サマリー
認定NPO法人スローレーベルの音楽プロジェクト「Earth Pieces」が、2025年の横浜マラソンのチャリティプログラムに選ばれた。これを契機に、2026年にミラノでの公演を目指し、共創パートナーを募集中。音楽を通じて社会的つながりを深め、インクルーシブな文化を推進する取り組みが注目を集めている。
「Earth Pieces」が横浜マラソン2025のチャリティプログラムに選出
神奈川県横浜市の認定NPO法人スローレーベルが展開する参画型音楽プロジェクト「Earth Pieces」が、2025年に開催される「横浜マラソン」のチャリティラン寄付先団体に選出された。この選出を受けて、プロジェクトは2026年3月にイタリア・ミラノで行われる冬季パラリンピック期間中の公演「Earth Pieces in MILANO」の実現に向けて、共創するパートナーを募集している。
新たな音楽体験の提供
「Earth Pieces」は、2024年に横浜トリエンナーレのパブリックプログラムとしてワールドプレミアを果たした、日本発の音楽プロジェクトである。プロとアマ、障害の有無、世代、国籍、文化的背景に関係なく、参加者それぞれの“音色”で合奏を楽しむことができる新しい形の音楽会であり、ワールドプレミアでは音楽経験のない28名が『喜びの歌(第九)』を合奏した。
メディアでの注目
このプロジェクトは、「リハーサルなし・一日完結型」という従来の音楽会の常識を超える形式が評価され、複数の報道番組や新聞で取り上げられた。特に「日テレNEWSカルチャー」では、参加者の多様性や、音楽を通じた共創体験の重要性が強調された。実際の報道の様子は、以下の動画で確認できる。[異例の『第九』音楽会 合奏練習は1日限り](https://youtu.be/ZMOxK6oFbgc?si=g7-RstECKRSIEo4u)。
国際的な評価と未来への展望
2025年2月には、イギリス・ロンドンで開催される国際カンファレンス「GEI17」において、アクセシビリティとサステナビリティを両立させる先駆的な取り組みとして紹介された。「Earth Pieces」は、パンデミック後の孤立やメンタルヘルスの課題に対し、音楽を通じた共創体験を提供し、社会的つながりを取り戻すことを目指している。
ミラノ公演に向けた取り組み
2026年3月、ミラノ市内のパブリックステージで開催予定の「Earth Pieces in MILANO」では、120名の障害のあるミュージシャンが参加する。「AllegroModerato」との協力のもと、障害・言語・文化の壁を越えた共演が実現する。特に、イタリアのインクルーシブ教育の知見を取り入れ、「音楽の設計図」を深化させることに注力する。
音楽の設計図とは
「音楽の設計図」とは、視覚・聴覚・身体的多様なニーズに対応した独自の音楽ツールで、誰もが合奏に参加できるよう工夫されている。公演後は、得られた学びを日本の教育現場に還元するため、指導者向けのテクノロジー開発にも取り組む。
結びつく音楽と社会
スローレーベルの構想は、すべての人に開かれた音楽のあり方を追求している。AllegroModeratoと連携し、障害の有無を超えて人々が音楽でつながる挑戦を続けている。2030年の国連総会において、分断や対立を越えた新時代の「喜びの歌」を奏でることを目指し、文化的エコシステムの構築を進めている。
終わりに
「Earth Pieces」は、音楽を通じて人々が共にする力を引き出し、限界を越える挑戦を続けている。資本主義の価値観が問い直される今、アートの力で新たな循環を生み出すことを目指すこのプロジェクトに、ぜひ多くのランナーが参加し、共に未来を描いていくことを期待したい。横浜マラソン2025のチャリティランナーとしてのエントリーは、2025年4月9日から6月25日まで可能である。詳細は[こちら](https://yokohamamarathon.jp/charity/)から確認できる。