埼玉選挙区、15人が4議席を熱戦 最終盤の注目点
2025年7月20日投開票の参議院選挙、埼玉県選挙区が大熱戦となっています。4議席を争う選挙区に、〈古川俊治〉氏(自民党・現職)、〈熊谷裕人〉氏(立憲民主党・現職)、〈大津力〉氏(参政党)、〈矢倉克夫〉氏(公明党・現職)、〈伊藤岳〉氏(日本共産党・現職)など、計15名が名を連ねており、告示後も手に汗握る展開が続いています。このうち、自民党・古川氏と立憲民主党・熊谷氏が知名度と現職バネを活かし終盤まで一歩リード、残り2議席は他の複数候補が激しい奪い合いを続けています。
【主な立候補者一覧(党派・現職・新人)】
- 古川俊治(自由民主党・現職)
- 熊谷裕人(立憲民主党・現職)
- 大津力(参政党)
- 矢倉克夫(公明党・現職・自民党推薦)
- 伊藤岳(日本共産党・現職)
- 江原久美子(国民民主党)
- 龍野真由美(日本維新の会)
- 桜井奈々絵(れいわ新選組)
- 高井環(社会民主党)
- 斎藤嘉英(無所属)
- 山田信一(NHK党)
- 武藤かず子(チームみらい)
- 石濱哲信(日本保守党)
- 津村大作(日本改革党)
- 増山優花(日本誠真会)
終盤情勢調査から見える選挙の構図
JNNによる7月12日・13日のインターネット調査と取材をもとにした終盤情勢分析では、自民党の古川俊治氏、立憲民主党の熊谷裕人氏の2氏が広い知名度と実績をバネに、やや先行していることがわかっています。特に古川氏は自民支持層の固さを武器に安定した票を確保している一方、熊谷氏も立憲などの野党支持層の厚みを感じさせる戦いを展開しているようです。
一方、公明党の矢倉克夫氏は自民党の推薦も受け、組織的な票の集票力を活かした選挙戦を展開。参政党の大津力氏や、日本共産党の伊藤岳氏、国民民主党の江原久美子氏らが追走し、残る2つの議席をめぐる争いは予断を許しません。
また、龍野真由美氏(日本維新の会)、桜井奈々絵氏(れいわ新選組)などの新顔候補も政党間の縛りが比較的薄い比例圏での戦いを意識し、独自の主張や訴えで一発逆転を狙っています。
「低投票率県」埼玉、今回の投票率に注目
埼玉県はこれまで全国でも低投票率のイメージがある県でした。令和4年(2022年)の前回参院選では50%を回復したとはいえ、依然として全国平均を下回っているとの指摘もあります。選挙そのものへの関心が比較的低い埼玉県民ですが、今回の選挙では新党や新顔の台頭、さらには地域課題や国政の大きな争点が絡むことで、少しでも投票率向上に結びつくのかどうか、最後まで目が離せません。特に、都心部への通勤・通学が多く、生活実感と政治との距離が離れがちな埼玉県民の動向に注目が集まっています。
あと2日、各陣営の「執念の大攻勢」
公示日からあっという間に終盤ラストスパート。各陣営は期日前投票の呼びかけや駅頭演説、SNSを通じた訴えに熱が入っています。現職候補は既得票の固守に動く一方、これまで知名度が高くなかった新人候補は、地域密着型の地道な活動で「最後のひと押し」を狙っています。
特に、政権与党自民党側は「安定した国政運営」を掲げ、地方の草の根支持拡大にも力を注いでいます。一方、野党側は「政権交代の選択肢」を前面に出しており、特に立憲民主党は自治体首長らとも連携し、統一地方選の延長線上での組織戦を展開するなど、独自色を強めています。
また、これまで注目されていなかった参政党や日本維新の会など、選挙の「揺れ」を狙う新勢力がどの程度支持を伸ばせるかも注目点です。無所属候補も減りつつある中、どの候補が「最後の1票」をどれだけ勝ち取れるか、わずか2日間が勝負になっています。
埼玉の未来、どんな顔に? 7月20日、結果を待つ
4議席を争う厳しい勝負の埼玉選挙区。古川俊治氏、熊谷裕人氏の先行は変わらないものの、自民党、立憲民主党、公明党、日本共産党、国民民主党、そして参政党や日本維新の会など、さまざまな出身政党の候補が追いかけ、選挙区全体が「激戦区」と化しています。
さらに、これまで政治に無関心層が多かったとされる埼玉県で、今回の選挙が地元課題や国政と結びついてどのような投票行動に結びつくのか。20日投開票の結果が、今後の埼玉県選挙区、そして参院全体の勢力図にも大きく影響するのは間違いありません。
各候補者の政策や主張、普段の活動実績なども含め、改めてチェックしながら、慎重に一票を投じてほしいと思います。埼玉県の未来を、有権者一人ひとりの手で選ぶ時がまたやってきました。
(本記事は2025年7月18日時点の情報をもとに構成しています。選挙の最終結果は各選挙管理委員会の発表や主要メディアの報道をご確認ください)