トランプ前大統領、FRB本部の改修現場を直接視察-利下げ強く要求しパウエル議長と意見交換
2025年7月24日、アメリカのトランプ前大統領が連邦準備制度理事会(以下、FRB)の本部を異例とも言える直接訪問し、現在進められている改修工事の現場を視察しました。トランプ氏はこの現場視察を通じて、膨れ上がっている工事費用に厳しい批判を続け、さらにFRBに対して政策金利の引き下げを再度強く要求しました。
改修費用への批判と現場視察の背景
FRB本部は現在、大規模な改修工事を実施しており、その費用は当初の予定の27億ドルから31億ドル(約4400億円)に膨れ上がっていると報告されています。トランプ氏はこの工事費用の増加を「高すぎる」と問題視し、現場でパウエルFRB議長と共に具体的な状況を確認しました。報道によれば、トランプ氏は31億ドルに上る工事費用を指摘し「少し、いや、かなり増えた」とその膨張に懸念を表明しました。一方、パウエル議長はこの点に関して慎重な姿勢を示し、議論もあったとされています。
政策金利をめぐる対立と再要求
トランプ氏はFRB内部の視察中も、利下げを強く要求し続け「金利が最後の小さな障害だ」と述べるなど、その意志を明確に示しました。過去からFRBの金融政策に厳しい態度をとっていたトランプ氏は、来週に迫る連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、パウエル議長と具体的な利下げの可能性について話し合いを行い、「生産的な対話だった」とコメントしています。
ウォーシュ理事の利下げ支持表明
このタイミングに合わせて、FRB理事の一人であるウォーシュ氏もまた、次回のFOMCにおいて投票権があれば政策金利の引き下げを支持すると表明しました。ウォーシュ氏の声明は、利下げに傾くFRB内部の一部の意見を示しており、今後の金融政策動向に敏感な影響を与える可能性があります。
歴史的な直接訪問の意義
トランプ氏のFRB本部訪問は、現職大統領ではなくなってからのものとしては極めて異例であり、その直接的な関与はFRBに対する強い圧力となっています。これまでFRBの独立性が重視されてきたなかで、トランプ氏は政策や運営コストについて積極的に介入し、利下げ圧力をさらに強めた形です。
今後の展望
FRBは物価の安定や雇用確保を基軸に政策運営を行っており、利下げが実施されれば金融市場や経済全体に大きな影響を与えます。トランプ氏の直接介入やウォーシュ氏の利下げ支持は、今後のFOMCの決定を複雑にする要素とも言えます。市場関係者や一般市民は今後のFRBの動きに注目を続ける必要があります。
以上の動きを踏まえ、7月末のFOMCでは政策金利に関する重要な方針が決定される見通しであり、トランプ前大統領らの影響力がその決定にどのように反映されるかが焦点となっています。