福井県でクレーンゲーム景品の「実弾発射可能な玩具銃」が問題に
2025年7月18日、福井県警察は、福井市内のゲームセンターでクレーンゲームの景品として流通している「実弾発射可能な玩具銃」の回収を呼びかけました。この玩具銃は一見するとプラスチック製の軽量な模型のように見えますが、内部構造には実弾を発射する機能が備わっており、殺傷能力を持つことが確認されています。
問題の「リアルギミックミニリボルバー」について
この玩具は「リアルギミックミニリボルバー」と呼ばれ、中国で製造されて日本に輸入されました。全長およそ12.5センチ、縦約10センチのコンパクトなもので、銃身や弾倉は貫通し、薬室や弾倉に実弾を装填可能な構造となっています。さらに、撃針が雷管部分を打撃する機能を持ち、実際に弾を発射できる点が最大の問題です。
この玩具はプラスチックの弾8発とセットで販売され、福井県以外にも31都道府県で約1万6千丁が流通していました。主にゲームセンターのクレーンゲームの景品として提供されており、意図せず入手した利用者も多いとみられています。
法的な問題点
銃刀法によれば、実弾を発射できる銃器は所持や販売に厳しい規制がかけられています。この玩具銃は法的には「真正拳銃」と同等とみなされ、所持すること自体が違法行為にあたります。福井県警は、「現在、所持者に逮捕が及ぶケースは少ないが、2025年12月31日までに回収されなければ処罰の対象になる」と警告しています。
福井県警の対応と市民への呼びかけ
県警組織犯罪対策課は、警察庁からの情報を受けて7月に発覚した福井市内2か所のゲームセンターで400丁以上の「実弾発射可能な玩具銃」が流通している状況を確認。既に約300丁を回収済みですが、依然として多数の所持者がいることから、引き続き回収を進めています。
福井県警は所持者に対し速やかに最寄りの警察署へ届けるよう強く呼びかけており、県警の公式ホームページやSNSでも広く周知活動を展開しています。また、購入や使用は絶対にしないよう注意を促しています。
全国的な広がりと今後の課題
この種の玩具銃は福井県だけでなく全国的にも問題化しており、警察庁の調査では約1万5800丁が市場に出回っていました。これまでに全国で450丁が回収されたものの、多数は未回収のままです。警察庁は他にも少なくとも16種類の違法玩具銃を確認しており、今後も一層の取締り強化が求められています。
今回の問題は、「おもちゃ」という表現であっても、内部構造により殺傷能力を持つ商品が一般の消費者の手に渡ってしまう危険性を示しており、ゲームセンターなどの景品における安全管理や輸入業者の規制、未然防止策の強化が急務となっています。
安全意識の徹底を
- 「リアルギミックミニリボルバー」など実弾発射可能な玩具銃は銃刀法違反にあたる
- 福井県警は所持者に回収のため警察署への届け出を呼びかけ
- クレーンゲームの景品として流通しており、特に子どもや若者が誤って手に入れる危険がある
- 全国で約1万6000丁が流通、回収はまだ十分ではないためさらなる対策が必要
- 消費者は絶対に購入・所持しないこと、違法性を認識し警察の指示に従うことが重要
福井県警は引き続き迅速な回収と市民への警戒呼びかけを続けるとともに、全国の関係機関と連携し、安全な地域社会の維持に努めています。市民の皆さんも不用意に所持したり販売したりしないよう、注意をお願いします。