野党8党、11月1日のガソリン暫定税率廃止で合意 地方財政への影響も注目
2025年7月28日、野党各党はガソリン税の暫定税率を2025年11月1日に廃止することを目指す方針で一致しました。これにより、ガソリン価格の引き下げが期待される一方、地方自治体の財源減少問題も浮上しています。
野党8党が暫定税率廃止の早期実現を目指す
立憲民主党を中心とした野党8党は、ガソリン税の暫定税率を廃止する法案を年内にもできるだけ早く国会に提出し、施行は11月1日を目標とすると報告しました。各党の合意のもと、先の国会で提出された基本的な法案のスキームを変えず進める方向です。
立憲民主党の重徳和彦政務調査会長は、「できるだけ早期に施行できるよう取りまとめ、提出に向けて進める」と強調しています。野党はこれまで、ガソリン価格の高騰が国民生活に重くのしかかっているとして、暫定税率廃止の機運を高めてきました。
暫定税率とは?廃止の背景と論点
ガソリン税の暫定税率は、道路整備や地方自治体の財源確保のために設定されたもので、正式な税率とは別に上乗せされる税金です。2024年末には与党も暫定税率廃止に一定の理解を示しましたが、実施には「財源の検討が十分でない」として慎重な姿勢が続いていました。
野党は、安定した財源確保よりも国民の負担軽減を優先すべきと主張し、国会での議論が続いてきました。2025年6月には国会で野党提出の廃止法案が衆議院では可決されるものの、参議院では採決が見送られ廃案となっています。
地方自治体の税収減は5,000億円規模に
一方、総務省は今回の暫定税率廃止に伴い、地方自治体の税収が約5,000億円減少すると試算しています。ガソリン暫定税率は地方税収の重要な柱の一つであるため、その代替財源の確保が課題となります。
この影響により、地方自治体の公共サービスやインフラ整備に影響が出ることも懸念されています。政府はこれまで、暫定税率廃止の財源問題の解決が不可欠であると示しており、今後の議論の焦点となる見通しです。
今後の展望
- 野党8党は来週にも施行に向けた法案の詰めを行い、国会提出を目指す
- 与党側は暫定税率廃止に合意しているが、財源の検討が不足との理由で具体的な実施時期は未定
- 地方税収減少の対策や代替財源の確保が今後の課題
- 国民生活への負担軽減と地方財政維持の両立が焦点となる
ガソリン税の暫定税率廃止は、多くの国民にとってガソリン価格の負担軽減につながる一方、地方自治体の財政基盤に影響を及ぼすため、政府・与野党・地方が協力して慎重に対応することが求められています。