自然災害への備え、今こそ家族で学ぶ時~阿波市防災フェスタから見える防災の大切さ

近年、日本列島では大規模な自然災害が相次いでいます。地震、台風、洪水、そして火山噴火など、予測が難しい災害に対して、私たちはどのように向き合えばよいのでしょうか。そんな中、徳島県の阿波市では11月16日に「阿波市防災フェスタ2025」が開催され、多くの家族連れが集まり、防災について楽しく学ぶ機会となりました。同時に、富士山の過去の大噴火の歴史から、現代のハザードマップには載っていない新たなリスクまで、私たちが知らない脅威が存在することも明らかになっています。本記事では、これらの防災に関する最新の情報を総合的にお伝えします。

阿波市防災フェスタ2025~防災を楽しく学ぶ

徳島県阿波市で開催された「阿波市防災フェスタ2025」は、市役所およびアエルワホールを会場に、10時30分から14時まで行われました。このイベントは「防災を楽しく学ぼう」をテーマに、親子で参加できる様々な体験コーナーが設置されました。

陸上自衛隊第14音楽隊によるコンサートから始まったこのイベントでは、年間100回を超える演奏活動を行っている音楽隊の迫力あるパフォーマンスが、来場者を魅了しました。音楽隊のコンサート後には、各地のボランティアや専門家による体験型の防災コーナーが開設され、訪れた家族たちが様々な防災スキルを身につける機会が提供されました。

会場では、以下のような体験が可能でした。

  • 建設機械の操作体験
  • 降雨体験・放水体験
  • 水消火器体験
  • はしご車の操作披露
  • 自衛隊車両への乗車走行体験
  • 新聞紙を使った防災スリッパ作成
  • 災害用伝言ダイヤル171の使い方講習
  • 災害時の薬手帳の必要性に関する啓発

特に注目すべきは、NTT西日本徳島支店と連携した災害用伝言ダイヤル171の体験コーナーです。このサービスを初めて利用する人がほとんどであったため、パンフレットを用いて具体的な使い方や伝言内容について丁寧に説明が行われました。当日は実際に171サービスが提供されていたため、来場者が自宅でも実際に体験できるようにとの配慮がなされていました。

参加者からは、「近年の大規模な自然災害が発生していることもあり、防災意識が高まっている」との声が聞かれ、「今日の体験を家族や周辺の方と共有していきたい」との前向きなコメントも寄せられました。このように、防災フェスタを通じて、地域全体の防災意識が着実に高まっていることが伝わってきます。

富士山の過去の大噴火~貞観大噴火の脅威

一方、日本の防災を考える上で無視できない存在が富士山です。富士山は現在、活火山として監視されていますが、その過去には私たちの想像を超える大規模な噴火の歴史があります。

特に注目すべき歴史的な大噴火が、貞観大噴火です。この噴火は西暦864年から866年にかけて、実に2年間にわたって激しい噴火活動を続けました。現代のハザードマップや防災計画は、この古い歴史的な出来事の重要性を十分に反映していない可能性があります。

貞観大噴火がもたらした影響は計り知れません。この大噴火によって、富士山の裾野には富士五湖が形成されました。また、大量の溶岩流が流れ下った地域には青木ヶ原樹海が生まれることになったのです。つまり、現在の富士山周辺の地形の多くは、この約1200年前の大噴火によって作り出されたものなのです。この事実だけからも、富士山の噴火がいかに壊滅的な影響をもたらすものであるかが理解できます。

もし現代に同規模の噴火が発生すれば、その影響は富士山周辺だけにとどまらず、日本全国に波及する可能性があります。火山灰による農作物への被害、交通機関の麻痺、電力網への影響など、社会全体に深刻な打撃を与えることが懸念されています。

ハザードマップにない脅威~富士山大噴火の未知のリスク

防災の専門家たちの間で、近年注目されているのが現在のハザードマップには記載されていない富士山噴火のリスクです。一般的に火山噴火のハザードマップでは、以下のような主要な危険要素が示されます。

  • 溶岩流:マグマが流れ出す現象
  • 火山弾:噴火に伴って飛散する岩石
  • 火砕流:高温の火山ガスと火山灰が混在して流れる現象

しかし、富士山の大噴火に関しては、これらの従来の想定をはるかに超える未知のリスクが存在することが指摘されています。例えば、広範囲に降り積もる火山灰による被害、火山ガスの拡散、地盤沈下など、既存のハザードマップには十分に記載されていない現象が起こる可能性があります。

特に懸念されるのは、火山灰による広域的な被害です。貞観大噴火の際にどの程度の範囲に火山灰が降ったのか、その詳細な記録は不完全です。しかし、風向きや大気の流れを考えると、太平洋側だけでなく、日本海側にまで灰が到達する可能性も否定できません。

また、火山性地震や地盤変動なども、噴火に先行して発生する可能性があり、これらの前兆をいかに正確に捉え、早期に警報を発令するかが今後の課題となっています。

防災意識の向上が急務~今、私たちにできること

阿波市防災フェスタで見られた、家族連れが防災について主体的に学ぶ姿勢は、非常に重要なメッセージを私たちに投げかけています。富士山の過去の大噴火の歴史や、ハザードマップに載っていない新たなリスクが存在することを考えると、個人や家族レベルでの防災知識の習得は、もはや選択肢ではなく必須事項なのです。

防災を学ぶことは、決して難しい専門知識を身につけることだけではありません。災害用伝言ダイヤル171の使い方を知る、家族で非常食の備蓄について話し合う、避難経路を確認する、そして何より、自然災害への向き合い方を前向きに考えることが大切です。

阿波市防災フェスタのように、自治体や専門機関が主催する防災イベントに参加することで、防災知識を実践的に習得し、同時に地域全体の防災意識を高めることができます。また、富士山の過去の大噴火の歴史から学ぶことで、自然が人間の力をはるかに上回る規模で変化する可能性があることを改めて認識することができます。

今こそ、私たちは過去の教訓に学び、未知のリスクに備え、自分たちの身を守るための準備を進める必要があります。防災は、政府や自治体に任せるだけでなく、一人一人が主体的に取り組むべき課題なのです。

まとめ~防災は生活の一部

阿波市で開催された防災フェスタから富士山の大噴火のリスクまで、自然災害に関する情報は、日々更新されています。防災知識も、イベント参加も、情報収集も、すべてが積み重ねられることで、初めて実効性を持つようになります。

家族で防災について語り合い、地域の防災活動に参加し、そして自然災害への向き合い方を真摯に考える。こうした一つ一つの取り組みが、私たちの生命と財産を守る最強の盾となるのです。

参考元