北海道各地でマイマイガ大量発生、被害拡大中

2025年7月、北海道の複数の地域でドクガの一種である「マイマイガ」が大量発生し、注目が集まっています。専門機関によると、マイマイガは8~11年周期で大量発生することが知られており、今年の発生はその周期に該当すると考えられています。特に幼虫や卵の毛や鱗粉に触れると、発疹やかゆみといった皮膚炎症状を引き起こすことがあるため、各自治体が住民に向けて注意喚起を強化しています。

発生の背景と周期性について

マイマイガは過去にも8から11年程度の周期で大量発生している記録があり、今回の発生はその周期に一致しています。釧路市や上川町、帯広市をはじめとした道内の各地域で、4月下旬以降に幼虫の数が急増しており、6月から7月にかけて最も多く確認されています。特に釧路市は2025年7月25日にホームページで情報提供を行い、住民に対して注意を呼びかけました。

上川町の税務住民課・笠本瑞貴課長は「昨年までは数年にわたりほとんど発生していなかったが、今年に入り急増し、幼虫に触れてかぶれる住民が続出している」と話しています。

マイマイガの特徴と健康被害

マイマイガは大型の蛾の一種で、幼虫時にはその体を覆う毛に刺激性があります。毒を持っているわけではありませんが、肌の弱い人やアレルギー体質の人が幼虫や卵に触れると、発疹やかゆみなどのかぶれを起こすことがあります。北海道総合研究機構林業試験場の内田葉子研究職員によると、「成虫の鱗粉に触れてしまっても同様にかぶれのリスクがあるため、素手で触らないことが大切」と指摘しています。

幼虫は光に集まる性質があり、住宅の玄関灯などに大量に寄ってくることも問題になっています。対策として、玄関の明かりを消したり、LEDライトに替えることで集まりにくくなると言われています。

自治体の対応と住民への注意喚起

  • 釧路市:7月25日にホームページで大量発生の情報を公開し、皮膚への接触を避けるよう呼びかけ。
  • 帯広市:マイマイガの卵塊を見かけた際は駆除を促進し、住民の被害軽減を図る対応を開始。
  • 上川町:5月中旬から公式サイトで注意喚起。笠本課長は幼虫の発生急増を明かし、取り扱いの注意を呼びかける。

また、旭川市でも市内全域でマイマイガの幼虫が多く観察され、今年は例年よりも発生が著しいとの報告があります。道東の空知や留萌地方でも幼虫の数が例年を上回っているため、北海道全域に広く影響が及んでいる状況です。

発生時の対策と注意点

  • 幼虫や卵には直接触れないこと。
  • マイマイガが集まりやすい夜間は、屋外の明かりを控えるかLED灯に交換。
  • 肌が敏感な方は、屋外活動時に長袖や手袋を着用し皮膚の露出を減らす。
  • もし発疹やかゆみが生じた場合は、速やかに洗い流し必要に応じて医療機関を受診。

社会的影響と今後の展望

マイマイガの大量発生は林業や農業にも悪影響を与えることが懸念されており、地域の生態系への影響も調査が進められています。また、幼虫の被害による住民の生活環境への不安も高まっています。今後も自治体や研究機関が連携し、発生状況の監視とともに有効な防除策の模索が続けられる見込みです。

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