みずほFG、デジタル社会の未来に向け高度専門人材の重要性を強調
2025年7月、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)の最高デジタル責任者(CDO)は、「レベルアップしていくAIの進化を超えるためには、高度な専門人材の存在が不可欠」と語り、デジタル社会の未来とそれに対応する人材戦略の重要性を改めて示しました。
金融業界は今まさにAIやデジタル技術の急速な進化の中にあり、みずほFGは技術革新を取り入れつつ、顧客へのサービス向上と業務効率化を進めています。その最前線で動くのが、技術とビジネスの橋渡し役を担う高度専門人材であると認識しています。
背景:みずほFGのデジタルトランスフォーメーション戦略
みずほFGは、2024年から2025年にかけて積極的にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。2024年5月には「みずほWalletアプリ」をリニューアルし、UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)を刷新。決済機能の集約により、利便性が大きく向上しました。また、2024年1月からは「ハイパーパーソナライズドマーケティング」を導入し、一人ひとりの顧客に最適なサービスを、最適なタイミング・チャネルで提供する体制を整備しています。
このようなサービスの高度化は、AIやデジタル技術の活用なくしては成し得ません。同時に、技術を使いこなすだけでなく、ビジネスの現場に深く理解がある専門人材の育成・確保が急務となっています。
AIの進化を超えるための「高度専門人材」育成と確保
みずほFGのCDOは、「AIは日々レベルアップしていくが、それ以上の創造性と専門知識を持つ人材が必要」と強調しました。AIはデータ処理能力や分析力に優れますが、複雑な課題解決や戦略的判断、革新的なサービス設計には人間の専門性が欠かせません。
- 高度専門人材とは、AIやデジタル技術の理解だけでなく、金融知識や経営視点を兼ね備えた人材
- みずほFGではDX推進のため、2025年度末までに基礎的なDX知識を持つ認定者を1,000名達成する目標を掲げ、積極的な研修や資格取得支援を実施中
- これにより、AIと協働しながら革新的な金融サービスの開発を加速させることが狙い
他の大手金融機関の動きと比較
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)では、プロ人材を前年比約2割増の2,500人に増員し、内部登用でも高い報酬を提示して人材競争力を強化しています。みずほFGもこれに倣い、一層の人材確保を進めている状況です。
こうした動きは、デジタル技術の高度化を背景にした金融業界全体の潮流を示しています。単なるITエンジニアだけでなく、戦略やマーケティング、金融知識を有する多角的な専門人材の価値が増しています。
みずほFGの今後の方針と展望
みずほFGはデジタル戦略部門と連携し、グループ内の研究組織やテクノロジー企業と協働して最先端技術の研究開発を推進中です。また、2022年3月に締結したグーグル・クラウド・ジャパンとの戦略提携も継続して活用し、AIやクラウド技術を中心に革新的金融サービスの共創を目指します。
DXの取り組みにはまだ課題もありますが、専門人材の育成と最大限の活用を通じて、お客様にとってより便利で安全なサービスを提供していく姿勢を強調しています。
まとめ
2025年現在、みずほフィナンシャルグループは「AIに追いつき、超える高度専門人材の育成・確保」をDX推進の中心課題と位置付けています。これにより、変化の激しいデジタル社会に対応し、新たな金融価値を創造していく方針です。同行の取り組みは、日本の金融界におけるデジタルシフトの先端を担うものとして注目されます。