新潟県内のダム水位低下と水不足の影響拡大について
2025年8月5日現在、新潟県内では多数のダムの貯水率低下により深刻な水不足が続いています。特に五泉市の早出川(はやでがわ)ダムは貯水率が0%に達し、農業用水や地域の生活用水確保が大きな課題となっています。
五泉市・早出川ダムの貯水率0%、緊急放流も限界に
8月4日の時点で、早出川ダムの貯水率は0%に落ち込み、このダムは農業用水だけでなく治水や発電の役割も果たしています。しかし雨量の著しい減少により水が枯渇し、周辺のコメ農家からはダムからの水を止めないよう要望が上がっています。現在はダムの底に残る僅かな水を緊急放流しているものの、これも数日しかもたない状況です。小泉進次郎農林水産大臣も現地を視察し、「必要なら給水車を出す」など迅速な支援と渇水対策を約束しました。
上越市の正善寺ダム、貯水率は10%台で推移
新潟県の中でも特に注目されている上越市の正善寺(しょうぜんじ)ダムでは、8月1日から4日までの貯水率は11.9%から10.7%へと徐々に減少傾向にあります。8月4日の時点で貯水量は約29万立方メートルとかなり低水準で、今後の水の使用制限や節水の呼びかけが継続されています。具体的には浄水場ごとの配水量も管理され、市民・事業者に対して節水協力が求められています。
笹ヶ峰ダムは比較的安定も水位は低下傾向
一方、関川流域にある笹ヶ峰ダムは8月4日時点で貯水率64.5%と他のダムと比べるとまだ余裕がありますが、連日水位はわずかに低下しており、今後の雨量次第で更なる悪化が懸念されています。河川の流量は毎秒約20立方メートルとなっているものの、過去の通常水準からは低い状態が続いています。
地域での具体的な水不足対策と支援策
上越市では渇水に伴い、市内の給水スポットを拡充し、生活用水の確保に力を入れています。8月5日現在、全ての給水スポット情報をまとめて市のホームページ等で公開し、市民が便利に利用できるよう呼びかけています。
また、上越市にある温泉施設「門前の湯」では、渇水の影響を受ける市民の負担軽減のため、平日のみ無料開放を始めました。初日には650人の対象者が利用し、暑い夏の日の水分補給や休憩の場として活用されています。こうした地域の支援策は、水不足の中での暮らしを支える貴重な取り組みとなっています。
背景と今後の見通し
今年7月の新潟県は平年のわずか2%程度の降水量にとどまり、例年にない少雨が続く異常気象となっています。このため県内の多くのダムが著しい貯水率低下を示し、特に農業用水の確保が最大の懸念材料です。稲作が盛んな新潟県では、水が不足すると収穫量減少のリスクが高まり、地域経済にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
国や県、市町村が連携し、給水車の派遣や節水呼びかけ、生活支援施設の運営など多面的な対策を講じていますが、根本的な解決には降雨回復が不可欠です。今後も気象情報に注視しつつ、市民一人ひとりによる節水や適切な水使用が求められます。
市民の節水協力が鍵に
新潟県内のダム貯水率低下は8月に入りさらに深刻化傾向にあります。現時点で貯水率が10%を切るダムも存在し、これ以上の水不足は生活や農業に直接的な影響が大きくなります。市や県の呼びかけに応じ、市民の皆様には引き続き節水を心がけていただきたい状況です。
- 雨の少ない日が続くため、家庭での水の無駄遣いを控える
- 給水スポットを積極的に利用し、必要な水を確保する
- 農業用水の効率的使用を進めるための情報提供に注意する
この夏の渇水対策は、新潟県内の水資源を守るための大切な取り組みとなっています。