宮崎県で「隠れインフルエンザ」が急増、例年の9倍規模の流行に―基礎から対策・最新の症状傾向を丁寧に解説
はじめに
2025年秋、宮崎県内でインフルエンザの患者数が例年と比較して異例の増加を見せています。厚生労働省ならびに宮崎県の感染症発生動向調査によると、「例年同時期の約9倍」となる規模で流行が継続しており、医師や保健所は感染対策の徹底を強く呼びかけています。
また、全国的にも初期症状が軽い「隠れインフル」の増加や新型コロナウイルス、その他感染症とのトリプル感染への警戒が急速に高まっています。この記事では、今季のインフルエンザ流行の特徴、感染拡大の背景、具体的な症状、対策方法について、やさしい言葉で解説します。
宮崎県で猛威をふるうインフルエンザ流行の実態
- 宮崎県内のインフルエンザ患者数は、2025年10月6日〜10月12日の集計時点で報告定点あたり3.21人。前年同時期の数値0.89人と比較して、約3.6倍という急増を示しています。
- この時期としては全国的にも非常に高水準であり、宮崎県は特に西日本の中でも高い報告数となっています。
- 患者の年齢別分布では15歳未満の子どもたちが約7割を占めていますが、高齢者の重症化リスクも専門家は強調しています。
なぜ患者数が「例年同時期の9倍」に？急増の要因
- 感染症対策意識の低下：マスク着用や手指消毒など、日常的な感染予防策の緩み。
- 季節変動要因：急な気温変化や乾燥により、ウイルスが広がりやすい環境に。
- 学校・社会活動の活性化：行事やイベントによる接触機会の増加。
- 新型コロナとの同時流行：症状が似ていて見分けがつきにくく、医療機関の対応も難しくなっている。
今季は「隠れインフル」も問題に―よくある症状と新たな傾向
見過ごされやすい軽症ケースや無症候性感染の増加が特徴です。従来のインフルエンザとは異なる“気づきにくい症状”も増えており、“隠れインフル”という言葉がニュースでも取り上げられています。
- 発熱が微熱、あるいは発熱のないケースも多数
- 咳・のどの痛み、鼻水、全身のだるさなど、軽い風邪症状にとどまることも
- 無症状のまま家庭や職場、学校でウイルスを拡げてしまう事例も懸念されています
＜通常よく見られる症状＞
- 急な高熱（38度以上）
- 全身倦怠感、関節痛、筋肉痛
- 咳、鼻水、のどの痛み
- 食欲低下、悪寒や寒気
最新の流行では、これらすべての症状がそろわない、もしくは非常に軽微なケースでもウイルスの排出が強いとの指摘が複数の医療機関から寄せられています。
インフルエンザと他の感染症―複数同時流行のリスク（トリプル感染）
今季の大きな特徴は、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、その他のウイルス疾患（例：リンゴ病やRSウイルス等）が同時に流行している点です。
- 福岡県などではリンゴ病（伝染性紅斑）の長期的な警報が続いており、インフルと重なる形で増加しています。
- 複数のウイルスに同時感染すると、重症化リスクが増すだけでなく、診断や治療の難易度も上がります。
- 特に小児や高齢者、基礎疾患を持つ方は細心の注意が必要です。
インフルエンザを広げないための基本的な感染対策
- 体調が悪いときは外出を控える・早めの受診を
- マスク着用・こまめな手洗い／手指消毒
- 十分な睡眠とバランスのよい食事で免疫力を高める
- 流行期の不要不急の集まりを控える
- 咳エチケットの徹底：咳やくしゃみをする時は口と鼻を押さえる
- 定期的な換気と湿度管理（50〜60％を保つと感染リスク減少）
- 流行地域ではワクチン接種も推奨
- 学校や職場での集団感染を早期に察知し、医療機関と連携すること
宮崎県では県内の学校や教育施設でも積極的な予防対策の指導が行われています。「手洗い・うがい・マスク着用」は子どもたちにも分かりやすく徹底されています。
インフルエンザにかかったかも…どう行動すべき？
- 発熱や体のだるさ、咳・のどの痛みなどインフルエンザの可能性があれば、無理して登校・出勤をしない
- 医療機関を受診し、早期に診断と治療（抗インフルエンザ薬）を受ける
- 家庭内でも家族で部屋を分ける・マスクをつけるなど二次感染の予防を
- 解熱後も2日間は外出を控えるのが基本的なルール
- 予防接種は感染拡大期でも一定の効果があるため、未接種の方は要検討
注意！感染症流行期の「医療ひっ迫」に備える
患者数の爆発的増加により、医療機関の混雑や受診困難なケースが想定されます。高熱など重症化リスクが高い方、小児、高齢者はまずかかりつけ医に電話で相談し、指示を仰ぐのが望ましいです。
不要不急の外来受診や救急外来への集団駆け込みを控えることも重要とされています。症状が軽い場合には市販の解熱剤や水分補給、安静第一で経過観察することも検討しましょう。
最近の報告事例と地域別の流行状況
- 2025年10月第2週時点、宮崎県で報告されたインフルエンザ患者は90人（定点当たり3.21人）。この数値は昨年同期に比べて約3.6倍。
- 全国でも沖縄県など一部地域では大流行警報レベルに達しており、宮崎県でも警戒レベルが続いている。
- 福岡県では「伝染性紅斑（リンゴ病）」が23週連続警報中であり、インフルエンザ患者も増加中、九州内全域で複数感染症の継続的監視が重要となっています。
おわりに
この秋〜冬はこれまで以上の感染対策が社会全体に求められています。ひとりひとりがインフルエンザの症状と対策を理解し、うつされない・ひろげない行動を心がけましょう。
最新の患者発生状況や流行警報は、宮崎県のホームページや医療機関、保健所から定期的に情報を得ましょう。体調不良時は無理をせず、まずかかりつけ医に相談してください。
感染症流行は刻々と状況が変化します。個人・家庭でできる対策を丁寧に続け、地域全体で支え合ってインフルエンザ流行をのりこえましょう。
