YouTubeハイライト機能がついに提供開始
Googleは2025年12月3日、YouTubeに新しい年間振り返り機能「YouTubeハイライト」の提供を開始しました。この機能は、ユーザーの再生履歴に基づいて、2025年に探求した関心事や深掘りしたトピック、印象的だった瞬間などを自動的に表示します。北米からの提供がスタートし、提供開始日の今週中には世界中で順次展開される予定となっています。
YouTubeハイライトは、SpotifyのSpotify WrappedやApple Musicのリプレイといった音楽配信サービスの年間まとめ機能と似ていますが、YouTubeは動画コンテンツも含めた振り返りが可能となっている点が特徴です。視聴者とクリエイターの双方から、YouTubeの動画コンテンツの視聴傾向に基づくハイライト機能を求める声が寄せられていたため、YouTubeがその要望に応える形で新機能として実装されました。
最大12種類のカードで多角的に1年を振り返り
YouTubeハイライトには、最大12種類のカードが用意されています。これらのカードを通じて、ユーザーは自分のトップチャンネルや興味関心から始まり、視聴習慣の変化、そして視聴した動画から見えてくるパーソナリティまで、さまざまな角度から一年間を振り返ることができます。
例えば、ハイライトでは「カスタムキーボードに夢中になった」「KATSEYEの大ファンになった」「Labubuブラインドボックス開封動画を見続けた」といった具体的な視聴トレンドが表示されます。このように、ユーザー個人の視聴行動が顕著に現れた内容が、パーソナライズされて提示されるのです。
アクセス方法と利用条件
YouTubeハイライトにアクセスするには、ユーザーはモバイルアプリの「マイページ」、またはデスクトップ版YouTubeのトップページからアクセスできます。モバイルアプリでアカウントにログイン後、マイページに入るとページのトップに「2025年のハイライトをお届け!」というメニューが追加されており、これをタップするとハイライトの音声付き動画が再生されます。
ただし、ハイライトを利用するためには、アカウントのアクティビティと設定に関連するいくつかの条件を満たす必要があります。例えば、2025年1月から10月下旬までの間に一定時間以上YouTubeのコンテンツを視聴していなかったり、多様性のあるトピックやクリエイターのチャンネルに訪れていない場合は、ハイライトが生成されない可能性があります。
集計対象となる視聴データには、モバイルアプリ、PCのウェブブラウザ、テレビで視聴したYouTubeの長尺動画とショート動画の情報が含まれます。またダウンロードした動画も集計対象となり、幅広い視聴形態が反映されるようになっています。
ユーザーのための機能開発プロセス
YouTubeハイライトの開発には、9回にわたるフィードバック収集と50種類以上のコンセプトテストが重ねられました。これは、ユーザーの声を大切にし、最適な振り返り体験を提供するための慎重なプロセスです。YouTubeは「YouTubeハイライトは皆さんのために、皆さんによって作られました」とコメントしており、ユーザー中心の開発姿勢を示しています。
この機能がYouTube Musicより少し遅れて提供されるようになった理由は、動画コンテンツの方が音楽データよりハイライトを生成するためのアルゴリズムがより複雑であるためです。音楽データは「アルバム・アーティスト・ジャンル」などの情報が構造化されていますが、動画コンテンツはより多くの変数を考慮する必要があるのです。
ハイライト動画の保存と共有機能
YouTubeハイライトを後で見直したい場合に備えて、ユーザーにはハイライト動画のスライドを1枚ごとに画像データとして保存したり、メール等で共有する機能が提供されています。毎年の年間ハイライトを記録しておきたいユーザーにとって、この機能は非常に便利です。
一方、ハイライトを見たくないというユーザーのニーズにも対応しており、バナーの隣に表示されている「×」をタップすることで、以降からアクセスできなくなる設定も用意されています。
2025年の日本YouTube年間ランキングが発表
YouTubeハイライト機能の提供開始と同時に、2025年の日本におけるYouTube年間ランキングも発表されました。ランキングは4つのカテゴリに分けられており、「国内注目されたトピック」「国内トップ登録者増加クリエイター」「国内トップ楽曲」「国内トップショート楽曲」が公開されています。
注目されたトピックでは、「鬼滅の刃」などのアニメや「Nintendo Switch 2」といったゲーム関連のトピックスが多く注目されました。これらの結果から、日本のYouTubeユーザーのトレンドがエンターテインメント関連に集中していることが見て取れます。
HANAの「ROSE」が国内トップ楽曲に選定
2025年のYouTube国内トップ楽曲のランキングでは、HANAの「ROSE」が第1位に選ばれました。このランキング結果は、HANAの楽曲が日本のYouTubeユーザーの中で最も視聴された楽曲であることを示しており、彼女の人気の高さを証明するものです。
第2位には、人気シンガーソングライターの米津玄師の「IRIS OUT」がランクインしています。米津玄師は日本の音楽シーンを代表するアーティストの一人であり、今年も多くのユーザーに支持されていることが分かります。
第3位には、ロックバンドのサカナクションの「怪獣」がランクインしました。サカナクションは独特のサウンドと歌詞で知られており、ここ数年日本の音楽ファンから継続的な支持を受けています。
YouTube Musicとの連携
YouTube Musicアプリで音楽を聴いている場合、YouTube Musicのハイライトは従来通り音楽アプリの中で確認できます。一方、YouTubeの動画コンテンツの視聴傾向は、新しく提供されたYouTubeハイライト機能で確認することになります。
YouTube Musicの「2025年のハイライト」では、再生時間やランキングに加えて、「音楽パスポート」などの従来の振り返り機能も用意されており、ユーザーが音楽の聴き方を多角的に振り返ることができるようになっています。
年末シーズンにふさわしい機能としての期待
YouTubeハイライト機能は、まさに年末シーズンにふさわしい機能として実装されました。ユーザーは自分の一年間の興味や視聴習慣を振り返ることで、自分自身の一年を異なる視点から再発見できるようになります。同時に、お気に入りのクリエイターやコンテンツ、トピックについての新しい気付きも得られるでしょう。
YouTubeハイライトは北米での提供開始から順次世界中に展開される予定であり、今週中には日本を含む世界中のユーザーが利用できるようになると期待されています。2025年を総括する新しい方法として、多くのYouTubeユーザーがこの機能を活用することになるでしょう。



