新型コロナ変異株「ニンバス」が猛威――愛知県第12波、新学期に向けた感染対策を徹底

はじめに

新型コロナウイルス(COVID-19)は2025年夏、国内外で新たな局面を迎えています。特にオミクロン系統から派生した新変異株「ニンバス」(NB.1.8.1)が猛威を振るい、第12波を警戒する地域が広がっています。本記事では、8月下旬時点の感染状況や新型ウイルスの特徴、症状、そして新学期を迎えるにあたり重要な感染対策について、最新情報をもとにやさしく解説します。

新型コロナ感染拡大の状況(2025年8月)

  • 全国的に感染拡大傾向
    厚生労働省の報告によると、2025年8月上旬から8週連続で感染者数が増加。特にお盆休みや夏休みで人の往来が増え、感染の拡大が懸念されています。定点医療機関あたりの報告数も増加し、同年8月4日~10日には1医療機関あたり6.13人の感染が確認されています。
  • 愛知県で第12波の警戒
    愛知県では、新型コロナウイルス感染者が増加し、大村知事は「第12波」に入ったとの危機感を表明しています。その背景には「ニンバス株」をはじめとした新たな変異株の広がりがあります。

新型コロナ変異株「ニンバス(NB.1.8.1)」について

  • どんなウイルス?
    ニンバス(NB.1.8.1)はオミクロン株のXDEやJN.1から派生した「XDV」系統で、2025年1月に初めて報告されました。その後、急速に広まり国内感染の約40%を占めています。WHOは2025年5月に「注目すべき変異株(VUM)」に指定しています。
  • 感染力がさらに強く
    ニンバス株は従来のオミクロン株より実効再生産数(伝播力)が高く、免疫回避性もやや高いと評価されています。ワクチンや過去の感染による抗体で一定の中和は可能ですが、感染の広がるスピードが速いことが特徴です。
  • 重症化リスクは?
    感染力は強いものの、現在のところ重症化リスクが特段高いという報告はありません。過去の株と比べて大きな差はないとされており、適切な治療や早期対応で重症化の防止が可能です。

ニンバス株の主な症状:「カミソリを飲んだような」喉の痛み

  • 最も多い症状は「強い喉の痛み」
    患者の多くが「カミソリを飲み込んだような」「ガラスの破片を飲み込むような」と表現するほどの非常に強い喉の痛みを訴えています。唾を飲み込むだけで激痛を感じたり、焼けるような喉の痛みが特徴です。
  • 他の症状
    38度以上の発熱、倦怠感、咳などが伴う場合も多く、「ただの風邪」とは異なる感覚があると報告されています。
  • 重症化や入院は多い?
    喉の痛みで受診されるケースが増えていますが、重症化率自体は過去の株と大きく変わらず、高齢者や基礎疾患を持つ方は注意が必要ですが、大半は適切な治療で回復しています。

酷暑と感染拡大――夏の過ごし方に注意

  • 2025年夏は猛暑となり、マスク着用や換気といった対策が体力に影響を与えるケースも報告されています。熱中症に注意しながら、密閉空間の回避やこまめな水分補給を心がけましょう。
  • どうしても暑さでマスク着用が難しい場合、人込みを避け、必要時のみの着用を徹底してください。

新学期シーズン――子どもや家庭での予防対策

  • 子どもにも感染が広がる傾向が見られます。学級閉鎖になるケースも報告されているため、新学期前後は特に注意が必要です。
  • 家庭や学校でできる感染予防のポイント

    • 手洗い・うがいの徹底
    • 人込みや密閉空間を避ける
    • 発熱や喉の痛みがあれば無理をせず休む
    • 学校や職場での健康管理・体調確認に協力
    • 換気を十分に行い、エアコン使用時も時々窓を開ける
    • 高齢者や基礎疾患のある家族がいる場合は、特に感染予防を意識する
  • 受診のタイミングは?
    喉の痛みや高熱が続く場合、自己判断せずかかりつけ医や診療機関に早めに相談しましょう。ニンバス株では強い喉の痛みが多く、我慢せず抗ウイルス薬や対症療法の開始が重要です。

今後の見通しと注意点

  • 今夏の流行中心となっているニンバス株ですが、現在(2025年8月時点)では重症化例が爆発的に増加しているわけではありません。しかし感染者数自体は今後も増加が予想されるため、引き続き感染対策を徹底しましょう。
  • ワクチン接種済みの方でも罹患するケースが確認されていますが、重症化リスクが低減されているという報告があります。追加接種が推奨される場合は積極的に検討してください。

まとめ――一人一人ができる感染対策を

新型コロナウイルスの新たな変異株「ニンバス」(NB.1.8.1)の流行により、第12波が警戒されています。強い喉の痛みが特徴で、今後も全国規模で感染が拡大する見込みがあります。
新学期を迎える皆さんやご家族は、「うがい・手洗い・早期受診・無理をしない」を心がけ、地域や学校・職場での感染防止に努めてください。酷暑に気を配りつつ、安全な生活を送るための工夫も大切です。一人ひとりの行動が、皆の安心と健康につながります。

参考元