西島秀俊、全編英語・NYロケの主演映画「Dear Stranger」完成報告会見開催
2025年8月5日、俳優・西島秀俊が主演を務める映画「Dear Stranger/ディア・ストレンジャー」の完成報告会見が、東京・丸の内TOEIにて開催されました。本作は日本、台湾、アメリカの三国合作によるヒューマンサスペンス映画で、全編ニューヨークでのロケとほぼすべてのセリフが英語という挑戦的な作品です。
異国の地で撮影、西島秀俊が語る「不思議な爽快感」
西島秀俊は、ニューヨークでの撮影体験について「不思議な爽快感がある」と感想を述べました。日本語ではなく英語のセリフが約9割を占め、言語や文化の壁を越えた演技に挑んだ西島は、「想像以上に豊かな時間だった」と振り返ります。現地での生活感やニューヨーク特有の空気感は、映像にリアリティをもたらし、作品の深みを増したと語りました。
作品のテーマ「廃墟」と丸の内TOEI閉館の特別な意味
会見が開催された丸の内TOEIは、7月27日に閉館したばかりの映画館で、作品の重要なキーワード「廃墟」にちなんで会見場に選ばれたとのことです。映画のなかで「廃墟」は、主人公たちの精神的な崩壊や関係の変化を象徴するモチーフとなっており、歴史の終わりを告げる丸の内TOEIでの会見は感慨深いものとなりました。
ストーリーの概要と共演した台湾女優・グイ・ルンメイの存在
本作の物語は、ニューヨークで暮らすアジア人夫婦が突然の息子の誘拐事件をきっかけに、絆が崩れていく様を描くヒューマンサスペンスです。西島が演じる夫・賢治と、台湾系アメリカ人の妻ジェーンを演じるグイ・ルンメイが初共演で夫婦役に挑んでいます。
西島は、ルンメイの演技に触れて「彼女の存在が大きな支えになり、理想の俳優像を見つめ直すきっかけをもらった」と語りました。ルンメイも「作品が国籍や言語の壁を越えて、夫婦の愛情や葛藤を描いている点に強く惹かれた」と述べ、互いに信頼と尊敬を感じさせる共演の様子がうかがえました。
監督・真利子哲也の視点と西島秀俊の出演理由
真利子哲也監督のもと制作された本作は、文化の衝突や家族の関係性という現代の普遍的な問題をテーマに据えています。西島は監督のファンであったことや、脚本に込められたメッセージに共感したことから、参加を決意しました。彼は「今まさに多くの人が向き合い、解決を模索しているテーマに挑戦したい」と語り、撮影を通じて深い思索に至ったことを明かしています。
映画「Dear Stranger/ディア・ストレンジャー」の公開情報
「Dear Stranger」は2025年9月12日に公開を予定しており、今後ますます注目を集めそうな作品です。日常に潜む人間の複雑な感情や国際的な視点が織り交ぜられたストーリーは、多くの観客の共感と感動を呼ぶことが期待されます。
まとめ
西島秀俊が全編英語で挑んだ初のニューヨークロケ作品「Dear Stranger/ディア・ストレンジャー」は、言語や文化の壁を超え、国際色豊かなヒューマンサスペンスとして完成しました。主演の西島とルンメイの初共演は、キャリアにおいても刺激的な経験となり、新たな可能性を示すものとなりました。閉館直後の丸の内TOEIでの“廃墟”をテーマにした完成報告会見は、作品の深さと撮影の背景を象徴する演出として大きな話題を呼んでいます。