国本梨紗さんも呼びかけ 「110番の日」を前に広がる“正しい通報”の輪
1月10日の「110番の日」を前に、全国各地で、警察による110番の適正利用を呼びかける取り組みが広がっています。
神奈川県警と警視庁による合同の啓発、北海道の道東地域でのキャンペーン、そして過去最多となった沖縄の110番通報状況など、「緊急電話110番」を巡る現状と課題が、あらためて注目されています。
この記事では、バラエティ番組などで活躍するタレント国本梨紗さんの名前も交えながら、「110番の日」をきっかけに進む啓発の動きを、わかりやすく整理してお伝えします。
「110番の日」とは? なぜ毎年キャンペーンが行われるのか
「110番の日」は、毎年1月10日に設けられている記念日です。
「1・1・0」という番号を覚えやすくするとともに、「本当に緊急のときに、すぐ110番がつながる環境を守る」ことを目的として、各地の警察が集中的に広報・啓発活動を行っています。
たとえば神奈川県警では、駅前の通路や広場で、警察官やマスコットキャラクターが市民と直接触れ合う形のイベントを開催し、110番は事件・事故など、警察への緊急通報専用電話であることを丁寧に伝えています。
「盗難・けんか・交通事故」など、いざというときに冷静に通報してもらえるよう、現場では子ども向けの制服試着やミニ白バイ体験なども行われ、家族で学べる場づくりが進められています。
神奈川県警と警視庁が連携 首都圏で広がる啓発の輪
神奈川県警と警視庁は、交通安全や防犯の分野で、日頃からさまざまなキャンペーンを合同で実施しています。
「110番の日」も例外ではなく、首都圏の主要駅やイベント会場などで、110番通報の適正利用をテーマにした広報活動が展開されています。
警視庁がまとめた資料では、「110番の日キャンペーン」において、110番と警察相談ダイヤル(#9110)の有効活用を広く周知していることが明記されています。
「困ったときは、全部110番」ではなく、「命や身体に危険が迫る緊急時は110番」「相談ごと・急がないトラブルは#9110」という役割分担を、市民にわかりやすく伝えることが狙いです。
また、横浜市内などでは、110番通報の適切な利用を訴える地域安全キャンペーンが「110番の日」に合わせて開催されており、地元の商店街や自治体と連携した啓発も行われています。
防犯キャンペーンや痴漢防止キャンペーンなどと組み合わせる形で、日常の暮らしの中に「正しい110番」の意識を根付かせようとする取り組みも進んでいます。
国本梨紗さんの名前も 若い世代に届けたい「110番」のメッセージ
バラエティ番組や情報番組で活躍する国本梨紗さんは、10代・20代を中心に人気を集めるタレントです。
SNSや動画配信サービスが当たり前になった世代にとって、テレビやネットに同時に登場する若いタレントの発信力は非常に大きなものがあります。
警察による110番啓発の現場でも、近年は、若い世代に届く言葉・表現の必要性が指摘されています。
痴漢防止アプリなど、スマートフォンを活用した通報手段が導入される中で、中高生や大学生にも「いつ、どの番号に、どう連絡すればいいか」を、身近に感じてもらうことが課題となっているためです。
国本梨紗さんのような、等身大のキャラクターを持つタレントが、「迷ったら#9110、危ないと感じたら110番」といったメッセージを伝えることで、若い世代にもすっと届く啓発につながると期待されています。
学校や地域イベント、オンライン配信など、さまざまな場面で、タレントやインフルエンサーと連携した情報発信が広がっていく可能性があります。
110番通報のポイント 落ち着いて、伝えるべき6つのこと
神奈川県警のウェブサイトでは、110番通報をする際に落ち着いて伝えるべき6つのポイントが紹介されています。
- 何がありましたか(事件名):盗難、けんか、交通事故など、起きていることの種類を伝える
- いつですか(発生時間):何分くらい前か、今も続いているのかを伝える
- どこですか(発生場所):番地や近くの建物、目立つ目標物などを伝える
- 犯人の特徴・逃走手段:服装、年齢の印象、車の色・ナンバー、逃げた方向など
- 今どうなっていますか(状況):けが人の有無、火が出ているかどうかなど、現場の状態
- あなたのお名前と連絡先:通報者の住所・名前・電話番号など
現場の警察官が一刻も早く到着できるよう、場所の情報は特に重要です。
近くの交差点名やコンビニ、学校名など、パッと思い出せる「目印」を日頃から意識しておくことも、「いざ」というときに役立ちます。
北海道・根室と中標津でも 地域密着の啓発が進む
道東エリアでは、根室警察署と中標津警察署が合同またはそれぞれに、「110番を正しく利用しましょう」と呼びかける啓発活動を展開しています。
買い物客が集まる商業施設や、地域のイベント会場などにブースを設け、チラシ配布やパネル展示を通じて、市民に110番の役割や、適正利用の重要性を伝えています。
人口が比較的少ない地域では、顔の見える関係の中で「何かあったら、すぐ110番を」と声をかける一方で、「困りごとや相談は、警察相談ダイヤルや最寄りの交番・駐在所へ」と案内することが大切になります。
特に高齢者の多い地域では、「どこに電話すればいいのか分からない」という声も根強く、日常の見守りの中で、丁寧な周知が求められています。
沖縄の110番は過去最多 4年で約10万件増加の背景
沖縄県では、2025年の110番通報受理件数が約26万8000件と、統計開始以来の過去最多を記録しました。
4年間でおよそ10万件も増えた形となり、「県民一人ひとりの防犯意識の高まり」と同時に、「通報の集中による現場対応の負担増」も課題として浮かび上がっています。
また、「警官一人当たりの110番件数」が全国トップとなっていることも伝えられており、限られた人員で多くの通報に対応せざるを得ない厳しい状況がうかがえます。
このため沖縄県警は、「不要不急の相談は#9110へ」と、番号の使い分けを一層強く呼びかけています。
たとえば、「近所の騒音が気になる」「過去のトラブルを相談したい」といったケースは、110番ではなく警察相談ダイヤルが適切とされます。
一方、「激しい言い争いが続いていて、暴力沙汰になりそう」「交通事故が発生し、けが人がいる」といった状況は、ためらわず110番の対象です。
なぜ「適正利用」が大事なのか 国本梨紗さん世代にも伝えたいこと
110番通報の適正利用が重視される最大の理由は、「本当に命に関わる緊急事案に、素早く対応するため」です。
一つひとつの通報に丁寧に対応しようとするほど、不要不急の通報が増えると、オペレーターや現場の警察官に大きな負担がかかり、結果として「助けを必要としている人」への対応が遅れてしまうおそれがあります。
特に、スマートフォン世代である国本梨紗さんと同世代の若者は、「困ったらまず検索」やSNSでの拡散に慣れている一方で、「どの番号に電話をするべきか」という感覚は、意外と身についていないこともあります。
だからこそ、学校教育やメディア、タレントによる発信を通じて、
- 命や身体に危険が迫るときは、ためらわず110番
- 相談ごと・トラブルの整理には、#9110などの相談窓口
- 日頃から、住んでいる地域の住所や目印を家族で共有しておく
といった「3つの基本」を、わかりやすく伝えていくことが大切だといえます。
家庭で話し合いたい「もしものとき」の行動
110番の日をきっかけに、家族や友人同士で次のようなテーマを話し合ってみるのも、有意義な時間になります。
- 自宅の正確な住所や、近くの目印を言えるかどうか
- 通学路・通勤路で「危ないな」と感じる場所がないか
- 夜道や電車内で不安を感じたとき、どう行動するか
- スマホの「緊急通報」機能を家族全員が使えるか
国本梨紗さんのように、若い世代のロールモデルとなる人たちが、番組やSNSで「家族で話してみてね」と一言添えるだけでも、多くの家庭での会話のきっかけになります。
日常の何気ない時間の中で「もしものとき」の行動を共有しておくことが、結果として命を守ることにつながります。
「正しく、ためらわず」110番を 私たち一人ひとりにできること
110番は、私たちの暮らしを守るための大切な緊急電話です。
一方で、その回線と人員には限りがあり、一件一件の通報を受けるたびに、現場では真剣な判断と対応が求められています。
神奈川県警や警視庁、北海道の各署、そして沖縄県警など、全国の警察が一斉に呼びかけているのは、「正しく、そしてためらわずに110番を使ってほしい」というメッセージです。
「これは110番でいいのかな」と少しでも迷ったときには、家族や友人と日頃から話し合っておくこと、そして「相談ごと」は#9110などの窓口もあることを覚えておくと安心です。
国本梨紗さんのような若い世代のタレントの力も借りながら、どの世代にもわかりやすい110番のルールを広めていくことが、これからの大きな課題でもあります。
110番の日を前に、あらためて自分自身の行動を見直し、「本当に困った人に、きちんと回線を空けておく」という、ささやかな心がけを共有していきたいところです。



