定額減税補足給付金(不足額給付)とは何か?
2025年に実施された「定額減税」に関連して新たに設けられた給付金が「定額減税補足給付金(不足額給付)」です。これは、初回に行われた定額減税給付の際に算出された給付額と、実際の減税対象となる税額や扶養人数の変動などにより差額が生じた場合、その不足分を補うための給付金です。特に令和6年分の所得税と住民税の税額が変動した人を対象に、2025年7月から通知書の発送が始まっている自治体も多くなっています。
不足額給付の目的と背景
令和5年の経済政策の一環として「デフレ完全脱却のための総合経済対策」が実施され、これに伴い所得税や住民税に対して定額減税措置が敷かれました。しかし、当初の減税額とその後の所得状況や扶養状況の変化により給付額にズレが生じるケースがあったため、その調整として「定額減税補足給付金(不足額給付)」が設けられました。
給付対象者の条件
主に以下の条件を満たす方が給付対象となります。
- 令和6年分の所得税額および住民税所得割額がゼロであること(※定額減税前の税額がゼロの方を含む)
- 税制度上の「扶養親族」に該当しないこと(青色事業専従者や、合計所得金額48万円超の事業専従者などが該当)
- 低所得世帯向け給付金(例えば令和5年度・6年度の非課税世帯給付金など)の給付対象とならない世帯の世帯主や世帯員であること
- 令和6年の所得税や住民税の実績に基づく給付額と、令和5年分の所得推計に基づく当初調整給付額の間に不足が生じていること
不足額給付が必要な具体的なケース
具体的には、以下のような事情で不足額給付が行われます。
- 令和6年の所得が前年度に比べ減少し、実際の税額が当初の推計より低くなった場合
- 子どもの誕生や扶養親族の増加により、定額減税の対象額が当初の推計より増えた場合
- 初回の給付後に税額修正があったため、住民税の所得割額が減少し差額が生じた場合
- 給付要件の確認や申請によって追加給付が必要と判断される場合
実施状況と申請方法
2025年7月以降、東京都杉並区や札幌市、茨城県かすみがうら市など多くの自治体で、対象者に対し給付金の通知書を発送しています。申請期限は自治体によって異なりますが、例としてかすみがうら市では2025年10月31日が締切です。各自治体の担当窓口や公式ウェブサイトにて詳しい案内がされているため、該当の方は速やかに確認し手続きを行うことが推奨されます。
注意点と対象外の場合
いくつかの要件により対象外となる場合もあります。例えば、既に定額減税が十分に反映されている方、また令和6年分の所得税や住民税が非課税でも扶養親族に該当しない場合などです。また、令和5年度に行われた一部の非課税世帯向け給付金(3万円の給付など)は不足額給付の対象には含まれません。このため、通知書が届いていない方や該当要件に心当たりがない方は、自治体に確認をすることが重要です。
まとめ
今回の「定額減税補足給付金(不足額給付)」は、定額減税制度の公平性を保つために設けられた制度であり、令和6年の所得や税情報が当初の推計と異なった方に、不足分を補填する給付金です。これにより、所得変動や扶養状況の変更があっても適切な減税効果が得られるようになっています。ぜひ、該当者は早めに自治体の情報を確認し、申請や給付の手続きを進めてください。