ダイキン工業、2025年4~6月期決算速報:株価に好影響の増益を達成
ダイキン工業(証券コード:6367)は2025年8月5日に発表した2026年3月期第1四半期(4~6月)の決算で、経常利益が前年同期比13%増の1,189億円に達し、営業利益も5.1%増の1,213億円となりました。純利益は29.2%増の815億円と大幅な増益を記録し、市場のコンセンサス予想を上回る好調な結果となりました。
売上高は微減も利益率改善で収益拡大
同期間の売上高は前年同期比で3.0%減の1兆2,138億円となりました。一見売上は減少傾向に見えますが、営業利益率は前年の9.2%から10.0%へと改善し、収益力の向上がうかがえます。ダイキンは設備投資やコスト管理の効率化により、利益の伸長を実現しています。
国内エアコン販売の好調が牽引
この増益の背景には、日本国内におけるエアコンの販売が好調であったことがあります。気温の変動や省エネニーズの高まりから、住宅用・業務用のエアコン需要が堅調に推移し、これが売上減少の中でも利益を押し上げました。
化学事業は一部で苦戦も
ダイキンの化学セグメントでは、化学製品の売上高が3.7%減、営業利益は41.7%減となりました。理由として、世界的な自動車市場の回復遅れが挙げられ、特に中国やアジア、欧州での需要が伸び悩みました。フッ素ゴム事業は米国や国内での需要は安定的でしたが、これら海外市場の低迷が影響しています。
通期業績見通しと株価動向
ダイキンは2026年3月期通期の業績予想でも、売上高4兆8,400億円(前期比1.8%増)、営業利益4,350億円(同8.3%増)、経常利益4,050億円(同10.5%増)、純利益2,720億円(同2.7%増)を見込んでいます。この予想により、2025年8月時点では投資家の評価も高まり、株価にはプラスの影響が見られています。
さらに、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同期比で大幅増となる4,266億円の収入を記録し、財務健全性も向上しています。投資活動や財務活動に伴う支出は増加したものの、現金及び現金同等物は1,357億円増加し、四半期末時点で7,682億円となりました。
まとめ
- 2025年4~6月期の経常利益は前年同期比13%増加、純利益は29%増と大幅増益
- 売上高は3%減少したが、営業利益率は9.2%から10.0%へ改善
- 国内エアコン販売の好調が収益を支え、化学事業は一部海外市場の低迷で減益
- 通期見通しは増収増益予想で据え置かれ、株価は好調な業績を背景に上昇傾向
- キャッシュフローも堅調で財務体質の強化が進む
このように、ダイキン工業はエアコン事業の国内好調を背景に、2025年4~6月期に堅調な業績を達成しました。今後も新しい生活様式や環境配慮型製品の需要に対応しつつ、海外事業の回復が業績拡大の鍵となるでしょう。