店」の歴史

創業と歴史

「老郷本店」は1957年(昭和32年)に岩間敏到氏が創業しました。一方、「花水ラオシャン本店」の創業年については諸説あり、1951年という情報もありますが、1963年創業という記述も見られます。

両店の関係性については、元々は同じルーツを持ちながらも、何らかの理由で分かれたとされています。地元平塚では、どちらも「平塚タンメン」のスタイルを確立した店として50年以上にわたり愛され続けています。

平塚タンメンの起源

平塚タンメンの誕生については、初代店主が戦時中に中国で過ごした経験がベースになっていると言われています。中国で様々な料理に酢を入れて食べる文化に触れたことがヒントとなり、日本に戻ってから独自の「タンメン」を考案したのだそうです。

「老郷本店」の特徴

メニュー構成とおすすめポイント

「老郷本店」のメニューは驚くほどシンプルです。基本的には「タンメン」「みそ麺」「餃子」の3種類のみで、2025年5月現在、タンメンは800円、餃子は400円となっています。

最大の特徴は、ワカメ、刻み玉ねぎ、メンマのみというシンプルな具材構成と、透明ながらも丹念に煮込まれた酸味のあるスープです。化学調味料を一切使わず、素材の持ち味を最大限に引き出した味わいは、一度食べるとやみつきになると評判です。麺はかん水を使わない白い細麺で、のどごしが特徴的です。

店内の雰囲気と客層

店内は厨房を囲むようにコの字型のカウンター席があり、奥にはテーブル席も設けられています。平日でも常に混雑しており、特に昼時は行列ができることもあるほどの人気店です。

客層は幅広く、地元の常連から観光客、老若男女問わず多くの人が訪れます。特筆すべきは女性客の多さで、一般的な「ラーメン店」と比べると女性の割合が高いようです。

メディア出演

「老郷本店」は多くのメディアで取り上げられています。日本テレビの「嵐にしやがれ」や「news every」、TBSの「王様のブランチ」、テレビ東京の「出没アド街ック天国」など、数多くの番組に出演しています。最新では2025年4月15日に「王様のブランチ」に出演したことが公式サイトで報告されています。

「花水ラオシャン本店」の特徴

メニュー構成とおすすめポイント

「花水ラオシャン本店」は「老郷本店」と比較してメニューが豊富です。タンメンの種類だけでも7種類ほどあり、基本の平塚タンメンの他、わかめタンメン、月見タンメン、チャーシュータンメン、キムチタンメン、ネギタンメンなど多彩なバリエーションが揃っています。

価格も2025年3月時点で基本タンメンが450円からとリーズナブルな設定で、コストパフォーマンスの良さが魅力となっています。スープには白ワインではなくリンゴ酢を使用しており、さっぱりとした味わいが特徴のようです。

アクセスと店内環境

「花水ラオシャン本店」は平塚駅から離れた住宅街にあるため、公共交通機関の場合はバスを利用することになります。店舗には小さいながらも駐車場が2台分用意されているため、車でのアクセスも可能です。

店内はカウンター席のみの構成となっており、地元の常連客が多く集まる親しみやすい雰囲気が特徴です。家族連れの利用も多いようです。

両店の比較:メリットとデメリット

「老郷本店」の良い点

  1. アクセスの良さ:駅から徒歩2分という立地は、観光や仕事で平塚を訪れた際に気軽に立ち寄れるメリットがあります。
  2. 伝統の味:創業以来変わらない味を守り続けており、平塚のソウルフードを本格的に味わいたい方におすすめです。
  3. シンプルなメニュー:メニューが少ないからこそ、ひとつひとつの完成度が高いという利点があります。
  4. メディア露出:多くのメディアで紹介されているため、知名度と信頼度が高いです。

「老郷本店」の悪い点

  1. 混雑:常に混雑しているため、特にランチタイムなどは長時間待つこともあるというデメリットがあります。
  2. メニューの少なさ:バリエーションを求める人にはおすすめできないかもしれません。
  3. 駐車場なし:車で来店する場合は近隣のコインパーキングを利用する必要があるという欠点があります。

「花水ラオシャン本店」の良い点

  1. 豊富なメニュー:様々な種類のタンメンがあり、複数回訪問しても違った味を楽しめるというメリットがあります。
  2. リーズナブルな価格:基本タンメンが450円からとコストパフォーマンスが高いのが利点です。
  3. 駐車場あり:少数ながら専用駐車場があり、車での来店が便利です。
  4. 夜間営業:土日祝は夜も営業しているため、仕事帰りにも利用できるおすすめポイントです。

「花水ラオシャン本店」の悪い点

  1. アクセスの悪さ:駅から遠いため、公共交通機関でのアクセスが不便という欠点があります。
  2. 営業時間の複雑さ:曜日によって営業時間が異なるため、事前確認が必要です。
  3. 立地の分かりにくさ:住宅街の中にあるため、初めての人は場所を見つけるのに苦労することがあるというデメリットがあります。

平塚タンメンの楽しみ方

独特の味わい

平塚タンメンは一般的な野菜たっぷりのタンメンとは全く異なります。透明で酸味のあるスープと白い細麺が特徴で、見た目は一見するとそうめんや素麺のような印象を受けるかもしれません。

スープには酢または酸味成分が含まれているため、さっぱりとした後味が特徴です。「老郷本店」では酢と白ワインを使用し、「花水ラオシャン本店」ではリンゴ酢を使用しているとされています。

正しい食べ方

平塚タンメンの定番の食べ方として、最初はそのままの味を楽しみ、途中から卓上にあるラー油を加えて味の変化を楽しむ方法があります。

ラー油を入れることで、さっぱりとした酸味のあるスープに香ばしさと辛味が加わり、全く異なる味わいになります。また、好みに応じて酢を追加して酸味を強めるのも地元民に愛される食べ方の一つです。

湘南ならではのエピソード

平塚の七夕まつりと「ラオシャン」

平塚といえば、日本三大七夕まつりの一つである「平塚七夕まつり」が有名です。毎年7月に開催される際には、市内のレストランや飲食店が大賑わいとなりますが、「ラオシャン」もその例外ではありません。

地元の人たちにとって、七夕まつりの前後に「ラオシャン」でタンメンを食べるのは恒例行事となっています。特に「老郷本店」は駅前にあるため、祭りの来場者で連日満席になることも珍しくありません。

湘南ベルマーレサポーターと「ラオシャン」

平塚はJリーグの「湘南ベルマーレ」のホームタウンでもあります。ホームゲームが行われる日には、多くのサポーターが試合前後に「ラオシャン」を訪れます。特に「花水ラオシャン本店」は地元サポーターに人気があり、SNSでの投稿も頻繁に見られます。

最新情報(2025年5月時点)

「老郷本店」の最新情報

「老郷本店」では2025年4月15日にTBS「王様のブランチ」に出演したとの報告がありました。また、タンメンの価格は近年の物価上昇の影響を受け、以前の550円から現在は800円に値上げされています。

「花水ラオシャン本店」の最新情報

「花水ラオシャン本店」でも2025年5月のGW明けに価格改定があったという情報があります。詳細な価格については公式発表はありませんが、口コミによるとタンメンの基本価格が値上がりしたようです。

おすすめの人・おすすめできない人

「老郷本店」がおすすめな人

  • 平塚駅から徒歩圏内で食事をしたい人
  • 伝統の本場の味を堪能したい人
  • シンプルで奥深い味わいを求める人
  • メディアでも紹介された有名店で食べたい人

「老郷本店」をおすすめできない人

  • 行列や待ち時間を避けたい人
  • タンメンのバリエーションを求める人
  • 車で訪れて店舗前に停めたい人
  • 酸味の強いスープが苦手な人

「花水ラオシャン本店」がおすすめな人

  • 車でのアクセスを希望する人
  • リーズナブルな価格で食事をしたい人
  • タンメンのバリエーションを楽しみたい人
  • 地元の隠れた名店を探している人

「花水ラオシャン本店」をおすすめできない人

  • 電車のみで移動する観光客
  • 駅周辺だけで平塚を楽しみたい人
  • 夜間(土日祝以外)に食べたい人
  • 店の場所を探し回るのが面倒な人

地元民だからわかる「ラオシャン」の豆知識

平塚市民の「ラオシャン派閥」

平塚市民の間では「老郷派」と「花水派」に分かれるほど、どちらのタンメンが好きかで意見が分かれることがあります。子どもの頃から親に連れられて通ったお店の味が懐かしいという理由で好みが固定されている方も多いです。

テイクアウトメニューについて

「老郷本店」では「おみやげ1箱(タンメンセット2人前)」が1,100円で販売されています。スープ、ラー油、ワカメ、タマネギ、メンマがセットになっており、家庭で老郷の味を楽しめます。

「花水ラオシャン本店」でも持ち帰りメニューが用意されており、月〜水・金は17時まで対応しているようです。

老郷タンメンと平塚の歴史

「老郷本店」はすでに創業から60年以上が経ちますが、その間に平塚の街も大きく変化しました。特に海沿いの工業地帯の発展やJR平塚駅周辺の再開発などが進んだ中で、変わらぬ味で営業を続けてきました。

「平塚タンメン」というジャンルが生まれ、守り続けられてきたことは、平塚の食文化の歴史としても貴重なものです。

まとめ:平塚を訪れたら必食の「ラオシャン」

平塚の「ラオシャン」こと「老郷本店」と「花水ラオシャン本店」は、どちらも60年以上の歴史を持つ老舗店です。元祖とされる「老郷本店」は駅前という好立地で、メディアにも多く取り上げられている有名店。「花水ラオシャン本店」は住宅街の中にありながら、バリエーション豊かなメニューと手頃な価格で多くのファンに支持されています。

平塚タンメンの独特の味わいは、一度食べると忘れられないものとなるでしょう。酸味のあるさっぱりとしたスープと白い細麺の相性は抜群で、ラー油を加えることでまた違った味わいを楽しめることもおすすめポイントです。

平塚を訪れた際には、ぜひとも「老郷本店」と「花水ラオシャン本店」の両方を食べ比べて、自分好みの「ラオシャン」を見つけてみてはいかがでしょうか。平塚市民がこよなく愛する「ラオシャン」は、湘南エリアを代表するソウルフードとして、これからも多くの人々に親しまれていくことでしょう。

私自身、神奈川県大磯生まれ平塚育ちとして、幼い頃から親に連れられて「ラオシャン」に通った思い出があります。特に中学校の部活動の帰りに仲間と「老郷本店」に立ち寄ったこと、高校時代にはバイクで「花水ラオシャン本店」まで足を伸ばしたことなど、思い出は尽きません。

平塚の街の変化とともに歩んできた「ラオシャン」ですが、その味は変わらず、今も多くの人々に愛され続けています。湘南を訪れた際には、ぜひ「ラオシャン」の独特なタンメンを味わってみてください。きっと忘れられない味の思い出になることでしょう。

(長嶋 駿/お急ぎニュースメディア OISO 編集長)