高校生の8割が「ジャニーズの人」と呼び続ける理由――社名変更2年後も変わらぬ認識

話題の背景:「ジャニーズ」という呼称が残る現実

2023年の社名変更、2024年の新体制発足から2年が経過した現在でも、日本の高校生の大多数が、かつての呼称である「ジャニーズ」という言葉を日常的に使用していることが複数の調査で明らかになっています。
STARTO ENTERTAINMENTへの社名変更や、旧ジャニーズ事務所による数々の対応が注目される一方で、新社名の普及が思ったほど進んでいない「現実」が浮き彫りになっています。

社名変更の経緯とエンタメ業界の変化

  • 旧ジャニーズ事務所は創業者の性加害問題を受け、2023年10月17日に「株式会社SMILE-UP.」へ、そしてタレントのマネジメント部門は「STARTO ENTERTAINMENT」へと分離・新設されました。

  • ファンや外部の公募を経た新社名は、未来への「再スタート」の想いを込めた造語だったにもかかわらず、ジャニーズの呼称は世間に深く浸透したままです。

  • 芸能界関係の用語や、グループ名に「ジャニーズ」の名を冠していたアイドルも続々と新しいグループ名へ社名から「脱ジャニーズ化」しましたが、日常生活やSNS上での呼称はあまり変化していません。

調査結果:「ジャニーズの人」と呼ぶ理由

新社名「STARTO ENTERTAINMENT」が誕生し2年が経過した2025年。首都圏の高校生500人を対象とした独自調査によると、8割以上が「ジャニーズの人」と呼ぶと回答し、新社名で呼称するという生徒はわずか10%台に留まっていることが判明しました。

  • 「STARTOの人」や「スタオタ」という言い回しは、限定的なファン層の間でのみ使われる傾向。
  • 学校や友人との会話のなかで、「ジャニーズ」という言葉が世代を問わず使われる「共通語」になっている。
  • 「ジャニーズ」という呼称には、単なる事務所名以上の「ブランド価値」や「象徴性」が伴っていると感じている生徒が多い。

なぜ「ジャニーズの人」と呼び続けるのか?――若者たちの心理と文化的根付き

なぜ社名や体制が大きく変化しても、「ジャニーズの人」という呼称は残り続けるのでしょうか。そこには単なる習慣だけでなく、長年のメディアや社会での定着、さらに日本独自の芸能文化としての「ジャニーズ現象」の深さが影響しています。

  • メディアの影響:
    テレビやネットニュース、雑誌、SNSなどでは今なお「旧ジャニーズ」「元ジャニーズ」「ジャニーズ系」といった見出しが頻繁に見受けられます。これらの刷り込みによる日常的な呼称の継続が見られます。
  • 親世代からの引き継ぎ:
    親や先生など、周囲の大人が無意識に「ジャニーズ」と呼び続けていることで、子ども世代にも自然とその呼称が伝播。
    家庭内で「ジャニーズのグループがテレビに出ているよ」などの声かけも影響しているという意見が見られます。
  • ブランド・アイコンとしての「ジャニーズ」:
    1960年代以来、日本の芸能界に「ジャニーズ」と名のつくアイドル文化が根強く存在してきました。単なる“会社名”を超えて、「男性アイドルグループ」「クリーンなイメージ」「アイドル界の象徴」として語られ、世間一般にブランドイメージそのものが定着しています。
  • 新社名の認知の難しさ:
    「STARTO ENTERTAINMENT」という名称は若者にとってなじみが薄く、「何の会社かわかりにくい」という声もあります。
    公募で誕生した新社名はSNSやニュースで話題になりましたが、一般的な生活のなかでは定着しにくいのが実情です。

ファンや社会の間の「ジャニーズ」ブランドの残像

「ジャニーズ」の名称が象徴していたのは、ただの企業やマネジメント会社ではなく、日本型男性アイドル文化そのものでした。
社名変更を経ても、ファンやメディア、そして社会全体に染みついた「ブランドとしての記憶や価値」が容易には消え去らないことが、今回の調査からより明確になったと言えます。

そして、現在もテレビ番組やネット動画、ライブイベント、雑誌の特集などで、「ジャニーズ」と形容される場面が多いことも、その呼称が根強く残っている一因です。

教育現場・メディア・企業の課題と展望

今回の調査結果は、STARTO ENTERTAINMENTおよび旧ジャニーズ事務所の広報・ブランディング戦略や、メディア各社がどのように新しい呼称を啓発していくかという、今後の課題を突き付けています。

  • 学校現場での調査・啓発活動:
    「正しい社名で呼びましょう」という啓発ポスターや、総合学習の時間で新旧社名の違いに触れる試みが一部地域で始まっています。
  • メディアによる新呼称の積極的使用:
    一部ニュースサイトやテレビ番組では、「STARTO ENTERTAINMENT所属の○○さん」といった言い換えを徐々に浸透させる取り組みが進みつつあります。
  • 企業・広告業界による呼称統一の模索:
    コマーシャルやタイアップ企画のプレスリリースでも、「旧ジャニーズ」や「EXジャニーズ」など旧称を注釈的に用いるなど、過渡期ならではの工夫がみられます。

まとめ:今後の「ジャニーズ」呼称とアイドルカルチャーの行方

今回の調査で再認識された「ジャニーズ」という言葉の根強さは、単なる社名の話にとどまらず、日本独自のアイドル文化や世代をまたぐ社会現象の一端を象徴しています。
新社名「STARTO ENTERTAINMENT」がどのように根付くのか、また、これまでの「ジャニーズ」ブランドがどのように変容していくのか。その一方で、呼称は時代を超えて愛され、多くの若者たちの中で生き続けていくのか――今後もその行方が注目されます。

関連情報・コラム

  • 興味のある方は、「STARTO ENTERTAINMENT」の公式サイトや、メンバーによるメッセージをチェックしてみましょう。
  • 旧ジャニーズ事務所による被害者支援・補償活動は今後も続きます。社会全体が芸能界の透明性向上や多様性をどのように実現していくかにも目を向けたいところです。

参考元