山形大学、南米ペルーのナスカ台地で新たに248点の地上絵を発見
2025年7月28日、南米ペルーのナスカ台地に描かれた世界的に有名な「ナスカの地上絵」について、山形大学の坂井正人教授率いる研究グループが新たに248点の地上絵を発見したことを発表しました。これらの新発見は、同日大阪・関西万博の会場で公開され、今後の地上絵研究に大きな影響を与えることが期待されています。
ナスカの地上絵とは?
「ナスカの地上絵」は、南米ペルーの乾燥地帯にあるナスカ台地に描かれた巨大な線画の総称です。数千年前に先住民が地面を削って描いたこれらの図形は、動物や人間、幾何学模様など多彩なモチーフで知られ、一部は100メートル以上の巨大なサイズを誇ります。長い間、その目的や意味について多くの謎が残されてきました。
山形大学の長年の研究とAI技術の活用
山形大学は2004年からこの地上絵の研究に取り組み、これまでに500点以上の地上絵を発見・確認しています。今回の発見は、最新技術である人工知能(AI)を活用した点に特徴があります。現地調査に先立ち、AIを使って地上絵の可能性が高い場所を絞り込むことで効率的かつ精度の高い調査が可能となりました。
新発見の地上絵の特徴
- 発見された248点のうち、約160点は動物や人間を描いた具象的な地上絵であることが確認されました。
- かわいらしいネコの姿など、多様なモチーフが含まれていることが話題となっています。
- これらの新しい地上絵は、従来のものと比較してもさまざまなテーマやストーリー性を持っていると考えられ、今後の地上絵の意味解明への手掛かりになると期待されています。
大阪・関西万博での展示と今後の研究展望
今回の研究成果は2025年の大阪・関西万博のペルー館にて、写真や映像で紹介されます。多くの来場者がこの神秘的な文化遺産の新たな発見を目にすることで、ナスカ地上絵への関心と理解が一層深まるでしょう。
坂井教授は「今回の発見は地上絵が単なる古代のアート作品ではなく、メッセージ性や物語性を持つ文化的な表現であることを示す重要な手掛かりである」と述べ、引き続きAI技術の活用とフィールド調査を組み合わせて研究を進めていく意向を示しています。
ナスカの地上絵研究の意義
ナスカの地上絵は、世界遺産としてだけでなく、古代文明の文化や信仰、社会構造を理解するうえで貴重な資料です。今回の新発見は、地上絵の数と多様性を大幅に増やし、その歴史の深さや意味の広がりに新たな光を投げかけるものです。
今後も山形大学の研究が進むことで、ナスカの地上絵にまつわる謎が一つひとつ解明され、世界中の人々がこの神秘的な遺産の真実により近づくことが期待されています。