善通寺市の幼稚園・保育所をめぐる再編と現場の安全対策―地域と子どもの未来を考える

2025年8月、香川県善通寺市では、市内の幼稚園や保育所の再編に向けた動きが本格化しています。同時期、熊本県では保育園・幼稚園の先生たちが、火災や水の事故発生時の対応方法を学ぶ研修が行われるなど、幼児教育現場では「安全な環境」と「持続可能な運営体制」の両立が問われています。本記事では、こうした動きの背景や現場の様子、市民や保護者の声、そして今後の課題について、できるだけやさしく、詳しく解説します。

善通寺市:幼稚園・保育所の再編に関する中間報告書が市長に提出

善通寺市では、市内の小中学校・幼稚園・保育所における再編整備に向けて、「善通寺市学校等再編整備検討委員会」が中心となり、議論が進められてきました。2025年8月には、再編に関する中間報告書が市長に提出されました。市が目指しているのは、「こども園」への一本化なども含めた、より効率的で利用しやすい保育・幼児教育施設の整備です。

この中間報告書では、

  • 市内保育所・こども園の現状把握
  • 園児数の予測
  • 認定こども園化した場合の運営費や建設費の試算
  • 再編によるメリット・デメリット

などについて、詳しくまとめられています。再編の背景には、少子化や施設の老朽化、運営コストの増加、人材確保の難しさなどさまざまな課題があり、これらに対応するために今後さらに詳細な計画が議論されます。

善通寺市で進む「認定こども園」への再編・統合とは?

近年、共働き家庭の増加や育児環境の多様化によって、保育所型・幼稚園型の「認定こども園」の需要が高まっています。認定こども園は、保育所と幼稚園の両方の機能を兼ね備え、保護者が働いている・いないに関わらず子どもを預けることができることが特徴です。

善通寺市の試算によると、

  • 既存の施設・職員を有効活用しながら効率化を図る
  • 待機児童の解消
  • 広い年齢層の子どもたちが一緒に過ごすことで多様な学びと育ちを支援
  • 親のニーズに柔軟に対応できる運営体制の構築

などの目的が掲げられています。

一方で、

  • 大規模化による保護者の送迎負担
  • 馴染みのある環境の変化への不安
  • 地域ごとの特色や小規模ならではのきめ細かな保育・教育の喪失懸念

といった、地域や保護者の立場からみた懸念も示されています。

子どもの「安心・安全」を守る―熊本の事例から

同じ2025年夏、熊本県内では保育園・幼稚園の先生たちが、火災や水の事故発生時の対応方法を学ぶ研修会が取り組まれています。保育現場では、幼い子どもたちの命と健康を守るために、日ごろから危機管理体制の強化が求められています。

  • 火災発生時の緊急避難誘導
  • 水辺やプール活動中の事故発生時の応急対応
  • 災害時の正確な情報伝達や連携体制

研修では、実技を中心にした訓練も重ね、「もしも」の場面に迅速かつ的確に対応できる力が高められました。こうした取り組みが日々の保育現場の安全につながる一方で、人手不足や経験格差も課題となっています。また、地域によっては水害など自然災害のリスクが増加しており、保育士・教職員一人ひとりのスキルアップが重要視されています。

現場の先生や保護者の声

再編や安全対策の動きについて、現場の先生や保護者からはさまざまな意見が寄せられています。

  • 「一緒に学ぶ仲間が増えるのは楽しみ。でも、先生の数や目が行き届くか心配」(保護者)
  • 「施設が新しくなれば安全面も強化できる。子どもたちの居場所が守られる環境づくりにも期待したい」(園長)
  • 「平日の送り迎えの負担が増える可能性があるので、交通安全をさらに考えてほしい」(保護者)
  • 「火災や水害対策について、さらに研修や防災設備を充実させたい」(保育士)

特に、都市部と地域部で保育の需要や保護者の声に差があり、「地域の実情にあわせた柔軟な対応」と「現場の声を反映した制度設計」が社会から強く求められていることが分かります。

市民参加とオープンな議論の重要性

市や関係機関では、市民参加型のワークショップや、保護者説明会を通じて、広く意見を募る動きが始まっています。不安や疑問をそのままにせず、意見交換や情報共有を重ねることで、より納得感のある再編・安全対策の実現を目指しています。

  • 市のウェブサイトや情報誌で随時進捗が公開
  • 再編整備検討委員会も定期的に開催。議事録も公開されている
  • 説明会の質疑応答も記録・公表

行政と市民、保育・幼児教育の専門家が一緒になって「子どもの最善の利益」を考えるための仕組みづくりが、今まさに問われています。

今後の課題と展望

善通寺市に限らず、今後の日本の幼稚園・保育所運営には、大きな課題があります。

  • 人口減少・少子化による園児数の減少
  • 施設や設備の老朽化
  • 働き方改革や保育士確保の難しさ
  • 多様な家庭ニーズ(共働き、ひとり親、外国籍家庭など)への対応
  • 災害や事故から子どもたちを守るための体制強化

再編によって効率化だけでなく、子どもが安心して育つことができる「地域の居場所づくり」現場の専門性向上、さらには保護者の就労や生活を支える体制の充実が求められています。また、災害対策や緊急時対応の強化、教職員や保育士が「働きやすい・働きがいのある職場」となるための支援策も欠かせません。

こうした変革は一朝一夕には実現しませんが、「子どもたちのいのちと育ち」を最優先に、多様な声に耳をかたむけながら、一歩一歩着実に進めていくことが、今後の日本社会にとって極めて重要なテーマとなっています。

参考元