2025年BMW M3シリーズの新たな顔「M3ツーリング コンペティション」

BMWの人気スポーツセダン、M3シリーズに新たな一台「2025年BMW M3ツーリング コンペティション」が登場しました。パフォーマンス、走行性能、そして実用性を兼ね備えたこのモデルは、BMWファンだけでなくスポーツカー愛好家からも高く評価されています。しかしながら、現時点でアメリカ市場では購入できない点が話題となっています。

圧倒的なパワーと走行性能

2025年モデルのM3ツーリング コンペティションは、3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジンを搭載し、最大出力は530馬力、最大トルクは650Nmに達します。これは前モデルよりも20馬力アップしており、加速性能は驚異的です。BMW独自のM xDrive(四輪駆動)システムにより、トラクションや安定性が大幅に向上し、高速走行やコーナリングでも抜群の安心感を実現。さらに、ドライバーの好みに応じて、安定制御システムをオフにして後輪駆動に切り替え、ドリフト走行も楽しめます。

0-100km/hの加速タイムは約2.8秒と、同クラスの競合であるアウディRS4(450馬力)やメルセデス-AMG C63(670馬力)と比べても遜色ない驚異的な数字を誇っています。特にC63はハイブリッドの影響で重量がかさむため、このパフォーマンスで考えればM3ツーリングはカテゴリーの中でもトップクラスの走りを見せています。

多彩な走行モードと操縦性

M3ツーリングは「コンフォート」モードでの快適なクルージングから、「スポーツプラス」モードでの攻撃的な走りまで、多彩な走行モードが用意されています。特に注目されるのは、調整可能なサスペンションと先進の駆動システムの組み合わせで、どのような道でも高い接地感とグリップ力を発揮。日常の運転からサーキット走行までオールラウンドに活躍できる性能です。

試乗レビューでは、「初めてアクセルを踏んだ瞬間に感じる圧倒的なパワーに驚く一方で、車体の挙動は非常に安定していて運転しやすい」と評され、GT-Rのような名高い四輪駆動スポーツカーにも引けを取らないハンドリング性能が強調されています。

M3セダンの最新モデルも登場:圧倒的なパフォーマンスとキャラクター

M3シリーズはツーリングモデルに加え、セダンタイプも進化を続けています。2025年版のM3セダンは、同じく3.0リッター直6ツインターボエンジンで523馬力を発揮し、純粋なスポーツセダンとしての性能を誇ります。0-60mph(約0-97km/h)加速は2.8秒と、まさに「魂を揺さぶる」ドライビングマシンに仕上がっています。

6速マニュアルの設定もあり、後輪駆動と組み合わせることで、スポーツ走行の醍醐味を味わいたいドライバーに最適です。一方で、全輪駆動モデルは8速オートマチックのみの設定で、こちらは日常の利便性と安定性を求めるユーザーに向けられています。

M3ツーリングとM340iツーリングの比較:ステージ2チューニングによる走行性能の違い

同じ3シリーズファミリーのM340iツーリングとM3ツーリング コンペティションを比較したレビューでは、それぞれの個性と走りの違いが際立っています。M340iはステージ2チューニングによりパワーアップしていますが、M3ツーリングの530馬力に対してM340iはやや控えめ。とはいえ、M340iはコストパフォーマンスに優れ、日常の使い勝手で優位性もあります。

一方、M3ツーリングのサスペンションや駆動系はより競技志向で開発されており、特に高速域やワインディングロードでの安定感は一枚上。パワフルなエンジンと高度な4WDシステムがアグレッシブな走りを実現し、走行性能では一歩リードしています。

先進装備の課題とユーザビリティ

パフォーマンス面では文句なしのM3ツーリングですが、装備面にはいくつかの改善点も指摘されています。2025年モデルのM3は、先進運転支援システム(ADAS)が限定的で、自動ブレーキやアダプティブクルーズコントロール非搭載という点が不満の声となっています。また、気候操作がすべてタッチスクリーン依存で物理ボタンがなく、運転中の操作に手間取りやすいとの意見もあります。

それでも運転体験を最優先に設計されたため、設定項目は非常に多彩。10段階のトラクションコントロール設定、エンジン・サスペンション・ステアリングの調整が可能で、好みに合わせてドライブ感覚を細かくカスタマイズできるのはこの車の大きな魅力です。赤いM1・M2ボタンひとつで設定を瞬時に切り替えられ、普段は家族向けの実用車として、走りたいときはスーパースポーツへと変身します。

なぜアメリカでM3ツーリングが買えないのか?

世界中で注目を集めるM3ツーリングですが、残念ながら現時点でアメリカ市場での販売は行われていません。理由としては、排出ガス規制や安全基準への対応がまだ整っていない点が挙げられています。加えて、アメリカではSUVやクロスオーバー車の人気が高く、ツーリング(ステーションワゴン)モデルの需要が相対的に低いことも背景にあります。

これにより、M3ツーリングの魅力をアメリカのBMWファンが手に入れるにはまだ時間がかかる見通しです。ただし、欧州や一部アジア市場では好評を受け、実用性と高性能を両立する理想的な選択肢として高い評価を得ています。

まとめ

  • 2025年BMW M3ツーリング コンペティションは530馬力の強力な3.0リッター直6エンジンと高度なM xDrive四輪駆動を搭載し、日常からスポーツ走行まで万能に対応。
  • M3セダンも高性能を誇り、マニュアル・後輪駆動モデルやオートマ・四輪駆動モデルで多様なユーザーのニーズに応える。
  • 競合のM340iツーリングと比べて走行性能は圧倒的に優れているが、装備面では先進運転支援システムが不足する点が課題。
  • アメリカ市場でのM3ツーリング販売は現時点で未対応。規制面や市場ニーズが影響しているため、今後の動向に注目が集まる。

BMWファンにとって、2025年M3シリーズは技術の進化と走りの楽しさを存分に味わえるモデル群です。特にツーリングモデルは、スポーツカーでありながら日常の実用性も兼ね備えた希少な存在として輝いています。

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